表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心の声  作者: クレーヴ
3/32

第3番「出逢い」

私が今現在、気になる存在になっている人物と出逢ったのは3日前のお昼だった。


3日前お昼。


その日も私はあかりと昼食をとるために、中庭に来ていたんだけどその日はいつもとは少し違った。

あかりが委員会の為に少し遅れるとの事だったのである。

だから私はその日のお昼はあの戦場へと1人で突入した。

見るだけでも嫌になるあの光景。

そこに突入するなんて…。


しかし悩んでいても始まらない。

ここには色んな理由で突入しなければならないのだ。


まず1つは単純に自分のお昼ご飯のため。

2つ目は委員会のため遅れるあかりの分のお昼ご飯を獲得するため。

そして3つ目は…香夏子達のお昼ご飯のためである。

この3つを私の順位で表すとしたら2つ目と3つ目が同率1位で1つ目が3位であろう。

正直、自分の分は1番どうでもいいのである。


私(行こうか)


心の中で意を決した私はその中へと飛び込んだ。


人 人 人


昔のバーゲンのように食料を男女が入り乱れ獲得するために1番前、レジ前にある食料を目指す。

今にも人ごみの中からはじき出されそうだが、私はこの人たちのように自分の食料を調達するのとは全然違う。

最低でも3つは獲得しないと万が一の場合どうなるか分からない。

その事を考えると寒さが走るのと同時、やる気さえも出てくるのである。

何とか1番前まで到達し無我夢中で手を伸ばす。

1つの手で持てるのは2つまでだった。

私は2つずつを両手で持ちレジのおばさんへと差し出した。

まずは4つ買うことは出来た。最低限、いやそれ以上のノルマは達成した。

そして自分の分を買おうと手を伸ばすが空振りばかり。

人が次第に減っていき確認できる事が出来たが、そこにはすでに1つもなかった。

棒立ちで立っている私に向かっておばさんが話しかけてきた。


「まだ買いたかったのかい? 最近の子はよく食べるね」


笑いながらそう言ったおばさんの言葉で何だか少し悲しくなった。

しょうがなく私はパンを持って、まずは教室に向かい、いつもの言葉を受け取ると1つのパンを持ち中庭へと向かった。


中庭。


凄く長いような戦いが終わったが時間的にはお昼入って10分ほど経過しただけ。

流石に委員会の用事がそんなに早く終わるとは思ってはなかったが案の定、あかりはまだいなかった。

私は1人でいつもの所定の場所。 

中庭の端の方にある1本の木に向かった。

今の季節は直接、陽が当たると少し暑い気もするのでこの時間に影が出来る、この木が丁度いいのだ。

影の中に入り私は腰をおろした。

腰をおろして数秒、私は上の方に何か気配を感じ木を見上げた。

木の上、そこに1人の人物が枝に寝転んでいたのである。

私はビックリしてすぐに木から離れてしまった。


「何だよ。 そんなに驚かなくてもいいだろ」


これが私と気になる人との初めての…。



初めて会話をした出逢いだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


小説って書いてるうちに、どんどん膨らんできますよね。

凄い短編にしようと思ってたんですが、それなりに長くなりそうな気配がしてきました(汗


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