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#025

全員と合流したあと、

俺とアイビスは早速その町に向かって出発することとなった。


というのも、


「俺たち4人だけであの場所に行くのは不安ですしね。

冒険者のみなさんと行くのが1番なんじゃないでしょうか」


「そうかもしれんが、何があるかわからん場所に一人で行くのは不安だと思うぞ」


「うーん……そうですね。じゃあやはり3人で行きましょう」


それから、数十分後。

日がそろそろ沈んでくるかという時。

俺は前から気になっていた事を聞くことにした。


「そう言えば、このファースには図書館ってありますかね?」


「あるぞ。図書館はこの街の南に広がる大図書館だ」


良かった。

この世界に来てから、図書館の話は全然聞かなかったからな。

ならとりあえずはいけるな!!


「わかりました。ありがとう」


「おう」


こうして、俺達は大図書館へと向かうことになった。


さて、大図書館はここから歩いて5分程度の所にあった。

街のほぼ中央に存在し、とても大きな建物だった。


「すげぇな。建物全部が図書館だなんて」


「こんなに大きな図書館があるんですか」


「流石は帝国の図書館だな」


中に入ると、辺り一面に様々な本が並び、興味深げな視線を俺達に投げかけてきた。

本の数が多いせいか、この中は思ったよりに広そうだ。


「さて、適当にぶらつくとするか」


「そうですね」


キョロキョロと辺りを見渡しながら俺たちは歩く。

さて、ここか。

適当に大図書館の周りを適当に歩いていると、気になる本を見つけてしまった。


「お? これなんか凄いぞ」


丁度いい。後でアイビスに確認してもらおう。


「タロウさん何見ているんですか?」


「ん、ああ。本の中に入ったら一番近かったからさ。見てみようと」


俺が指したのは、歴史が書かれた本の中で一際目立つ、

とある本の背表紙だった。


「歴史ですか。すごい本ですね。私はこういう本にはそんなに詳しくはないので、

読んでみたいです」


どうやら、アイビスも歴史好きだ。

仕方ない、ここは歴史を読もう。


「じゃあ、適当に見て回るか」


「そうですね」


それから数十分後。

俺達は大図書館の中に入っていた。

他の大図書館と一緒で、入り口以外が本に囲まれている。


「ここが大図書館か。思ったより人も多いな」


実際に大図書館の中を見てみると、結構な人数がいた。

ざっと約5000人はいるだろうか。

ファースの国の3倍ぐらいの規模だ。

どうやらかなり凄い学術らしい。

流石は帝国。


「タロウ、はぐれないように手を繋いでくれ」


「あ、はい」


どうやらこの混雑でははぐれてしまう可能性があるらしい。

なら離さないと――――――


それから数分後。

俺達は大図書館の最後尾にまで来ていた。


「さて、ここに入ろうぜ」


「そうですね」


空いている入り口を探す。

すると、


「いた」


ようやく俺たちの番が来た。

いや、正確には目の前と言うべきか。

そこには数十人の子供を抱えた女性がいた。

恐らく母親だろう。


「すまない、道を開けてくれないか」


「すいません、今ちょっと取り込み中で」


「いや、いい。私が通そう」


言って彼女は子供を抱えた母親の横をすり抜けようとした。

その行動に慌てる母親。

俺は咄嗟に母親の前に立ち、


「!」


体を張って女性を庇った。

これが俺じゃなかったらどうなっていただろうか。


「どうしたのだ?」


間一髪だった。

女性を庇ったのにもかかわらず、母親はそんな事を聞いてきた。

表情にはまだ不信感が見てとれた。


やはりこの母親は只者ではない。

俺の中では自然とそう思った。

それと同時に本当にこの人が大図書館の中にいる事に驚いた。


「いえ、何でもないです。行きましょう」


ここまで来て引き返すわけにもいかない。

俺はそう言いかえ、その人からそっと離れた。


それからまた数分後。


「終わったぞ」


「どうもありがとうございました」


やっぱりまだ中には大勢の子供の母親はいた。

母親の方を見ると、ボロボロと涙を流していた。


「大丈夫か?」


「ええ、ありがとうございます」


お礼を言いつつ、俺は女の子の様子を見る。

女の子は涙を流してばかりいたが、まだしっかり立っている。

すると今度は、女の子が俺の目を熱心に見てきた。


「お兄さんって強いんだね!! お姉さん強いね!! 私お兄さんにあいたい!」


興奮気味な声で言ってきた。


「そうだな、俺もお前をあいたいな」


この位の年なら、女の子にも多少の経験値はあるだろう。

かなりレベルが低くない限りは何とかなる。

まあ、その道はあまり進めないが。


「え? ええ!? じゃ、じゃあお姉さんは私より強いんだね!」


「ああ、俺の方が強い」


ついでに今自分の立場を少し思い出した。

めちゃくちゃ言って、しかもそれを悟られそうだ。

ここは多少強気に出ることにしよう。


「えへへ〜、お兄さんも強いんだね!!」


お、引いてくれた。

俺は女の子が引いてくれた事にホッと胸をなでおろした。


「ああ」


「じゃ、じゃあ私と勝負しようか!!」


意気揚々とそう言った女の子。

勝負……か。

どうしようか。


「よし、いいぜ」


俺がそう言った瞬間、周囲から黄色い音が響き渡った。

いや、実際は音なんて出ない。

それは多分、子供の声だからだ。


「「「やっちまえ!!!!」」」

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