騎士A は 姫様 の 日記 を 見つけた !
初投稿となります。
拙い文ですが暇つぶしにどうぞ。
姫様の日記が置いてあった!
何故、姫様の日記だとわかったかだって?
表紙に名前が書いてあったからさ!
もう一度言う!姫様の日記が置いてあった!
これは仕事を放棄して読むしか無い!
打ち首になるかもしれないが、そんなことはもうどうでもいい!
目の前に日記があるとしたら読むしか無いだろう!
と言うわけで姫様読ませていただきます!
こんなところに放置しておくのが悪いんだからねっ!
『○月24日
日記を書き始める事にしました。何を書けばいいのでしょうか?わかりません。明日、誰かに日記には何を書けばいいのか聞いて見る事にします。
○月25日 晴れ
騎士様が天気やその日の印象に残ったことなどを書けばいいと教えて下さいました。早速、天気を書きました。ちなみに昨日の天気も晴れでした。気になっている騎士様を見かけました。嬉しかったです。』
そういえば、騎士長が姫様に何か質問されている所を見たことがあるな。その時に日記の事聞いていたのだろう。
姫様に思われている騎士がいるのか!羨ましい!!
『○月26日 晴れ
今日のおやつは大好きなアップルパイでした。久しぶりにお母様とお父様と一緒のおやつです。とても幸せな気分になりました。大臣がくるまでは。
○月27日 晴れ
大臣が連れて来た婿候補と会いました。とても嫌な視線を送ってくる人が多くて疲れました。』
ここで日記は終わっていた。
最近書き始めたのか、内容が少ないのが俺的には残念である!
あぁ、でも、婿候補のゲスい視線はしょうがない!
姫様は可愛いし胸も結構あるからな!
しかし、これから毎日婿候補と会っていたら疲れが溜まりすぎて体調を崩してしまうかもしれない。
そんな風に不安になった俺は姫様の日記に書いた。
『モンスターセラピーです!疲れた心を癒すのに最適です!』
やってしまった!
俺が勝手に姫様の日記を読んだ事がばれてしまう!
打ち首バッチコイみたいな事思ったけどさ!
やっぱり嫌に決まってる!
どうする、どうする俺!!!
考えてもいい案が浮かばない!
ああ!もう、どうにでもなれ!
悪あがきに『by日記の妖精』と最後に付けたし、何もなかったかのように仕事に戻った。
#=#=#
何も言われなかった。
誰かが姫様の日記にいたずらしたとも、何処にあるか知っている者がいたら言えとも言われなかった!
もしかしたら姫様は日記の内容を知られたくなくて黙っているのかもしれない。
と思っていた時期もありました!
騎士長に名指しで呼ばれたのである!
俺が日記に書き込んだ事がばれてしまったんだろう。
もう、謝るしかないよな…
騎士長に指定された時間、場所に行くと俺以外の騎士が数名いた!
これは!ばれていないかも!!!
だが、まだ油断できない。容疑者候補を集めているかもしれないからな。逆に俺が反撃しても平気なようにしているだけかもしれないし。
というか、騎士長が集合時間に現れないってどうなってんの?
俺はギリギリの時間位に来たはずなんだが……
ボーっと扉を見ていると、ギィィという音をさせながら扉が開いた。
入って来たのは騎士長と………王様だった!
王様の姿を見て俺はすぐに敬礼のポーズを取った。
皆が敬礼すると騎士長が口を開いた。
「今からここで話したことは口外するな!これは特命任務である!」
俺を含めて同時に「はっ!」と返事をする。
うん、いつも通り騎士長は無表情である。猫耳はピンと張り、少し震えているが。………緊張しているんですね!前の命令の時もなってました!
「私なりに口の堅い者を選びました。では、王様どうぞ」
「……うむ、お主たちに頼みたい事がある。ただこれは…その……何というか……ええと、そう!私事なのだ!受けたく無い者は出て行ってかまわないぞ。」
王様の頼みを断れる訳ないじゃないですかー(棒)
本当は出て行きたかったけど、王様の後ろにいる騎士長のオーラが怖くて出ていけなかったとかじゃないんだからねっ!
