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心の声  作者: クレーヴ
7/32

第7番「不思議な気持ち」

場面は今現在の中庭に戻ったわけであるが…。


あかり「で、どうなのよ?」

私「だ、だから何もないよ」


3日前の、あのちょっとした出来事を目撃したあかりは、その日から私に彼と何かあるんじゃないかと毎日のように聞いてくるようになっているわけである。

あかりからしてみれば私が男子と話しているのが相当珍しかったらしい。

いや、あかりだけではなく他の誰かから見ても、私の家族からしてみても相当珍しい事ではある。

それは自分自身が1番よく分かっている事だ。

男子とあんな風に2人きりで話すのなんていつぶりだろうか…。

そんな事を思い出そうとしたが思い浮かぶ記憶の中には経験がない事に気づき考えるのを止めた。

何だか初めて話したと言っても過言ではないような気さえする。


あかり「何だ〜。 ツマンナイ」

私「…」


ツマラナイと言われても本当に何もないんだから話しようがない。

例えあったとしても私はそれを語れるような人間ではないから話していたかは定かではないが。

そう。

あの日から彼とは本当に特に変わった事はない。

…。

ほんの少しだけ変わった事といえば私を見つけると彼は挨拶をしてくれるようになったくらいだ。

挨拶と言うのもあまりされた事はない私は最初はビックリして挨拶を返すのに数秒かかってしまった。

しかしそれでも私がぎこちない挨拶を返すと彼はまた少し微笑むのは変わらない事だった。


あかり「じゃあ、そろそろ授業が始まるからまたね」

私「うん。 また」


"またね"


他愛もない話をしているとお昼休みはすぐに終わる。

授業が始まるまであと5分。

あかりは立ち上がり砂が少しついたお尻を2,3度、手ではたくとそう言って歩いていった。

あかりが言うまたねとはまた帰りにと言う意味だ。

意味を考える必要もない簡単なまたね。

私達は家も近いので登下校もいつも一緒にする。

中学から変わらない事の1つだ。


教室。


お昼休みが終わり午後の授業が始まる。

私の席は1番前。

まさに先生から丸見えのポジションである。

それが理由で私は真剣に授業を受けるというわけではなく、席がどこだろうと日頃からしっかりと授業を受けている方だと思っている。

勉強は好きでも嫌いでもないが一応、大学には進学したいと思っているので学力だけはしっかりとしときたいのだ。

私がいつものように黒板の文字を確認しノートに写し取っていると先生が1人の生徒を名指した。

一応言っておくと先生の名前は

押足 真介(おしたり しんすけ)

そして今やっている教科は数学だ。


押足「啓介! 前に出てこの問題解いてみろ」


先生の言葉に私は自分が指されたわけでもないのに少しだけドキッとしてしまった。

そして私が彼の苗字が分からなかったのもここにある。

彼はクラスメイトや先生からも大体、名前で呼ばれているのだ。

名前を呼ばれた彼は少し眠そうな返事をすると黒板の前に出てきた。

しばらく黒板の前に立ち何もせずにジッとしている。

あまりに何もしないので先生が顔を覗き込んでみる。

すると呆れた顔になり手に持っている教科書で彼の頭の上をポンッと軽く叩いた。


押足「何、寝てるんだ」

啓介「寝てたんじゃないですよ。 考えてたんですよ」

押足「分からないなら分からないとさっさと言え。 まったく」

啓介「もう少しで解けたんですけどね。 ハハ」


本当にもう少しで解けたのかは彼以外には分からない事ではあるが、そのやり取りを見ただけでは私は解けなかったのではないかと思った。

苦笑いで席に戻ろうと振り向いた彼と目が合う。

すると彼の表情はどことなくイジケた?…言葉で説明するのは難しいが膨れっ面のような顔になった。

そのまま席に戻ろうと歩いてきた彼が私のノートをチラッと見たのが分かった。

それと同時に彼の横顔が少し微笑んでいるのも分かったので私は少し不思議な気持ちになったわけである。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


人物に関してあんまり特徴を説明してない気がしますね(汗

各々のご想像でもいいんですが主人公2人の説明やあかりの説明もしたいと思います。


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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