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獣人の国アルヴァス

□■獣人の国 アルヴァスその前■□

 この世界には様々な種類が存在する。

 有名なドラゴンは勿論、スライムやゴブリン、ケンタウロスもエルフだって存在する、そして彼、馬のケルビに乗っているこの少年、クロノの種族は

「いやぁ〜まさか襲撃食らうなんてなぁ〜」

 ()()()()()()()()()()()()()()人間(ヒューマン)である。

「まぁ返り討ちにしたから良いけど、ケルビ大丈夫か?」

「ブルルルル…」

「そっか、良かった良かった。」

 地味に馬語が分かるクロノ。

「ん?あれは…おっ!あそこだ!よし!行くか!」

 とクロノは喜んで行くが、クロノはまだ知らないし、このアルヴァスの秘密を知る由もない、この時期が一番恐ろしいと言うことに。


□■獣人の国 アルヴァスその1■□

「そこの者!止まりなさい!」

 と、いつも通り門番に止められる。

「おや、門番が女性とは珍しい…俺は見ての通り旅人さ、2.3日間ここに滞在したい。」

「……この時期に旅人か…おい、もしかして「()()」を知らないのか?」

()()()?何ですかそれ…」

「マジかよ…と、とりあえず言えることは1つ、良いか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()よ?良いな?」

「は、はい。」

 忠告は良く分からなかったが、とりあえず門番さんの言葉に従おう、と思いながらクロノは門を抜けてアルヴァスへ向かった。

「ここかぁ…ケルビは馬小屋に預けたから良いとして、何で男性が居ないんだ?」

 アルヴァスの町中に入って気付いたこと、それは()()()()()()()()()と言う所である。

「やっぱり門番の人が行ってたことも気になる…とりあえず見られないように城に向かおっと…」

 そう言い、城へいうまでに屋根を走ったり、路地裏を走ったり、女性の後ろを新しく手に入れた「隠密者」で姿を隠しながらも何とか城にまで向かった。

「は、はぁ…や、やっとついたぞ…」

 普通に大きい城、入口の兵士に話す。

「あの、すいません。」

「ん?なんだ?お前…もしかして旅人か?」

「は、はい。」

「そう…か…旅人さん、もし話すのなら、旅の話をしてくれないか?」

「え?それは…どう言うことですか?」

「国王の娘ノウル・ヘイネス様はこの国から出られたことは無いのだ、旅人には何度も断られたのだがノウル様と……をお願いしたい。」

「……もしそれが王の父親の望みなら、それを叶えるしか無いですね。」

「すまないな…では案内する、ついて来い。」

 兵士についていき、ノウルの部屋へ案内してもらった。

「あとは君に任せたい、頼んだ。」

「はい、ありがとうございます。」

 と礼をしていると。

「何者だ?用があるのなら入りなさい。」

(では失礼する。)

(はい、ありがとうございます。)

 と、小さい声で礼をして兵士は戻っていった。

「失礼します。」

 入ると、そこには普通とは思えないほどのぬいぐるみがあった。

「ようこそ旅人さん、獣人の国、アルヴァスへ。」

 そこに居たのは、狐の耳と尻尾があり、琥珀色の目の女性がいた、どうやら彼女がノウル・ヘイネスと言う人のようだ。

「こんにちは、クロノと言います、数日間よろしくお願いします。」

「よろしく…質問…良いか?」

 ノウルが質問して来た。

「はい?なんでしょうか、ノウル様。」

「良い、ヘイネスで構わない…して…私の耳と尻尾は…怖くないか?」

「まさか、そんなことありませんよ。」

「そうか…それは良かった。」

 凄く落ち着いたようだ。

「クロノ、と言ったな?旅人ならば話をしてくれないか?」

「えぇ、そのくらいなら構いませんよ。」

 そこからは時間として6時間程の長い話になった。

「つまりクロノ様は別の国から来られたのですか?」

「まぁそんな所ですね。」

「ク!クーネスはどんな国だったんですか!?」

「クーネスは本当に賑やかな国ですよ。ここ、アルヴァスよりも賑わっているかもしれませんね。」

「お…おぉ!それは行ってみたいものだ!」

「落ち着いてください…とりあえずお茶を。」

「う…うむ、すまないな。」

「ふぅ…あとはエクティスですかね?」

「エクティスも、どんな国だったのだ?」

「エクティスは兵士がとにかく強くて優しい人達も多く居ました。」

「ほ、他には話は無いのか?」

「申し訳ありません、まだ旅をし始めたのでそのぐらいしか話せません。」

「そ、そうか…」

 しゅんと落ち込むヘイネス、凄く楽しんでいた様だ。

「では俺はこれで…」

 ヘイネスの部屋から出ようとすると。

「ま、待ってくれ!」

「は、はい…なんでしょうか。」

「め、迷惑じゃなければ…その…旅に出るまでここの部屋での寝泊まり…と言うのはどうだろうか。」

「う〜ん…迷惑ではありませんが…よろしいのですか?」

「よ!良いぞ!構わぬ構わぬ。」

「でも遠慮しないと…」

「遠慮などしなくても良いだろう。」

「な、なら良いのですが…」

「待て!お母様が来る!隠れろ!」

「う、うん。」

 と、慌てるヘイネスにクロノは少し同様しながらソファーの下に隠れた、ここからクロノは目を瞑っていただけだったから良く分からなかったが、誰かが入って来たようだ。

「ノウル?入りますよ。」

「お母様、どうなさいましたか?」

「あなた、また旅人から話を聞いたそうね?駄目じゃない旅人風情にくだらない話を聞くなんて…貴方は王の跡継ぎなのですよ?そんなことをしているのなら、書斎に行かれたら?」

