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心の声  作者: クレーヴ
12/32

第12番「今から」

何気ない日常は、やはり何気なく過ぎていく。

気づくと時計の短針は12という数字の少し右にあった。

時刻はお昼休み。

特にいい案が浮かぶわけもなく午前中の授業が終わっていた。

そして、また何気ない日常が1つやってくる。


香夏子「ネッシー。 聞いてんの?」


あまりにボーッとしすぎていたせいだろうか。

目の前に立っている人物達にすら気づかなかった。

いつもの様に香夏子たちが私にお昼を頼んでいたみたいだ。

いつもの事。

だからいつも別に何とも思わないことではあった。

しかし彼と話した日から、どうにも少しだけ顔に出るようになってしまっているのは確かなのだ。

いつもなら私がコクンと首を下げ教室から出て行くだけなのだが、昨日も心の声が顔に出てしまうくらいだった。

もちろん私がどう思っていようが彼女たちも私も行動は変わらないわけではある。

私はいつものようにコクンと首を動かすと席を立つ。

その時ふと思い教室を見渡して見たが案の定、彼はお昼休みの教室にはいない。


私(今日は何処だろう)


また1つ考え事を増やし私は教室を後にした。


購買。

変わらずあかりは私…私達の分のパンも買っておいてくれていた。

一先ずあかりにお礼を言いパンを受け取り教室に戻る。

その足で中庭に向かうのもいつもの事だ。


中庭。

木の影でいつものようにお昼を食べる。

そしていつものようにに最近、追加された事を聞かれるのも相変わらずだ。

まぁ今日は聞かれてもしょうがない事ではあるけれど。


あかり「どう? もう言った?」

私「まだ」


首を振りながらそう答えた。


あかり「も〜それじゃあ、いつ言うとか予定は?」


その予定を今まさに何時間も考えている最中なのだ。

しかし私には決められない…いや自分の考えを思い返すと何かしら理由をつけて逃げていたような気さえする。


私「考えてるけど…」

あかり「けど?」

私「いい時が見つからない」

あかり「ハァ〜全く京子は。 よし! それじゃあ今から行こっか」


そう言い、一口サイズまで食べ進んでいたパンを口に入れ、あかりは立ち上がった。

それを聞き私も口の中に入れたばかりのパンをすぐに飲み込んだ。


私「い、今から!」

あかり「そっ。 今から」

私「ま、まだ心の…」


私の言葉なんて聞く耳持たず。

あかりは私の手を引っ張り校舎へと向かいだしてしまった。

これは色々とマズイ。

色々と言うのは彼の事もそうだが教室…香夏子たち…万が一という場合もある。

私はあかりの肩を数回、叩きながら言った。


私「ひ、1人で行くから大丈夫」


それを聞きあかりは足を止め私の手を離した。

そしてにっこりと笑うと。


あかり「頑張ってね」


何とも優しい笑顔なんだろう。

その笑顔を見て私は少しだけやる気が出てしまったんだ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


投稿間隔が長くなってしまって申し訳ありません。

こっちの作品は書き溜めをあまりしてないので色々と考えてると遅くなってしまいます(汗


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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