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エルフの国ゲルマン

□■エルフの国ゲルマン その前■□

 森に入り数分、クロノは異変にきづいた。

「おかしいな…」

「クロノさん?どうしたんですか?」

「いや…見張りのエルフも居ないし、それに森が静か過ぎる。」

「確かにそう言われてみれば…」

 エテルノの出て数週間旅を続け、エルフの国ゲルマンがある森に着いたのだが、見張りのエルフがおらず、ましてや鳥の鳴き声すらないとても静かな森と化していた。

「嫌な予感がする…取り敢えずエルフを…って…あれは…」

「エルフの人が倒れてます!大丈夫ですか!」

「う…うぅ…」

「ひどい怪我だけどまだ間に合うな。」

 倒れていたエルフは右肩から左腰までに渡って大きな傷が見られた。

「これを飲んで、俺が調合した薬だ、苦いが直に良くなる。」

 クロノはトレジャーバッグから粉薬と水を出し、薬をのませたあと水を飲ませる。

「うぅ…がっ…ぐぅ…に、苦い…って、怪我が…」

「ぉお、流石すげぇ修復の速さだ…」

「旅の者、助けてくれて感謝する。」

「なぁ、質問してもいいか?」

「はい、なんでしょうか?」

「一体…この森で何が起きている?」

「………災害レベル災厄(ディザスター)クラスのモンスターであり、現れたら必ずそこは消滅とされると言われている骨鯨(こくげい)が我々の村を襲いました。」

「な、なんですって!?」

「骨…鯨?」

「取り敢えず案内をします、ついてきてください。」

 二人はエルフに案内され、ゲルマンへと向かい、骨鯨について話を聞くことにした。

「姫様!旅のお方を連れてまいりました!」

「分かった、案内しろ。」

「こちらです。」

「ど、どうも。」

「こんにちは。」

 とエルフの姫に挨拶をする、薄緑の長髪で、美しい顔立ちの女性のエルフだった。

「唐突ですいませんが、骨鯨…と言う物について説明してくれませんか?」

「む?貴殿は骨鯨について全く知らないのか…して、貴殿は何かに所属を?」

「ううん、所属はしてないけど一人で9歳のときから討伐をし続けてたし、俺自身本とか読まなかったってのもあるから知らないのも当然かも。」

「9…9歳から討伐って…」

「ま、まぁ取り敢えず説明しよう。」

 説明を大まかに考える

 骨鯨は元々ただの鯨の白骨死体だったのだが、そこに大量の霊が住みつき、付喪神(つくもがみ)(物が何十年にも渡り、神格化したもの。)の様な存在になったが、更に何百年も何も対処されずにいたせいで、住み着いた霊が悪霊と化し、生きた者を恨み襲い、ものすごい速さで人や様々な動物などを切り刻むと言ったことをし上空に浮かび姿も消すと言ったこともあり、誰にも手を負えずにいた。

「なる程…では、弱点はあるのですか?」

「あぁ、物理攻撃が諸々が弱いのだが、魔法攻撃諸々は全て吸収されてしまう。」

「なる程…分かりました、ここに来たのもなにかの縁です、恐らく再びここにするでょう、俺はこの先にある平原に向かって立ち向かいましょう、戦うのなら「風の矢」を使うといいかも知れませんね、風の矢は魔法攻撃ではなく物理攻撃だったはずなので、射程もあり火力も出る、まさに持ってこいです、では俺はこれで、失礼します。」

