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心の声  作者: クレーヴ
9/32

第9番「秘密」

私「ッ! ゴホッゴホッ!」

啓介「お、おい。 大丈夫か?」

私「だ、だいじょう、ゴホッ…ぶ」

啓介「あの時さ、音白のノートチラッと見たんだけど綺麗にとってあるよな。 それに音白、クラス総合順位、結構上じゃなかったっけ?」


あの時、席に戻る彼が微笑んでいた理由がやっと分かった。

確かに私はノートをしっかりととっているし、自慢するつもりは全くないがクラス総合順位では3番目だった。

だからと言って人に教えるなんて考えた事はない。

一応、あかりには何度か教えた事はあるがそれは他の人に教えるのとは違う。

あかりとは普通に話せるのだから。

あかり以外、ましてや異性。

教えるなんて自分には到底無理。

私の答えはNO以外にありえない。

私がそう答えようと口を開こうとしたが彼が話を続けてしまった。


啓介「言っとくけど、NOは無しだからな。 バカにした罰。 音白に拒否権はない」


物凄い笑顔で彼がそう言って来たのだ。

これはどうすればいいのだろう…。

確かに私は彼をバカにしたのかもしれないが、だからと言って強制されるものなのだろうか?

いや。 

普通だったらこんな事は特に迷う必要もなくYESと答えれば済む話なんだが。


私「な、な、何で?」

啓介「何で? 何で教えて欲しいかって?」


とにもかくにも何故、勉強を教えて欲しいかを彼に聞いてみた。

理由によってはやっぱり強制されなければならない事でもないだろうし。

私はコクンとうなずき理由を聞いた。


啓介「ハハ。 秘密だ。 教えて欲しかったら勉強を教えるって事で」


これはやられたと思った。

これではもう、私が彼をバカにしたという私に不利な理由しかなく断るのも何だが申し訳ない。

嫌なら嫌と言えばいい事なんだが…。

やはり私の性格上、何らかの正当な理由がなければNOとは言えないのである。

そもそもNOとあまり言えないのではあるが。

こうなっては仕方ないと思い私はその交渉を呑む事にした。

少しだけ…。

彼が勉強を教えて欲しいという理由も知りたくはあった。


私「わ、分かった」

啓介「本当か! よかった。 断られると思ってたから凄ぇ助かるよ!」

私「!」


意外だった。

断られると思ってたという事もあるが彼が本当に嬉しそうな顔をしたからだ。

その嬉しそうな顔のまま私の手をつかんできたので私は彼の顔が見れなくなり下を向いた。

本当は心の声が顔に出ているかもしれないという理由もあったんだけれど。


"恥ずかしい"


こんなんで私は彼に勉強なんて教えられるのだろうか…。

私の中で不安が膨れ上がっているその時、もう1つ厄介な事が起こる数分前だったんだ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


20話前後を目標に書いていますが、終わるかな〜。

頑張ろう(笑


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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