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0.この夏の嫌悪

上昇し続ける気温は、クーラーが壊れた体育館のことなんて気にやしない。ただでさえ狭くて風通しの悪い立地なうえに全校生徒は箱詰めにされ、体育館はサウナ状態と化していた。ここに水風呂があるのならば、俺は迷わず飛び込むだろう。


「えー、今年の夏は猛暑が続くとのことで、体調管理にはしっかりと気を付けて、水分補給もしっりと………えー、熱中症に十分気を付けてください。えーっと、それから………」


 この猛暑の中、額に汗をかきながらも懸命に下手くそなスピーチをする校長に、真剣に耳を傾ける人間はもはや誰もいない。いつもは居眠りに厳しいあの体育教師でさえ思わず目を瞑り、まるで滝修行をする僧侶のように、じっと暑さに耐えていた。


「それから、わかってはいるとは思いますが、オソロシ池には近づかないように十分に注意してくださいね、、今年も、何も起きなければいいんですけどね。えーっと、あとは………」


 校長のへたくそなスピーチは、まだまだ続きそうだ。

 思わず耳を塞ぎたくなるような蝉達の大合唱と、ラムネがおいしくなるこの季節。


 俺は夏が、大嫌いだ。

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