「あっ!おい!…行ってしまったか…おい、貴殿ヘイネス、あいつは大丈夫なのか?」

「あぁ、やっぱり?スラヴちゃんそう思う?」

「こら、その呼び方を辞めろ!んもぉ…これだからヘイネスさんは…でも、以外ですわね、」

「そう?クロノ君が私をアルヴァスから抜ける様にしてくれたんだよね。」

「クロノと言うのか彼は…良い名だな、ん?どこかで聞いたことがある気が…」

「クロノ君は怪物殺(モンスター・キラー)って言われてる人です、でも驚きですよね、クロノ君、私達よりも若いんですよ?」

「………」

「スラヴちゃん?」

「兵を連れて行く、私達も骨鯨と戦うぞ。」

「そう来なくっちゃ!」

 二人の姫は合致し、クロノが知らぬ内にエルフの兵はおよそ数万の軍勢と化した。


□■討伐戦 骨鯨 その前■□

「こちらが、星降りの平原(スターダストプレイン)です。」

「凄い名前ですね…星降りの平原…とは、」

「はい、実はたまに流星が落ちてくるんですよね…まぁ最近降ったのは三百年異常前ですけどね…あ、ちなみに僕は1500歳程ですので、そこはあしからず。」

「は、ははは…」

 マジかよこのエルフ…ハンサムなのにくそ歳とってんのかよ…見た目に頼ってはだめだなぁ…と思ったクロノ。

「下が騒がしいですね…皆さんも…参加するんですか?討伐。」

「勿論だよ、君に全て任せるわけにはいかない。」

「…これは予想よりも遥かに早く終わりそうだな…分かった。でも今は準備をしてたり休んでたりしててくれ、見張りは俺で十分さ。」

「分かりました、皆にそう伝えておきます。」

 男性のエルフはこの平原をあとにした。

「…誰ですか?」

「気づかれてしまったか…よっと…」

 昨日スキル気配察知が開花したせいか…俺目当てのやつだったら直ぐにわかるようになった。

「なぁ…質問しても良いか?」

「はい、なんでしょうか。」

「お前は…どうして無関係のエルフの村…と言うか国に協力してくれるのだ?」

「え?う〜ん…それには俺も分かりません。」

「そう…やはり分からないわね…()()()()()()()()()()()()()()()()()…。」

 その言葉にピクッ…と反応したクロノ。

「っはっはっはっは…そう捉えますか…あなたは…でも…人間はそれだけじゃないんですよ?」

「それは?」

「どんな窮地(きゅうち)にも立ち向かう人も居れば…そこに必ず何かを残し、それを受け継ぐ人間も居ます…命の短い我々人間には、それしか受け継ぐ方法はありませんからね。」

「……君たち人間を見下す様な言い方をしてすまなかった。」

「そ、そんなこ…」

「ん?どうかしたか?」

「兵の準備を!骨鯨が来ます!」

「分かった!皆のもの!集え!」

「「「「「「おぉぉぉぉ!」」」」」」

 集まった大量のエルフが集まる。

「姫様…俺が先に攻撃をします、その直後光魔法を唱えてここら一帯を昼間の様に明るくしましょう聞いた限り夜行性なので…攻撃しながら耐久戦としましょうかね、そうですね…3分耐えればこちらの勝ちが確定しますが、そのためには骨鯨の肋骨を…()()()()()()()()()()()()をして下さい、あ、折っては駄目ですよ、再生すると思われます。そして、討伐が終わるまで、誰も殺させはしません。」

「分かった…しかし…どこにも見当たらないが…」

「簡単です、隠れているのでしょう。」

 クロノはそう言いながら軍から数キロ離れ、少し腰を捻り、右に拳を構える。

「そこだ!」

 クロノが拳を奮った瞬間、クロノの頭にある言葉が過った。

『特殊スキル反発者の発動を確認、それに動じまして、スキルカウンターを受諾、スキルレベルⅠからⅤに上がり攻撃を開始します。』と、その言葉が聞き終わるのは時間にしておよそ0.1秒にも満たない。

「!?!!!?!」

 拳はちょうど()()()()、骨といえど、強度、重さは計り知れないほど重く、計り知れないほど硬い、そんな物がおよそ時速100キロを越え、一点にその攻撃が当たったら、確実に、()()()()()()()()()

「今だ!」

「「「「「光よ集え(ライトニング)!」」」」」

 すると光が刺し、まるで昼の様な明るさになる、そこで見たものはまさしく()()だった、骨鯨はその名の通り骨の鯨だが、特徴すべきは異常なまでの大きさ、空を蹂躙する姿である。

