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 鼓膜が破れそうになるほど大きな、蝉達の鳴き声。夏の風物詩ともいえるのだろうが、正直俺にとっては、うるさい以外の何者でもない。もしも耳にノイズキャンセリング機能がついているのなら、俺は迷わずにそのボタンを押すだろう。


「くっそ、あー…暑い………」


 濁音がついていそうな声で、俺は思わず呟いた。

 太陽の視線は容赦なく、今日も主張が激しいことだ。ジリジリと地面から伝わる熱はこんなにも熱いのに、蝉達はよくもまあ、こんなに泣き続けられるな。ここまでくるともはや関心の域である。


(蝉って、暑さを感じないのか…?)


 だとしたら来世は是非とも蝉になりたい。


 ああ、暑いうえに喉まで乾いてきやがった…。そういえば、冷凍庫に確か、アイスがあった。キンキンに凍った、シャリシャリ食感がたまらない、あのラムネ味のアイス…。想像しただけで、口角がにやりと上がることを抑えきれない。


「待ってろよ、アイス…‼」


 俺はアイスに思いを馳せながら、今日もアスファルトを強く踏みしめた。






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