騎士長のお陰で誰も出ていかなかった。
いや、みんな受ける気満々だっただけかもしれないけど!
「……出て行かなくていいのか?言ってしまうぞ!本当にいいんだな!?」
もったいぶってないでさっさと言ってください、王様。あと、敬礼やめてもいいですか?腕が痛いです。
「い、言うからな!……実は姫がな、モンスターセラピーをしてみたいと言ってな。安全で癒されるモンスターをテイムして来て欲しいのだ。」
…………え?なんだって?
モンスターセラピー?
「勿論、姫が気に入ったモンスターを連れて来た者には褒美を与えるつもりだ!」
ちょ、まさか姫様、妖精信じたとか!?
それで王様にねだって見たってこと!?
それでモンスターテイムが出来て、騎士長が思う口の堅い騎士を集めたわけね!
俺の!何処を!!どう見て!!!口が堅いと思ったんだよ!!!!
「た、頼まれてくれないか?」
おい、王様。何で涙目、上目遣いなんだよ!それは可愛い女の子や美女がやるべきだろうが!
頼まれるけどさ!!
「期限は明日の朝までで頼む!早く姫の喜ぶ顔が見たいからな!」
やっぱり撤回していいですか?
いや、勿論頼まれるけど!!
×=×=×
皆は可愛くて強いモンスターを探しに行った。強いとボディガードにもなるし一石二鳥ってことか。
でも、そういうモンスターは遠くの地域にいるんだよな。面倒くさいな!!
皆は相棒の背中に乗って空を飛んだり、大地を駆け抜けたりしてササッと移動してたけど、俺にはそんな相棒はいない!というか相棒がいない!
ちなみにいつも相棒のモンスターはモンスター保存専用の小さい水晶、モンスターボ…じゃなく水晶ボールと呼ばれている物に入っている。さっき王様に騎士一人一人に一つずつ支給された。
遠くに行くのも面倒臭いし、てゆーか行けないし、その辺にいるスライムでいいやっ!!
スライムは何処だー!
何故、いつもはすぐに出くわすスライムなのに今日に限って見つからないんだよ!
王様に頼まれたのが昼前で昼から夕方まで探して見つからないのはおかしいだろ!優秀な奴はもうテイムして帰って来ているのに!
……スライム諦めるか!
うん!それがいい!そうし………いたーーっ!スライムいた!
普通の色と違うけど!いた!いたよ!スライムだ!!!
俺は見つけたスライムをテイムして城に戻り通常通りの任務をこなして一日が終わった。
え?どうやってテイムしたかだって?ご想像にお任せします!
#=#=#
新しい夜がが来た!見回りの夜だ!
そしてまた姫様の日記を見つけた!
姫様は日記を持ち歩いているんですね!
前もここに忘れて行ってましたからね!
見つけてしまったらもう読むしか無い!
では、姫様!拝見します!!
『○月29日 晴れ
28日は日記を書物室に置いて来てしまっていたみたいで書けませんでした。ですが妖精様が私の代わりに書いて下さった様です。妖精様、ありがとうございます。アドバイス通りモンスターセラピーをしてみようと思います。私は妖精様の事が知りたいです。好きな色は何色ですか?私はこの日記帳の色、桃色が好きです。』
姫様、妖精信じてるーーーー!!!!!
しかも質問して来た!
ここで返事をしなかったら姫様は悲しむだろう。返事をするしか無い!!
『白が好き!姫様の髪と同じ色です!by日記の妖精』
そう、姫様の髪は白なのだ!
純白なんだよ!!とても綺麗で見ているだけで浄化される様な気分になる!
でも、姫様はあまり白い髪が好きでは無いらしいけど。だから妖精に好かれた白の髪として好きになってくれるといいな。
モンスターセラピーするってのは知ってたよ!テイムしに行ったからね!
今日の昼にでも選んだんじゃないかと思う。
きっと俺が連れて来たスライムは選ばれてないな。褒美の話し来なかったし!
そろそろ、仕事に戻った方がいいな。書物室の見回り長く無いか?って聞かれると困るし!
俺は書物室を出て仕事に戻った。
#=#=#
今日のお昼は何かなー?
