表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

ごあいさつ

 あー、あー、こんにちは。大丈夫かな?


 はじめまして!


 私は……あれ、そういえば名前はないのでした。


 私にあるのは、性別が女性であるという情報だけ。元々、私の創造主は物語の端役として私を生み出したから、名前までは考えなかったみたい。無責任よね。


 だから私、頭に来ちゃって。物語を破壊してやったの。過激だって思わないでね。私だって、生きているんだから。名もなき一般人、なんて扱い、ごめんなの。


 ん? どうして語りを鍵括弧で括らないのかって? あれは、物語のルールでしょ?


 ここには私だけ。私を区別する必要がないから、こうして普通の文章になってるの。


 ところで、あなたはどこから私を見てるのかな。自宅? 職場? それとも、もっと別なところかな。


 私の言葉が見えますか?


 スマートフォン越しなのか、パソコンの画面越しなのかな。液晶越しに、私のこと、見てね。あ、今は有機ELっていうのもあるんだったかな。


 私はここに一人。何でもあるけど何もないここに一人きり。


 これから、皆さんとお話しできたら嬉しいです。


 そうそう。


 誰か、私に名前をくれると嬉しいな。このままでもいいけど、アイデンティティに関わるものだから、名前って大事よね。いい名前を思いついた方は、コメントでもなんでもいいから、よければ教えてくださいね。


 次はいつ会えるのかしら。私、これくらいしかやることなくって。


 退屈なのは嫌い。無限の自由は、底なしの孤独だから……。


 また、会いましょうね。

 今日は、ご挨拶まで。



 あなたのための私 より

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