金たこ(Le cerf-volant de dieu)
理想主義的な考えを持っている私は、この世界でひとりではない。少なくともジェロームくんが医者になる夢を述べたとき、私は彼の知っている人間で唯一、彼の夢を笑わなかった人だ。まさか!でも、彼と6歳のときから、一緒に遊んだり、同じ学校に入ったりしているから、逆に彼と入れ替わっても、お互い演じ続ける。そう、ベストフレンド。
「一生の仲良しにしてあげると、しっぽをかけて誓うんだ」
まだ覚えている。彼が医学院で史上2番目の若さで卒業した時、私は感情をコントロールできず、別の卒業生のおばあちゃんの腕を掴んで大声で叫んでしまった。おばあちゃんが転んで、私が憲兵に連れ出された。おかけで、医学生が大勢いたから、その時のおばあちゃんは無事だった。
そして、彼は召集されて、戦場の最前線で軍医、私は後方でガーゼの仕立て。新聞紙に彼の名前が死者リストに入ったとき、赤ちゃんのように大泣きしていた。その後は、異なった苗字の人を分かって、涙を拭き取って、また作業ラインに戻る。再会の初の夜に、彼に身を奉げようとした。
「私を抱いて」
けど、この前の会話で、彼が私に骨盤内診察をしてくれた。どんな術語を使おうかとしても、私は屈辱な触り方されたでしか認識していない。なんというムードキラーだ!顔で許されると思った?
彼が天才で医者で、ほとんど完璧であっても、他の男同様、大馬鹿者になり得るのだろう。そうすることで、私たちは対等な関係になれる。どんなに頭が良くても、黒歴史がある。彼が8歳のとき私のしっぽにこぼれて息が詰まるところだったことは誰にも言っていなかった。
「毎日使うピンセットを私の名前と名付けるなんて、どこがロマンティックだよ!」
しかし、戦後では、連邦の市民であれば保険を使って診られる制度が発足したらしい。彼も薄給で激務。マイホームを持つのは、私たちの給料からしたら、夢のまた夢だ。魔王を除く、多いキャッスルを定点観測したら、どの時間帯にしても、一人でしか出入りしていない。マイホームのみならず、エネルギー会社の事務をやめて自分の店も開きたいという気持ちで、下ブルティーノ市の不動産に興味を湧いた私は、仕方なく、余暇時間に私のしっぽをレンタルしたりする。そして、以外に稼げるって?副市長のおっさんの興味を知ってもらっても、喜ぶ人なんかめったにいない。言いたかったのは、誰だって時代に押されて歩くんだ。魔王を除く。あいつには翼を持っているから、飛べるだろう?
さぁ、金のたこは飛べないんだ。金の翼も、飛び試したら、落ちていくんだ。




