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心の声  作者: クレーヴ
17/32

第17番「嫌な予感」

図書室。

1人、馬鹿みたいに驚いた私をよそに、あかりはさっきまで私が座っていた席に座り早々とカバンから教科書などを出し始めていた。

彼も同じように用意しているのを見て私も急いで出すのだった。

チラッと視界にあかりが私をうながすように顔を動かしているのが見えた。


私「な、なにを教えればいい?」

啓介「そうだな〜重点は英語かな。 最低限、必要だと思うし」


最低限?

何を指して最低限なんだろうか?

私の考えでは生きていく中で英語は最低限、必要なものには含まれない気がする。

そんな事を考えているとあかりが私の代わりに彼に聞いてくれた。


あかり「最低限って?」

啓介「あ、夢の為にね。 音白に秘密にしてた教えて欲しい理由もそれ」


あかりが少しニヤニヤとしていたが気にはしなかった。

多分、秘密に反応したのだろう。

勉強を教えて欲しい理由を隠していた彼だけど案外、簡単に教えてくれたのにビックリした。

いや、まだ完全に中身まで聞いたわけではないけれど。

夢…何だろう?

考える間もなくあかりはまた聞いてくれるのだった。


あかり「へ〜夢って?」

啓介「ああ、夢…笑わないでくれよ。 俺さ…パイロットになるのが夢なんだ」


勿論、私もあかりも笑わなかった。

むしろ私はすでに人に言えるほどの夢を持っている彼に感心していた。

屋上やここで楽しそうに飛行機について語ってくれた彼。

もしかしたら気づけるべき事だったのかもしれない。


あかり「パイロットって飛行機の操縦士って事だよね? へ〜素敵な夢だね」


馬鹿にした笑いではなく、素直に感心して顔に出る笑顔。

あかりのそんな顔を見て彼は少し照れくさそうだ。


啓介「音白はその顔は?」


少しビクッとした。

私が今、思っていることは。


"凄いな〜"


という事。

それが顔に出ているのであれば問題はなさそうなんだけど…。


啓介「ハハ。 冗談さ。 口、あいてたぞ」


やっぱり顔に出ていたらしい。

慌てて口に手を当てた。


啓介「と、話はそれたが、それじゃあまずは英語からお願いします」

私「は、はい」


まずは英語から。

彼が言った最低限という言葉の意味を理解できたと共に、やっぱり今日だけでは済みそうにはないだろうと感じた。

そして私が何度か言葉につまりながら教えて欲しい箇所を聞いているのをチラチラと見ながら、あかりはさっきから黙っている。

笑っているわけでもないその顔を私も横目で見ていたが嫌な予感しかしなかった。


40分。

勉強を始めて40分が経ち今日はこれくらいと言うことで片づけを始める私と彼。

しかしあかりはというと勉強のさい、何度か言葉を交わしたが不思議なくらいに黙っていた。

最初だけと言っていたし私を慣れさせるためだろうか?

そんな事を考えながら片付けも終わろうとしていた時だった。


あかり「ねぇねぇ。 京子もさ〜飛行機好きだよね?」

私「う、うん」

あかり「だよね。 昔から登下校の時、音がすると足止めて空、眺めてたもんね」


本当にあかりは良く見ているんだと感心した。

しかし…。


あかり「じゃあさ! 2人で飛行機、見に行ってきなよ!」


やっぱり私の嫌な予感は当たっていたんだ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


この小説、実は普通の恋愛物語ではないんですよね。

当初、考えていたより長くなってるので、それが出てくるまでも長くなっています。


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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