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心の声  作者: クレーヴ
25/32

第25番「事件」

憂鬱な気分で始まる火曜日。

学校へと向かう足取りも一段と重い。

あかりには普段と変わらずに接したつもりだが…顔に出てしまう私。

少しだけ違っていたかもしれない。


学校へ着き彼の姿を見ると心なしか気分は回復したがやっぱりマイナス要素が強すぎる。

授業もろくに耳に入らない中、気づくとあっという間にお昼休みへと時間は過ぎていた。


いつもの中庭。

パンを食べる姿も変わらない光景だ。


あかり「何か~京子、元気なくない?」

私「え?」


やっぱり分かるほどだったのか、朝には言われなかった言葉を言われた。

確かに元気はあまりないわけではあるが理由は言えることではないし。


私「そ、そんな事ないよ。 普通だよ」

あかり「そう? 何かあったら言いなさいよ」


うんとうなずき自然と笑みがこぼれた。

あかりの変わらない優しさだけは、いつ感じても温かかった。

そして…。


香夏子「よ! ネッシー」


日常になるのかはまだ分からないが昨日、今日と同じ事をやっているのだ。

変わらない他愛もない話。

私はそれをただ会釈をしながら聞いているのだ。

しかし昨日と違う事も1つある。

今日は香夏子だけ。

ネネと久美がいないのだ。

それは決して今日、登校していないわけではない。

2人が用事でもあるんだろうか?

私の中でこの3人が一緒にいない事はかなり珍しいことなんだけれど…。


授業が始まるチャイムが鳴ると話は終わる。


香夏子「じゃ」


そう言って香夏子は去っていく。

明日の約束はされていない?

もしかすると今日で終わり?

それはそれでかなり嬉しい事だった。

憂鬱になりそうな日々から解放されたかもしれない、そんな事を考えていると授業に遅刻しているという事さえ忘れてしまっていた。

すぐに我に返り今日は特別教室での授業だと気づいた。

慌てて教室に戻ると教科書類を手に持ち移動する。

昨日と変わらず遅刻した私は心では思っていたが恥ずかしさで黙ってしまっていたんだけど、そんな私を先生はまた笑いながら許してくれたのだ。

何だかそれだけで…いや、普段から良い先生なんだけれど良い先生と思えてしまう。

しかしホッとしたのもつかの間、本当の事件はこれからだったんだ…。


午後、最初の授業が終わり皆が教室へと戻る。

各々が授業間の休み時間を過ごしている中、教室が静まり返る一言が響いた。


「財布がない!」


教室にいる全員が聞こえた声。

勿論、私にも聞こえた声のする方へと振り向く。

慌てている声の主を見ると同時に何だか笑っている香夏子達の姿が目に映った。

最初、一瞬だけ疑問に思ったんだけれど。

頭の回転は早いわけではない。

だけど私は多分、全てが理解でき、繋がった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


単純な事件なんですが…まぁ事件自体は何でもよかったので。

まとめ大変です(汗


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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