43 縁談。
葉赫那拉・美雨の興味を引いた相手は、常に親しみ易そうな笑みを称え。
表情を崩さず、声色も伸びが良く、健康的。
けれども隙が無く、ハッキリ言って計算高い。
ただ悪心が殆ど無い、有るとすれば仕事を軌道に乗せる事だけ。
大方、親の代で相当落ちぶれての事だろう。
《それでも良いなら、君とは相性が良いと思うよ》
この縁談は、このまま進むだろう。
《最高では?》
《そう言うと思ったよ》
《もしかして誂ってらっしゃるの?》
《それは無いよ、それこそ花霞の大事な友人なのだから、策を巡らすよりは誠実な者として振る舞うよ》
《良い物言いをしますわね、策を敢えて巡らさないだけだ、と》
《元から平凡で凡庸な男は嫌いで、更に嫌いになっただろう》
《そうですわね、そうした物言いをして下さる方の方が好感が持てますわ》
《雨泽は少し物言いがキツいけれど、遠慮をしていない証拠だと受け取って欲しいね》
《分かってはおりますわ、けれどもあの態度がどうにも気に食わないんですの》
《だろうね》
似ている、言い回しや人当たりがあまりにも似ていて、相反してしまう。
遠い友人知人であれば良いけれど、夫婦としての縁の先はどれも長くは無い。
考えがしっかりしている者程、命運の幅は狭くなる。
流される者程、不安定で命運の幅も広くなる。
《私は、何に気を付けたら宜しいんでしょうか》
《無理せず折れ合う事だ、君達は我が強いからね。それが出来なくなったら終わる、次を見付けた方が良い、君らには幾らでも適当な相手が現れる筈だからね》
僕ら易者は、決して未来を定めてはいけない。
その相手しか居ない、等とは決して言ってはいけないとされている。
縋らせる為の易では無い、あくまでも切り開く為の易、苦悩を打開する為の補佐。
《妥協、ですか》
《どんな仲であれ、無理せずに妥協し合えるのが理想だと思うよ。話し合いも無く意思疎通が可能な夫婦なんて、神話の中だけ、母子でも難しい事が夫婦で叶うワケが無い》
かくあるべき、と実態がかけ離れている事は多い。
寧ろ、殆どがそう。
《ありがとうございます》
《では、次は僕の番だ。この国の房中術を知りたいのだけれど、伝手は有るよね》
《はい、ご用意させて頂きます》
彼女は簡単で助かる。
自己の利になる事が加われば交渉は容易い。
《水仙、態度が気に食わないそうだよ》
『同族嫌悪でしょうよ、多少嫌な思いをさせても言うべき事は言う。変えるべきは向こうでしょう』
《君は君で愚か者を装わなければ良いんだよ》
『そこまで器用じゃないんで難しいですねぇ』
《出来はするだろうに》
『利が有ればね』
偶に産まれる覇王の子。
平穏な世は相当退屈だろう。
けれども根曲がりしなかったのは、朱家の育て方の良さ故。
この子は四家生まれで無ければ最悪は暗殺されても不思議では無い、それだけの相と命運を持っている。
並みの相手では呑まれ、流されて終わるだろう。
《良い機会だし、僕が花霞と暁兄の良い所を教えてあげよう》
『良いよもー、巻き込むなってー』
《2人共に口が上手いとは思わないかい?》
『そらね、けど花霞は意外と策を弄さない方だよなぁ』
《敬いが有るからね。それに暁兄は絡め取るのが好きなんだよ、アレもアレで男だからね、狩りは好きなんだよ》
『蜘蛛かよ』
《それか蛇か》
『西の白虎のなのに』
《祖に扶桑国のとある血が入っているそうだよ》
『扶桑の土蜘蛛族?マジで居るの?』
《どうだろうね》
花霞を夢見がちだと思ったんだけど、意外とそうでも無いのかも。
『真偽はどうやったら知れんの?』
《大概の事は当主になるか、当主補佐になれば知れるだろうね》
面倒臭い。
『見ての通り繊細で人疲れするから無理』
《分かるよ、僕もそうだからね》
『良く道中に付き合おうと思ったね』