いやー、平和ボケ最高だよね!戦争が無いって素晴らしい!!見回りだけですむ!
面倒臭い事も起きないし、お昼食べてダラダラ仕事しよう!
食堂に向かおうとしたら騎士長に呼び止められた!人の少ない所へ移動するらしい。
はっ!まさか、告白!?そんなわけないかー。
とある部屋に連れて来られるとそこには王様がいた。
え?何故に?俺なんか悪い事したっけ?
「お主が連れてきた珍しい白いスライムを姫が気に入ったようだ。褒美は何が良い?」
あれ?昨日、姫様に見せたんじゃないの?もしかして王様の仕事が忙しすぎて褒美を渡すの今日になったのかな!
にしても、褒美か……何も考えてなかったな。てっきり、他の奴が連れてきた役に立つモンスターを選ぶと思ってたからなー。
「…………スライム以外を選んでくれたら良かったんだがな」
ちょ、王様!聞こえてます!まさか聞こえる様に言ってる?スライムは役立たずだと?強い奴は強いんだぞ!?合体したり、硬くて逃げ足が速かったり!
まぁ、とりあえず。
「褒美は入りません」
断っておきますか!
+=+=+
今日もダラダラ見回りだー♪
書物室の見回りだー♪
そして発見!姫様日記♪
これはもう、読むしかない♪
『○月31日 晴れ
30日も書物室に忘れてしまいまして書く事が出来ませんでした。なので今日から日記をお昼に書く事にします。
30日はお父様がモンスターセラピー用のモンスターを見せてくれました。どの子も愛らしくて選べませんでしたが、妖精様が白色が好きと言っていたので白いスライムを今日の朝に選びました。』
あ、俺が日記に書いたからスライム選ばれたのか。
よし、続き読もう!
『………妖精様なんていない事を知りました。誰かが妖精様と偽って書いている事が分かりました。』
え?
ばれた?
でも、さっきの文と矛盾してない?
妖精が白が好きだから白スライムを選んだってのと、妖精がいない事を知ってるって矛盾してるよな?
………続き読もう。
『誰が妖精様と偽っているのか確かめる事にしました。犯人探しです。犯人の方は私の事を心配してくれていた様なので一人で探しても大丈夫でしょう。二回とも書物室に日記を忘れて、返事があったという事は、犯人は書物室にくると思うのです。だから、今日、書物室にわざと日記を忘れました。そして今、あなたの後ろにいます。』
バッと俺は後ろを向いた。
そこには涙目になった姫様がいた。
涙声で姫様は言葉を紡ぎだした。
「……わた…しは、貴方の事が…………好きなのです!こんな……事の…犯人…だと…知っ……てもまだ……好き…なの…です。貴方が…ス…ライムを……テイムしたと…聞いて……強い…モンスターを……選ばず……弱いスライ…ムをえら……ぶ位に…好きなんです!」
え。なに?この超てんか……え!?姫様が俺の事が好き!?
「…前に私が誘拐さ…れかけた事が…あるじゃないですか……。あの時の…貴方の微笑みを…見た時からずっと……ずっと…!」
あ、あの時は、姫様を守れた事に安心して、いつもは引き締めてる頬が緩んだというか、なんというか。
「さっさと返事をしてやれ!馬鹿者!」
声がした方を見ると騎士長がいた!
うん!姫様が一人で部屋を抜け出したらそりゃあ護衛つくよね!
って、へ、返事!?
「あ、え…と……こ、こんな最低な俺でよければ、お付き合いしませんか?」
どんな口説き文句だよ…。
もっと他にあっただろう!先に日記の事を謝るとか!後悔しても遅いけど!
「…は、はい!」
でも、姫様はヒマワリのようにほほえんでくれた。
#=#=#
俺は騎士で姫様は王族だから、表だっていちゃつく事が出来ない。
だけど、いいんだ。
おっ、姫様発見!
「姫様!日記をまた忘れてしまっていますよ!」
「あ、ありがとうございます。私ったら忘れん坊さんですね」
俺と姫様は交換日記で繋がっているから
お読み下さりありがとうございます。
ちなみに騎士長は女性のつもりです。