「剣を持て!全員、討伐開始だぁ!」

「「「「「「「「「おぉぉぉぉ!」」」」」」」」」

 エルフの兵およそ5万と騎士姫2人と旅人1人の壮大な討伐が始まった。


□■討伐戦 骨鯨■□

「放てぇ!」

 1人のエルフの声に合わせて横一列に並び、風の矢を構えていたエルフが一斉に骨鯨の肋骨に放つ、

「その調子です!そのまま矢を放ち続けてください!」

「「「「「「「おおぉぉぉ!」」」」」」」

「待て!あの口の開き方…皆!布で口と鼻を覆って!」

 ヘイネスが告げると、エルフの兵は急いで口と鼻を覆う。

「!!!」

 骨鯨がはいた吐息、名前は「中毒の霧(ベノム・ミスト)」とよばれる言わば状態異常にする技の1つであり、冒険者達を()()()()()()()()ものでもある。

 この吐息には強力な毒と共に中毒性のある霧も吐き出されているのだ、それを食らったら最後、一瞬にして中毒者の廃人となり、やがて死に至る。

「………ごほっ!」

 クロノはいつの間にか吐血していた、しかし、身体には特に異常は見られない、すると再び頭の中にある言葉が過る。

『スキル、毒耐性と薬物耐性を獲得、この2つのスキルにより、スキル、状態異常無効を獲得し、毒耐性と薬物耐性を消去します。』

「あれ…特に体の異常はぁ…ねぇな、取り敢えず…あの骨野郎…俺達が出来ない時に自己回復する気だな…させるか!」

 クロノはエルフの姫(クロノは姫の名前を知らない)から貰った弓矢を出す。

「……っふ!」

 薄紫色の霧から放たれた緑色のオーラを纏った矢は、綺麗に真っ直ぐ飛び、骨鯨の口に入る。

「!!!!?!」

 どうやら急所うち(クリーン・ヒット)したらしく、骨鯨は中毒の霧(ベノム・ミスト)を辞め、空中で(もだえ)始める、するとまたも頭の中から声がする。

『スキル急所狙い(ピンポイントショット)を会得、レベルはⅤです。』

 不思議な声だな…と思っていると空からは骨鯨のカタカタカタカタ…カタカタカタカタ…と、骨の鳴るとても奇妙な音がする。

「さて、取り敢えずうるせぇな…」

 クロノは風の矢をつかみ、思いっきり投げようとした時、再び頭の中に何かの声が過った。

『スキル:投擲を会得、スキルレベルをⅧとします。』

 「また…この声…」と思いながらクロノは思いっきり骨鯨に投げつける、真っ直ぐ飛び、骨鯨の肋骨にヒビを入れた。

「霧が晴れたぞ!おい!あと何分だ!」

「あと1分もありません!30秒程です!」

「クロノ!あと30秒だ!」

「分かった!お前ら!引き上げろ!行け!行けぇ!」

 クロノの指示に少し戸惑いながらもエルフの兵はヘイネスが張った巨大な(シールド)魔法の後ろに隠れる。

「クロノ君は…何を考えてるのでしょうか…」

「お、おい!あれを見ろ!」

 一人のエルフが気付いた瞬間、皆はクロノの考えていることが分かった。

「お、おい!「星降り」だ!「星降り」が来るぞぉ!」

「お、俺「星降り」初めて見た!」

「あ、あの…皆さんが言う星降り…とは?」

 と、ヘイネスが質問すると、一人のエルフがこう言った。

「星降り、とは、数百年に一度起きることでして、必ずこの土地に降ってくるんです、予言者はいつ来るか分からないって言ったのに…クロノ様はすでに…」

「え?つまり…3分ってのは…」

 ヘイネスが質問した瞬間

ドドーン!ドドドドドドドドド!