《一ヶ所に留まり続けるだけでは見えない事も有るからね、静動の中で見極めるのが1番だよ》
『合わない侍従はちゃんと排除した?』
《今回の事で排除するから心配要らないよ、それに、こうした動きも少しは必要だからね》
怠け者、とまでは言わないけど、明らかに侍従に不向きなのが何人か居て気になってたんだけど。
分かってんのな。
『なら何も心配してやんない』
《君の気配りは僕は好きだよ、嬉しく思っていたのに残念だ》
『可愛くない』
《姉上は可愛いと言ってくれるよ》
『妾と正妻ってどうなの?』
《どうとも、あの正妻は既に殆ど家に居なかったからね、長く家に居て良く家を補佐してくれているのが正妻、としか思わなかったし。区別を付ける母上では無かったからこそ、父上は正されたのだと思う、結局は支え合いだよ》
『アレと支え合える?』
《春蕾は良い子だからね、真っ直ぐで迷いも悪心も無い、ある点を除外すれば愚か者でも無いし。長く一緒に居られると思うよ、例え花霞を間に挟まなくてもね》
『けど、花霞の事になるとポンコツなんだよなぁ』
《あの程度の愚直さは可愛らしいじゃないか、人間味が有って僕は好きだけれど。君は年が若いから恥としか思わないんだろうね》
『おう、俺だったらと思うとアホっぽくて恥ずかしいわ』
《稚児が転んでも可愛らしいとしか思わないけれど、稚児にしてみたら恥ずかしいんだろうね》
『俺をお稚児扱いかよぉ』
《その格好は恥ずかしく無いのかい?》
『いつバレるか、段々面白くなってきた』
《ふふふ、春蕾のあの顔は面白かったね》
『それな、花霞に見えないからって凄い目を見開いてさ、後でじっくり見せびらかしてやらないと』
《花霞と関わらなくなった春蕾は、さぞ面白くないだろうね》
『あぁ、そうだね、あの2人が絡まないと面白くない』
《人は低きに流れ、直ぐに飽きる。君も絡めば面白さは維持されるだろうね》
『俺の塩梅で考えとくわ』
《なら暁兄を推そうか、男同士は塩梅が良く分かるから良いらしいよ》
『下処理がクソ面倒そう』
《女性が相手でも同じでは?あの感じなら春蕾はしっかり後処理をするだろうね。風呂に入れてやって、乾かし服を着せ、髪を梳かし寝かし付ける》
『あぁ、しそう、しないとか寧ろ有り得ないわ』
《暁兄なら全て自分で済ませてしまいそうだけれど、結局は後か先か、だろうね》
『極端じゃね?』
《君が極端な相手しか指し示さなかったんだ、仕方無い。それとも2人から興味が失せたと報告して、僕の姉上からお見合いを強行させられたいなら構わないよ、僕らとはお別れだ》
『俺の命運を握ってんのな』
《好きにはしないよ、君の意見を尊重する》
『もうちょっと、面白いから見てて良い?』
《見るならしっかりと、それが条件だよ》
『しっかり、ねぇ』
《取り敢えずは刺繍を見せておくれ、四種の水仙》
『はい。手が込んじゃってんだよなぁ』
《ベールもそうだけれど、冬着だから体形も隠れているし、男装では前髪を落としているからバレないんだろうね》
『常に結ってるの嫌なんだよ、煩わしい』
女はクソ大変だな、と思う。
その点では、確かに男の方が楽そうだけど。
《これだけの種類を見た事は?》
『ぁあ、目の前の翠園に有るし、絵も飾ってたからかね』
《成程、もしかすればバレてるのかも知れないね》
『えー、無いね、無い無い』
《君は本当に面白くないね》
『俺の事は構わなくて良いよ、何とかするし』
《君に呑まれない子は希少だよ、少し本気で考えた方が良い》
『花霞?』
《と暁兄》
『本気で言うにしても悪趣味じゃね?』
《暁兄を理解してるからこそだよ、情愛が大好物なんだ、まるで神様や仙人様のように。花霞を見れば分かるように、いざとなれば性別は関係無くなってしまうんだよ、突き詰めるとね》
『まぁ、男友達なら一生付き合いは有るだろうけど、女で他人のじゃん』
《まだ誰のモノでも無いし、コレから先だってどうなるか》
