戦乙女のお話
□■戦乙女のお話■□
「いやぁ〜1番平和だったよ…あそこの国が」
「そうなんですか?クロノ様。」
「うん…それ以外は修羅場ばっかりさ…な?ヘイネス。」
「ほとんどクロノ君が関係してることだけどね。」
「返す言葉もねぇや…」
数日が経っただろうか、イディオムから出て数日、特に何も無く、普段通り馬車を進めていた。
「ん?あれ…はぁ…っ!人が倒れてる!ヘイネス!ちょっと待ってくれ!」
「ちょっと!クロノ君!?」
「アウロラは桶に水を張って!あと氷を作ったら、リフレ、くだいてほしい。」
「わ、分か…り…ました!」「……ん」
「大丈夫か!しっかりしろ!」
「……う、うぅ…」
酷い怪我だが大丈夫の様だ。
「傷よ治れ…良し、んまぁ、これでだいぶ楽になっただろ…あと…はっと…」
倒れていた人をお姫様だっこして幌馬車の中に入ると。
「よし…布団も用意してくれたか、ありがとう、取り敢えず皆で周りの安全確認をして欲しい、あと食料調達も頼むよ、俺はこの人を見てる、今日は早いけどここで休もう。」
「了解」
「分かりました。」「わかったぁ〜!」「は、はい…。」「ん」「はぁ〜い。」
「よし…さて…と…ふわぁ〜あ…」
皆が寝ている時も周りの安全確認をしていたせいか、今になってとんでも無く眠たくなってきたクロノ。
「……すぅ…すぅ…すぅ…」
遂に睡魔に耐えきれなくて眠ってしまった。
「ん…んん…ここ…は…あら?」
「すぅ…すぅ…すぅ…」
私が目を覚めるとそこは馬車の中で隣には私よりも年下の可愛い少年が寝ていた、看病してくれたのだろうか、だったら感謝しなければ、そう思い、私は少年を横にして膝枕をさせてあげることにした。
「……それにしても似ている…最愛のあの人に…」
私には今は亡き愛人が居る、彼は私に好意を持ってくれる人で私にとても優しくしてくれた、その為殺した、殺してしまった。
「ん…んん?はっ!寝てた!」
「おはようございます。」
「あ、目語覚めたのですか?良かった…あ、鎧は直しておきましたが…まだ完全ではないので、次の国が鍛冶士の国メイスなのでそこでですが…良いですか?」
「あなたは良く似てますね…いえあなたは…シグルドですか?」
「え?いえ…俺はシグルドではありませ」
言い切る前にその人は俺を押し倒す。
「私にここまで優しくしてくれるのはシグルド…あなただけです。」
「な、なんでそう言える…」
「いえ、私にこれだけ優しくしてくれるのはシグルドだけですから。」
「っ…!?」
クロノは女性から離れようとするが、離れない、通常力の関係とは、そのままであり、力が強いほうが強い、力が強い奴が倒れていれば話すことだってできる、押していれば相手を動かさずにいられる、つまりこの女性はクロノの力よりも上である。
「は、離してくれ…そろそろ俺の腕が…折れ…」
ゴキッ…と肩から鈍い音がする。
「あっがぁぁ!?」
「あっ!すいません!肩が!肩が!」
「あぁぁぁうぅぅぅぅ……おれへはないようへす、はの…はたはおひてくだはい。」
「分かりました。」
何故痛すぎて声が出なかったのに分かったんだ…と思いながら女性に能力確認をすると。
ブリュンヒルデ:20歳
レベル:??? 所属ギルド:天空騎士団 称号:戦乙女
力:5861 耐久:6842 俊敏:6881 魔力:9854
スキル:対魔物戦特攻レベルⅩ 持続型攻撃力上昇スキルレベル??? 持続型魔法攻撃&魔力値上昇レベル??? 持続型魔力回復レベルⅩ 温度変化耐性Ⅹ 飛行レベルⅩ 時間停止レベルⅩ 召喚レベルⅩ 言語理解レベルⅩ 確立性即死攻撃レベルⅩ 契約スキルⅩ 電撃耐性Ⅹ 適正装備・槍適正レベルⅩ 殺気察知レベルⅩ 結界制作レベルⅩ 軍略レベルⅩ 威圧感 薬物、毒、精神攻撃無効 魔眼
特殊スキル1:想像力 想像したことの現実化(確立)
特殊スキル2:愛の力 愛に比例し火力上昇
特殊スキル3:急所撃ちの弾丸 的確に急所に当てる
特殊スキル4:病む者 極度の嫉妬による火力上昇
「お前…ブリュンヒルデだったんだ…」
「はい…そうです…ねっ!」
ものすごい勢いで肩の骨をつけられた。
「いっ!だぁぁぁぁ!?かぁぁぁぁ!うぅぅぅぅ…」
「すいません…えっと…お名前は…」
「ク、クロノ…俺はクロノって言うんだよ。」
「…クロノ様…えっと…そのぉ…私もぉ…お仲間にぃ…」
「「「「駄目です。」」」」「……ん…。」
「うおっ!アナ達…どうしたって…怖い怖い…」
「ごめんね?何かアナが嫌な予感がするって言ってダッシュで来たんだよね…まさか仲間になるなんてねぇ…」
「この人達は?」
「あぁぁ…えっとぉぉ…お、俺の仲間、良い奴等だけど…何か俺に関わる女性に対して恐ろしいんだよな…あ、でもブリュンヒルデは良いよ、構わないよな?」
「しかし!」
「駄目ぇ…なのか?」
「はうっ!?」
アナは反論しようとするが、少し涙目の目で心配そうに言われた瞬間、アナは心を奪われてしまった。
「………クロノ様に任せます。」
「ありがとう!アナ!」
「………ぶふっ…」
「うわ!?アナが鼻血出して倒れた!」
急に鼻血を出して倒れたアナ、これは本当にまずいことになってるなぁ…そう思いながら今日の晩を過ごすのだった。