「!!!!!?!!」

 骨鯨は更に悶えるが、星降りの落ちてくる音により皆は全く聞こえない、

「おおおおお!星降りだ!星降りだぁ!」「やっほぉー!すげぇ!」「あ…あぁぁぁ…」「おい!凄すぎて気絶するな!」

「ばかもの!お前達!最後を見届けるのだ!」

 エルフの姫スラヴが叫ぶ、目の前で赤く、美しい流星群、の星降りを皆は喜びながら見届けた。

「「「「「「」」」」」」

「おさまった…のか?」

 星降りが始まりおよそ5分後、星降りは終わり、周りには砂煙が中を舞う。

「土煙で良く見え…おい!人が居るぞ!」「クロノ様!ご無事ですか!」「クロノ様!骨鯨は!骨鯨はどうなりましたか!」「クロノ様!討伐されたのなら何か合図をして下さい!」

「」

 その時、クロノがやった合図は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、エルフにはそのポーズは分からなかった。

「何だあのポーズは?」「何だ?何かの合図だということは分かるのだが…」「私にも分からない…」「スラヴ様…ヘイネス様…あの合図は何か分か…スラヴ様?ヘイネス様?何故泣いているのですか?」

 不信がるエルフの沈黙、それを消したのは。

(みな)の者!心して聞け!」

 スラヴの声だった、エルフ達は何か大変な合図なのか?と思い覚悟を決めて聞くことにした。

「あのポーズは…」

「「「「「「「「「」」」」」」」」」

 エルフ達に緊張が走る。

「グッドポーズと言い、とても良かった時に使う合図だ。」

「つ、つまり…こ、骨鯨は…」

 その後、スラヴは泣きながらこう言った。

「喜べ!骨鯨は!討伐された!()()()()()()()()()()()!」

「「「「「「「」」」」」」」

「お…」

「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」」」

 少し遅れて、エルフ達は歓声の声を上げた。笑い喜ぶ者、腰を抜かす者、仲間の仇を取ったということで膝から崩れて泣く者、皆で肩を叩きながら喜ぶ者、そしてクロノはと言うと。

