外伝 クロノがいなくなった世界
□■クロノがいなくなった世界■□
『ニュースです、行方不明になって「1ヶ月」が経とうとしていますが、未だ有力な手がかりは無く、その後ろにある物は、両親や一部の生徒達による過度ないじめが背景にありました。』
また、別のテレビ局でも。
『既に行方不明になって1ヶ月が経過しようとしている菊ヶ岡高等学校2年「稲沢黒野」君、当時14歳にあった出来事を我々が独占インタビューで黒野君の人物像を見ていこうと思います。』
そして、インタビューのコメントには
『あの子はとても優しくて、ボランティアにも積極的に参加している良い子でした。』
『挨拶をすると私の顔をしっかり見て「おはようございます」って返してくれるんです。』
『落とし物をしたことがありまして、その時黒野君が私の家まで来て、渡してくれたんです。』
『あんなに優しい子がイジメられてたなんて…学校は何を考えているの?』
『私の息子を菊ヶ丘に入学させようと思いましたが、今は別の高校に検討しています。』
『はい…と言う訳でですね…黒野君が…』
『えぇ、実は私、一度見たことがあるんですよ、』
『あっ!そうなんですか!』
『本当にお優しい子だったんですが…母親にさえ虐待されていたなんて…もう驚きが隠せないというか…許せませんね…』
『えぇっと、ここで会見をするそうですね、黒野君の父親のようですね、現場はどうですか!道隆さん!』
と言い、場面は会見をする場所に移り変わった。
『はい!道隆です!ここで黒野君の父親の韵さんがおっと!来ました!』
『はい、私が黒野の父親の韵と言います、私が答えられるものならできるだけ答える所存です、質問はありますか?』
黒野の父親、韵は記者の質問に全て答えた。
一方その頃菊ヶ丘学校の元々黒野君が学校生活していたクラス2-4では、数名が悲しんでいた、一人は黒野君とも仲が良く、積極的な陸上部の女の子の「陽野 葵」、一人は見た目はクールビューティーだけど黒野君の前だと何時もデレデレになってしまうそんな学級委員兼生徒会長の「巴川 紫耀」一人は武闘派貴族と言う珍しい部類の貴族の一人兼、黒野の相方の「壱星 赤雪」一人は、イジメっ子のトップでありながら、葵、紫耀と同様に黒野をイジメなかった一人「宍倉 浅野」一人は黒野の優しさを知り、自ら仲良くなろうとし、仲良くなった「中川 太陽」そしてもう一人は、どんな状況下においても、不可能を可能にする黒野の指示に感服し、黒野の数少ない友達になってやろうと誓った「鉦蔵 一郎」の六人の生徒は唯一学校内で黒野君の行方不明を心の底から悲しんでいた。
陽野の場合
「はぁ…黒野ぉ…黒野ぉ…」
「ぶ、部長?」
「黒野ぉ…私はどうすれば良いんだ…」
「駄目だ…完全に自分の世界に入ってる…」
と、部活に全く集中出来ておらず、巴川の場合
「……はぁ…」
「生徒会長、お疲れですか?」
「あら、山中君…そうねぇ…成が湧いてこないわ…」
「なら、僕と一緒にお出かけを」
「あ、そう言うのは大丈夫よ、お先に失礼するわ。」
「」
と、少し疲れているように見え、壱星の場合は
「お嬢様、お食事を…」
「要らない…下げて皆で食べなさい…はぁ…」
「お嬢様…」
全く元気が出ないのか、何も口にせず、宍倉の場合は
「あ?てめぇもか?ん?」
「ひっ!ひぃぃ!すいません!」
「誤っても黒野は帰って来ねぇだろうがよ!」
「うぎゃぁぁぁぁぁ!」
「誰だ…黒野をいじめた奴誰だ?出て来いよ、出てきたら許してやるよ、こんぐらいでな。」
「「「「「」」」」」
ボコボコにした無残な姿のいじめっ子を見せびらかしていじめっ子の奴らを尋問していた。
これらは全て黒野が原因でなるようなもの、その張本人、黒野はと言うと。
「―――――――――――」
「クロノ君…クロノ君!ほら起きて!……んもぉ…」
「だめですよヘイネス様、そっとしてあげてください、クロノ様だって疲れているんですから…」
幌馬車の中で仲間に囲まれながら安心そうにして眠っていたのだった。
今回はクロノがもとの世界で黒野と呼ばれている場所でのストーリーです、どんなにイジメられても仲間がいたから心は挫けなかったんでしょうねぇ…仲間がいればとんでもなく心強いですからね、たまには仲間に頼るのもいいと思いますよ。