「……はい、申し訳ありません。」

「話はそれだけよ、お父様は優しすぎます、くれぐれもお気をつけて。」

「はい。」

 と、クロノはとにかく殺意しか沸かなかった、何が許せなかったのかと言うと、矯正する親もそうだが、反発しやいヘイネスに対しても怒りを覚えたのだ、が、それは直ぐに収まった。

「……出ても良いですよ。」

「…酷い親だ。」

「全くそのとおりですね。」

 と、ヘイネスは淡々と告げる。

「クロノ様…私はどうすれば良かったのでしょうか。」

 ヘイネスはクロノに質問をするが

「…それはヘイネスが決めることだよ、もしなるんならもう覚悟するしかない、でもヘイネスは違うんだね?」

「はい、私は…()()()()()()()()。」

 その瞬間、クロノの頭の中に、兵士の言葉がよぎった。

『旅人には何度も断られたのだが、ノウル様と「旅の同行」をお願いしたい。』

「ヘイネス…君に提案がある…少し良いか?」

「な…なんだ?」

「…一緒に旅をしてみないか?」

 ヘイネスにとって、それはこれ以上にないチャンス、ヘイネスは驚きながら

「ほ、本当か!」

「しっ…声が大きいです。」

(す、すまない…それで、いつ旅立つのだ?)

(明日です、兵士の皆さんと平民の皆さん、そしてあなたのお父様が望んでいることです。あなたのお母様一人じゃ太刀打ちできませんよ。)

 と、小さな声での会話。

(準備をして下さい、今日の鎮夜(しずみや)(午後)、十時までに支度をしてください。)

(わかった、急ごう。)

 その会話を聞いていた兵士は。

「良かった、取り敢えず皆に報告しなければ。」

 と、兵士はヘイネスの母親に気付かれないように行動をするのだった。


□■獣人の国 アルヴァス脱出計画■□

 夜明けの午前1時、母親以外のクロノ、ヘイネス含める数百万を超える住民が起きて支度をしていた、鎮夜の9時頃から兵士が一家一家周って呼びかけたからできる芸当である。

「ヘイネス様、そろそろ行きましょう…ヘイネス様?」

 ヘイネスの様子がおかしい、昨日みたいに元気がなく、熱があるのか、少し顔を赤くしている。

「大丈夫ですか?」

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…っ…だ、大丈夫…だ…」

 やっぱり何か様子がおかしい、そう思いながら、トウガから教えて貰った「能力確認(ステイタス・チェック)」をしてみると、こう出てきた。


ノウル・ヘイネス:16歳

レベル:97

職業:騎士 所属ギルド:無し 称号:神竜騎士(ライダー)

力:112 耐久:121 俊敏:119 魔力:118

スキル:騎馬Ⅹ 千里眼Ⅶ

状態異常:魅了(チャーム):発情してしまい、獣状態になる。

    狂化(バーサーク):狙った相手を逃さない。

と、2つの異常な状態異常が見られた。

「……あの兵士が言ってたのって…発情期のことだったのか…」

 気づくのが遅すぎる。

「ヘイネス様、この国を出たら一番近い国はどこですか?」

「えぇっとぉ…機械国家エテルノですかね?ギルド国家としても有名です、っと、できました、お母様にバレないように行きましょう。」

「うん。」

 外に出ると、兵士が居て、隠し道から案内してもらい、ヘイネスの母親に気付かれずに城から出られた。

「ヘイネス様、ご武運を。」

「ご苦労、他のものにも、今までありがとうと伝えて欲しい。」

「分かりました。」

 兵士は冷淡に告げると、少し早足で城に戻っていった。

「皆、私のことを愛してくれたのだ…最後は、最高の別れをしよう。」

 国民は道を作り、中には泣いている人も、そしてその奥には

「お父様…」

 ヘイネスを大切に育て、この行動を持ちかけた父親。

「お父様、私…言ってきます。」

 少し涙目になりながらもヘイネスは16歳にして、両親から旅立つ。

「行ってこい、妻も薄々気づいているからね、きっと…今頃泣いているだろう。」

 と、笑いながらヘイネスの父は告げた。

「さ、行きましょうか、旅は長いですよ。」

「そのぐらい分かっている…ただ…」

 馬に乗る前に、国門から出て、お辞儀をする。

「っ……ありがとう…ございました…!」

 それは、この国に告げた言葉であった。


□■おまけ■□

「なぁ…クロノ。」

「何ですか?」

「お前は何故…故郷から出たのだ?」

「俺はぁ…色んな人からも、言われました…。」

「なる程…では質問を変えよう。」

「………あのぉ…ヘイネス様?」

 ヘイネスは頬を炎のように赤くしながら服を脱ぐ。

「はぁ…はぁ…はぁ…っ…はぁ…はぁ…こ、この、ムラムラを…ク、クロノ…お、抑えて…くれないか?」

 クロノは「これはあれだ…絶対に駄目なやつだ…」と思った。

「だ、駄目ですって…ってどわぁ!?」

 急に視界が空を向き、目の前にまるでケダモノの様にクロノを押し倒すヘイネス。

「欲しい…欲しい…お、お前のアレ…欲しい…」

「えっ…ちょっ…ちょっとそれは…」

 その後数時間の間に、森の中で少年らしき声を聞いた人が相次いだらしい。

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