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心の声  作者: クレーヴ
11/32

第11番「ダラシない」

陽が昇り、また新しい朝が来た。

時刻は8時。

私の家は共働きなので私が起きる頃には父親はいなく母親が妹をつれ出発する頃である。

朝食は基本的にセルフサービス。

私はいつも簡単に食パンを焼いて食べる。

お弁当をこの時に作ってもいいのだが私は料理は苦手なので作らない事にしている。

だから毎日、机の上にお昼代が置いてあるのでそれを財布に入れて家を出るのだ。

どうでもいい事ではあるが私の家族構成は両親と私、それと妹、兄。

兄は大学に進学すると同時に家を出て行ったので、この家で生活しているのは私を入れて4人。

これ以上、特に必要もないと思うので紹介するのは止めておこう。


高校までは徒歩30分ほど。

10分ほど歩いた所にあるコンビニの前であかりと合流して学校に向かうのが日課である。


あかり「おはよ」

私「おはよう」


いつものように合流した私達。

軽く挨拶を交わすとすぐに話題は思っていたことに変わった。


あかり「大丈夫?」


第三者が居たら、いきなり大丈夫なんて聞かれたら普通は何の事か分からない。

しかし私には当たり前のように分かる事だ。


私「う、うん」

あかり「何か顔色、悪いよ? 昨日、ちゃんと寝れた?」

私「う、うん。 少しだけ」


あかりは本当に何でも分かるというか鋭いというか…。

いい意味でお節介なんだろう。

私はと言うと昨日は布団に入ったはいいが今日の事を色々と考えているうちに1秒、1分、1時間と経っており気づくと外が明るくなっていた。

そう。

一睡も出来なかったというダラシのない事は口が裂けても言えないのだ。

そして私は一睡もせずに考えた結果、さらにダラシのない案に辿り着いたのである。


私「あ、あのね。 あかり」

あかり「ん?」

私「い、一緒に勉強しない?」


あかりの顔がキョトンとしたが、そんな事は気にしない。


あかり「一緒にって…3人でって事?」

私「う、うん」

あかり「プッ。 ハハハ」


笑われた。

流石に少し悲しかったが笑われた理由は少し違った。


あかり「あ、ごめんごめん。 そんな顔しないでよ」


多分、心の声が。


"笑わなくても"


悲しんでいた事が顔に出ていたのだろう。

あかりはすぐに謝ってくれた。


あかり「もしかしたらそう言われるんじゃないかってね。 思ったんだ」


あかりにとって、私が言ってくる事はお見通しだったらしい。

これは駄目だ、断られると思ったが答えは違った。


あかり「いいよ。 だけど最初だけ。 流石にいきなりはキツイかもしれないしね」


よかったのか悪かったのかは分からない。

だけどその時、その場ではホッとした。

それと同時にハッと気づく事があった。

最初だけ…。

そうか…。

何も勉強を教えるのは1回とは限らない。

いや、むしろ教えるのであれば数回、勉強によってはしばらく教える事もある。

また1つ胸の鼓動が早くなることに気づき学校へと向かう足取りが重くなった気がした。


学校。 1年D組。


あかりと別れ教室に向かった私。

きっと私以外はいつもと何も変わらない日常がまた始まろうとしているのだろう。

そんな何という後ろ向きな事を考えながら教室に入り少し見渡す。

彼はすでに席につき窓から外を眺めていた。

その姿を横目でチラチラと何度か見ながら私は1番前、自分の席へと向かった。

席に座り、カバンから教科書、ノートを机にしまい、まず1番に考えた事。


私(いつ言おう)


周りの音なんてこれっぽっちも気にはならなかった。

授業が始まるまで、ずっとそんな事を考えてたから。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


ちなみに授業が始まるのは9時10分。

京子が家を出るのは8時半ほどですかね。

これは自分の高校時代です(笑


ではまた次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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