#020
俺達のダンジョン攻略はまだまだ続く。
そして俺達は未だ最高レベルでの連携訓練中なのだ。
最高レベルの連携訓練は、レベルだけでなく様々なスキルを重ねがけする事で効果を上げる事が出来、更には『同一パーティ内の仲間なら、お互いに『共感』できる』という効果を持つ。
まぁ、実際には『共感』出来る、ってだけで『ソウルリンク』のように明確な協力関係が結ばれる訳ではないらしいが。
現在の俺達のパーティー内なら俺とアイビスだけで『念話』も出来るし、ソフィアにも同じく俺からの『念話』が出来た。
で。
訓練の終わりが近づいてきたので俺はアイビスとアリスの2人を連れて俺の『無限収納』に装備や素材となる装備品を収納してくる事にした。
「旦那様。私の武器などはどうしましょうか?」
「…前に貰った剣があるんだ」
「私のもっ!」
アイビスは嬉しそうに剣を腕に通している。
「私は…まだ『盾楯装備』が取れていませんので保留にしておきます」
「…保留?」
アイビスの装備は『盾楯装備』を付与された『法衣皮の軽鎧』に『重刃の剣』、それと『竜の皮の鎧』だ。
重属性の剣は余り出回っていない為、回復手段を持っているアイビスは良い選択だと思う。
で。問題なのがアリスの装備が未だに『防大の小手』と『波打つ炎銀の小手』なので、今はまだ買う訳にはいかなかった。
「…あれ?」
ふと思い出し、俺はアリスをもう一度『スキャン』してみる。
彼女の装備の数値は…。
「『鬼拳聖』…って『拳聖』の大拳じゃないの?」
なんか前に見たアリスの装備の数値は『火焔拳』と『粉砕の拳』だった。
これってどういう事?
なんか色々ツッコミたい事はあるが、それよりも…。
「あ、なんか変な武器がある」
「ああ。これですか?」
俺が右手に注目するとアイビスが答えてくれた。
『波打つ炎銀の小手』 品質 50000 性能 『武器限定』
武器攻撃力を攻撃力に変換する形状をした白いグローブで打撃攻撃力は極端に低い。
更に小手に『波打つ炎銀の小手』を着けている為、物理攻撃にかなりの耐性を持っている。
装備すると筋力と器用を初期値から+50され、その+50分も攻撃力に加算される事になる。
そして☆の付いている効果で最大で+200まで攻撃力を引き上げる事が出来る。
そして☆が付いている効果のお陰で筋力・ 敏捷微上昇が付属されているらしい。
アイビスが言ったように、この『波打つ炎銀の小手』を装備した状態で通常の小太刀や爪でも相当な事が出来る事になる。
『鬼拳聖』と『粉砕の拳』を装備しての攻撃力500万。
うん。普通に強い。
というかスペック高過ぎ。
「旦那様。どちらを選びましょうか?」
「んー」
アリスはどちらかというと『波打つ炎銀の小手』の方を好んでいるっぽい。
それを選ぶと後の装備がどうなるのか興味深い。
「あ」
「旦那様?」
「『首飾り』と『火焔の手甲』下さい」
「承りました」
そして俺達の装備は充実して行き、最後に――俺の『切り札』を使う事になった。
「天翼種の幼女から貰った『火の熾天使』と『風の熾天使』。お前に贈り物をしてやろう」
「…?」
俺が差し出した2つの品をアリスは首を傾げて見つめている。
ふふふ。やはりアリスには予想通りの反応ばかりされるなぁ。
恐らく『火の熾天使』と『風の熾天使』にとってアリスは特別な存在なのだろう。
それでも自分が役立つ事を喜んでくれている事からも、その関係性が非常に良いものだと理解できる。
「まずは『首飾り』だ」
俺の前には『火の熾天使』――『火の熾天使』と同じくらいの大きさの『火の魔法石』と火の魔法杖――『火の魔法石』で出来た腕輪が2つあった。
但し、火とは全く異なる属性の石で作られたもので、見た目としては属性石よりも『炎』のように見える。
しかも火の魔法石を加工して作ったらしく、火の魔法というよりも熱量を強くしたような見た目だ。
「火の魔法石と火の魔法石で作られた腕輪だ。但し、これには俺が1万分の1ずつ魔力を込めているから俺が与えた『火魔法』は全くの無意味だ」
「…大魔王様の『火の熾天使の愛』を1つにしたので?」
「さぁな?そこは天使様の特権だ」
「大魔王様は…」
そこで俺に抱きつきながらもアリスは恨めしそうに俺を見上げる。
失礼な。
唯、大魔王にも色々と使い道があるんだよ。
「その腕輪には俺の血を入れる事が出来る」
「……」