「………喜びあえる仲間が居るってのも…良い物だな…」

 と、無意識に笑っているのも知らずに、大喜びしているエルフを見届けていた。


□■宴と悩み■□

「宴だぁぁ!」

「宴の準備しろ!」

「」

「クロノ様?」

「ん?あぁ、いや…あのさ、川ってどこにある?」

「川ですか?なら、あちらの森の中を少し進んだ所にありますよ。」

「ありがとう。」

「いえいえ、それでは、日が沈むまでには戻って下さいね、主役が居なくては宴は楽しくありません。」

「あぁ、分かった。」

 骨鯨討伐後、エルフの皆は宴の準備をしていたが、クロノは速脚で川へと急いだ。

「はぁ…はぁ…はぁ…何でだ…何でこんなに体がうずくのだ?と、取り敢えず負状態(バットステイタス)を確認しよう、嫌な予感がするが。」

 状態異常を確認すると、クロノの予想は的中していた。

クロノ:14歳

状態異常:魅了(チャーム)(詳細)男女含むありとあらゆる種族を引き寄せる。

    :媚薬体質(アフロディズィアック)(詳細)不明

「…何だこりゃ…てか、そうだ…精神耐性はあるけど、()()()()()()()んだった…」

 確かに、状態異常無効化と言うと、全てを無効、と言うわけではない、主に毒などを無効すると言う意味であり、クロノがかかっているものは、精神攻撃である。

 どうやら骨鯨の中毒の霧(ベノム・ミスト)は他にもクロノの様な確率でつく負状態(バットステイタス)もつくようだ。

「かと言って…治す方法がなぁ…」

 一応治す方法も見た…が、とても良いものとは呼べなかった。

 魅了(チャーム)媚薬体質(アフロディズィアック)共に治す方法は2つ、時間経過または、特定の薬を服薬する、と言ったものだった。

「くそ…どうする…このまま時間をかけるのもいいが、エルフ達に迷惑かけるかもしれない…しかも…()()()()()()()()()()…どうしたものか…」

 考えていると。

「ん?おぉ、クロノではないか。」

「あ、えぇっと…」

「言ってなかったな、私はスラヴ、スラヴ・フェリル。名前を教えてなくてすまないな…と、貴殿は…何か厄介な物を抱えているのか?」

「じ、実は…」

 説明するとスラヴはすぐにこう言った。

「なに、その薬なら今持っているが使うか?」

「え?良いんですか?」

「勿論さ、」

 クロノスラヴに渡された薬を飲むと最初の一言は

「苦っ!にげぇ…あ、ありがとうございます。」

「なに、これは我々に伝わる漢方でな?状態異常は全て消えると言った品物さ、」

「なる程…あ、そろそろ日が沈みます、みんなの所へ行きましょう。」

「そうだな、」

 旅人と騎士姫は宴の会場へ向かう、そこで待っていたのは

「姫様ぁ!」「クロノ様!」「早く席にお付きになって下さいよ!」「ヘイネス様は既についておられますよ!」

 クロノとスラヴを待ち望んでいるエルフ達だった。

「さ、奥の席に座ろう、さもないと宴は始まらんからな。」

「わ、分かりました。」

「あ、そうだ。」

「どうしましたか?」

 質問をすると、スラヴは振り返りクロノを見るなり。

「貴様にスキルを伝授しようと思ってな。」

 どうやらスキル伝授の誘いのようだ、クロノはまよわず

「分かりました、では…何をすれば良いですか?」

「安心しろ、まぁ取り敢えず座に着こう。」

 座に着き、スラヴはクロノを見てこう言う。

「手を出せ、スキルを伝授する。」

「分かりました。」

 クロノは手を出すとスラヴはその手を優しく両手で包み、魔力を流す、すると。

『スキル:強制契約、呪い無効を伝授されました。』

「ありがとうございます。」

「このスキルを上手く活用するが良い、皆の者!今回の討伐は真に素晴らしい物だった!この戦いを未来永劫残すために!この宴を開こう!杯を掲げろ!」

 エルフ達、ヘイネスそして、クロノは杯を上に掲げる。

「今日は飲み食いをし、存分に楽しむが良い!」

「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」」」」

 その宴は後に「英雄の宴」と呼ばれるとは誰も知らず、エルフの国の皆とヘイネス、クロノはその宴を大いに楽しんだ。


□■旅立とその後の話■□

「ありがとうございます、部屋も貸してくれて。」

 宴の後、泥酔しきったヘイネスはクロノに担がれ、部屋に泊まらせてもらったのだ。

「うむ、問題などないが…1つ貴殿に質問がある。」

「何でしょうか?」

「「円卓会議」についてのことなのだが…どうすれば良いと思うか教えて欲しい。」

「え、普通に参加すれば良いのでは?」

「そうか、や、やっぱり普通に参加した方が良いよな!よし!今回の会議は参加しよう。」

 と、言った直後、後ろからは「スラヴ様ばんざい」という声が聞こえた。

「それでは、俺達はこれで失礼します!またお会い出来たらお会いしましょう!さよなら!」

「はぁ…」

「スラヴ様?どうなさいましたか?」

「いや、良く良く考えたらクロノは旅人だから会議は参加しないのだろうな…とショックを…」

 この時のスラヴの顔をエルフ達は「天使の悩み」として裏で語り継がれるのだった。


 その後、

「おや、旅人ですか?ようこそ、我々の国へ。」

 と、前よりも親しく接するようになったとか、そして、そのエルフの国ゲルマンでは、あるポーズが流行っていると、後に旅人は言う。

「あの…このポーズの像は何ですか?」

 と、質問する、そこには少年の小さな像で、右腕をあげ、親指だけを立てている像。

「これは()()()()()()です。この国でのグッドポーズは2つの意味がありまして、1つはとても良いことがあった時、そしてもう1つは「()()()()()」を意味するんですよ。」

 そう、この小さな像はクロノ本人であり、下にはエルフの文字でこう書かれている。

()()()()()()()()()()」と。

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