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別れたあとで、理由を知った

作者: かりすと
掲載日:2026/04/14

※大人向けの恋愛の話です。


終わったあとに知る本当の理由と、どうしようもない感情を書きました。

別れた理由は、よく分からなかった。



喧嘩をしたわけでもないし、

嫌われた実感もなかった。



ただ、



「なんとなく、続けるの違う気がする」



それだけだった。



納得はできなかったけど、

引き止める理由もなかった。



好きだったけど、



それだけで続けられるほど、

何かが強かったわけでもなかった。



だから、終わった。



それから数年。



特に思い出すこともなくなって、

名前を見ても何も感じなくなっていた頃。



共通の知り合いと、久しぶりに会った。



「そういえばさ」



軽い話の流れだった。



「あの人のこと、覚えてる?」



覚えてる、と答えた。



「なんで別れたんだっけ」



そう聞かれて、少しだけ困った。



説明できる理由が、なかったから。



「なんとなく、かな」



そう答えると、



「ああ……」



少しだけ、間があった。



その間で、何かを察した。



「え、なに」



思わず聞いた。



「いや、言ってなかったんだなって思って」



その時点で、もう分かっていた。



聞かない方がいいやつだと。



でも、聞いた。



「何を?」



少しだけ迷ったあとで、その人は言った。



「ちゃんと好きになれなかったって」



一瞬、意味が分からなかった。



「最初はいいと思ってたけど、付き合ってるうちに違うなって思ったらしいよ」



言葉は軽かった。



でも、



ちゃんと残った。



「……そっか」



それしか言えなかった。



嫌われてたわけじゃない。



でも、



選ばれてもいなかった。



思い返してみれば、思い当たることはあった。



優しかったし、普通に会ってたし、

楽しそうにもしてた。



でも、



どこか距離があった。



踏み込めば来るけど、

自分からは来ない。



あのとき感じていた違和感に、

やっと名前がついた。



好きじゃなかったわけじゃない。



でも、



“ちゃんと好き”ではなかった。



それだけだった。



帰り道、少しだけ考えた。



あのとき、それを直接聞いていたらどうしていただろう。



傷ついていたと思う。



今より、ずっと。



でも、



少しだけ楽だったかもしれない。



理由があれば、終わり方も納得できた。



曖昧なままより、ずっと。



でも、同時に思う。



あのときそれを言われていたら、



自分は、納得できただろうか。



「ちゃんと好きになれなかった」



その一言を、



ちゃんと受け止められただろうか。



多分、無理だった。



だから、



あの終わり方でよかったのかもしれない。



そう思おうとして、



少しだけ、引っかかった。



どっちにしても、

結果は変わっていないのに。



それでも、



知らなくてもよかったと思う自分と、

知れてよかったと思う自分がいる。



答えは出ない。



ただ一つ分かったのは、



あのとき終わった理由は、



ずっと前から、そこにあったということ。



気づかなかっただけで。



——あなたなら、その理由を知りたかったですか。


読んでいただきありがとうございます。


この話は、

「曖昧に終わる優しさ」と

「本音を知る残酷さ」

をテーマに書きました。


もしよければ、


・知らないままの方がよかったか

・知ってよかったと思うか


あなたの考えをコメントで教えてもらえると嬉しいです。

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