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#021

今度はこちらから攻撃を仕掛ける番だ。

俺は地面を蹴った。


向こうは俺の速度を見て、対応できない……とでも思ったのか、少し距離を取ってきた。


だが、遅い!


「『ブースト』」


一気に加速する。

そのスピードは俺の予想をはるかに超えていて、まるでクモのよう。


距離を開けた相手に攻撃を当てるのは難しい、だから俺は相手が次にとるであろう攻撃を最もよく当てようと思う。


ゆえに、思考に力を入れよう。

相手の動きが見えるようになったならば、先読みすればいい。


そう考えた俺は、今度は自分から仕掛ける。


足に魔力を蓄えて、スピードを上げる。


魔力が足に集まっているのがわかる。

同時に、足から魔力を放出した。


先ほどは相手の蹴りに、反動で無理やり攻撃をした。

だが、今度はその蹴った軸と脚に魔力を乗せる。


「せいやっ! 『ハイステップ』!」


力のこもった言葉とともに、脚に溜めた魔力が一気に噴出し、爆発的に加速する。


これこそが俺の速度の秘訣。

右足に溜めた魔力を右足へと集中させ、爆発的な一足で相手に接近し、蹴りを放つ技、『ハイステップ』だ。


『ブースト』に利用可能な、ほぼ最高と言っていい技であると言えるだろう。


「とった!」


しかし、相手の蹴りが空を切った。

そして、俺の足が浮いていることに相手は驚いているようだった。


すかさず俺はその浮いた足の先端に着地をする。


「『ハイヒール』っと」


足を固定しても、俺の攻撃力が上昇するわけじゃない。

なので、地に足を着けて踏ん張れば、バランスを取ることくらいできる。


「っ!」


と、そこへハジメが俺へ向かってきた。


ハジメとの距離はおよそ一メートル……ここで俺は魔法の詠唱を開始した。


「『ハイエクスプロージョン』! 『スマッシュ』!」


右足に溜めた魔力を一気に解放して、さらに魔法の威力を高める。

そして、左足に溜めていた溜め込んだ魔力を解き放つ。


『エクスプロージョン』は、その爆発で敵を破壊する魔法だ。


右足に溜めた魔力を、爆発するように炸裂させる。

すると、その爆発の威力が敵の土手っ腹にまで伝わり、その部分の土をごっそりと吹き飛ばす。


それに加えて、俺は次の魔法を唱える。


「『ダウンバースト』!」


威力を一段階上げる、中級魔法のダウンバーストだ。

敵の土手っ腹をぶち抜いた。


その勢いで俺は数メートル吹っ飛んで、地面に身体をぶつけた。


直撃はしていないが、かなりの衝撃だったようだ。

ダメージはけっこうあるが、大きな怪我もしていない。

この程度なら、走って復帰するくらいの余裕はあるな。


「し、ねぇぇぇ!」


が、敵はこの程度では怯まない。

今度は魔法を放ってきた。


正直、さっきの動きを見た以上、『ハイエクスプロージョン』か『ハイエクスプロージョン』で対応する気だったのだが、ここで俺は魔法を詠唱することにした。


これは賭けだ。

さっきは俺一人だった。

だから、俺は今、2つの魔法しか使っていない。


この二つを使って、あいつを確実に殺す。

それだけを考えて、俺は詠唱した。


「――『エクスプロージョン』!」


『ハイエクスプロージョン』を放つ。


これによって、ハジメはさらに焦ったような挙動を取り始めた。


こいつの素早さは異常だ。

また、さっきまでの動きが俺由来だと思って、勘違いしてくれている。

それならば、勘違いしてもらうほうが都合がいい。


「『エクスプロージョン』!」


案の定、ハジメは爆風に隠れて、俺の魔法に向かってきた。


ハジメはダメージこそ負っているものの、まだ戦えるような様子だった。

爆風を抜けて俺に斬りかかろうとしている。


しかし……どうやら今回はハジメに当てることができなかったようだ。

さっきまでの俺ならば、これでハジメにトドメの一撃を見舞っていた。

だが、今の相手は俺ひとり。

しかも、今はさっきまでと違って、俺は右足には魔力を集めていない。


この状態で正確に狙えるわけがない。

ハジメはここで初めて焦り始めた。


だが、そうはいくか。


「すぅ…………はぁ…………ハァ…………なんだそれは……ぐぅ……」


俺が間合いに入ったのを見て、ハジメは攻めあぐねているような声を出した。


隙を見せたな。

そう思った俺は、一度そこで足を止めて、『エクスプロージョン』を放った。


ハジメの足が吹き飛んだ。


「くがぁ!?」


そして、ハジメの身体には大量の土がまとわりついている。

これにより、一時的に行動が制限され、その隙に俺はハジメの懐に潜り込み、俺は『エクスプロージョン』を食らわせた。


火だるまになったハジメは、そのまま膝をついて、地面の上でのたうち回っている。

これで、トドメだ。


「がぁ……」


が、ハジメのほうはまだ生きている。

俺はハジメの動きをチェックしつつ、足に溜めた魔力とダメージヒールをかけた。


こういったダメージヒールは、回復魔法とHP自動回復の両方の効果を持つから、今のハジメには一撃必殺になるだろう。


……それにしても、本当に勝負にならなくて良かった。


ハジメのHPは俺の攻撃で3割以上は削れている。

HP的には、勝負にならなかったと言ってもいいレベルだ。

けれど、決闘大会という形式とはいえ、相手は俺だ。

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