『臘月でも分かんないの?』
《限界は有るよ、ただの人だからね》
『興味を引かせなでくんない?揉めたく無いんだけど』
《揉めるとすれば周りだろうね、薔薇姫に小鳥が五月蠅く言うだろう》
『そもそも花霞が受け入れ無いんじゃないの?』
《そう思いたいならそう思えば良いよ、あぁ、休憩場所に着いたみたいだね》
色々と言おうと思ったのに。
後で詰めてやろ。
『ねーさー、臘月が意地悪すんだけど?』
「私に言ってどうすんのよ、本人に言いなさい」
『花霞か暁霧の良い所を書いたの出してから、としか言わないんだもん』
「あぁ、今なら十個位で大丈夫でしょうよ」
『良い所って、何』
善悪が簡単に覆ると知ってる子には、確かに難しい事よね。
「特徴でも良いし、自分の塩梅と合う、とかでも良いのよ」
『あぁ』
「アンタにとって一時的に良いと思える部分でも良いのよ、どれだけ見てるかが重要なんでしょうから」
『それが間違ってたら暁霧のせいにしとくわ』
「はいはい、結構よ。って言うか薔薇姫様のお相手はどうだったの?」
『あー、計算高そうだけど、それが良いみたい。まぁ、そこまで悪いヤツでは無さそうだし、そのまま進むんじゃないの』
「なら、ココの滞在期間を伸ばした方が良いかしらね」
『そこは気にしなくて良いみたいよ、予定が有るから準備は任せるつもりだ、って言ってたし』
「成程ね」
あら、真面目にちゃんと書いてるけれど。
誰の事だか。
あぁ、両方のを混ぜて書いてるのね。
『なに』
「小手先で誤魔化そうとしてるのが可愛らしいなと思って」
『男でも抱けるって本当?』
「どうしたらそんな、ぁあ、臘月ね。抱いた事も抱かれた事も無いわよ」
『答えになってないんだよねぇ』
「アンタね、コレから先長いのに、抱けるって言われて今まで通りに出来るワケ?」
『そんなに中身だけ見れるもん?』
「命の尊さ舐めんじゃないわよ、どんな命も尊いでしょうよ?それと同じよ」
『女の方が価値が高いと思うけどな、女が多い方が子孫繁栄するんだし』
「はぁ、そこよ、自分には男で十分、って思うのも居るのよ」
『あー、へー』
「自分で聞いといて興味失せるって酷くない?」
『何でも良いんでしょ?』
「程度によるわね」
『春蕾いけんの?』
「ずたぼろに花霞ちゃんからフラれて死にそうで、もう周りには私しか居なかったら、まぁ、それしか無いじゃない?」
『そこまでして命を繋ぎ止める意味って有る?』
「無きゃ見い出すなり作るなりすれば良いだけじゃないの、どんだけ物ぐさなのよ」
『無駄だった、って後悔する事ってクソいっぱい有るじゃん』
「出たわね、無神論者はコレだから困るわ。勝手に自分で意味を見い出すなり作れば良いのよ、その行いが愚かだと言われるのは、人を害する言い訳に使う者が多いから。けど本来は勝手に思い込んでも良いのよ、それこそ国や家、誰かの為になり、害とならなければ思い込みは悪い事じゃないの。包丁は悪くない、悪いのは使い手よ」
『で、好いた相手の為に生きる、ってなるワケ?』
「そうね、そう思い込むのもアリだけど、加減が大変なのよね」
極まってしまうと独善的となってしまう、そうなれば容易に道を外れる事も有る。
『けど死にたくないなぁ』
「前の私にはアンタ達みたいな子は目に入らなかったの、アンタは器用だから大丈夫よ、昔の私よりは話を聞ける子だもの」
完璧を追い求め過ぎて、自分の不完全さが嫌だったのよね。
無意識に周りと自分を区別しまくって、見下して。
けれど認めて貰いたい、受け入れて貰いたいって。
馬鹿よね本当。
『そんなバカだったの?』
「今もそこまで賢くは無いわよ、沢山見聞きしてコレになっただけだもの。アンタも同じだけ見聞きしたら、もっと賢い考えが出る筈よ」
『市井で見聞きしてきたけどコレだよ』
「なら整理がなってないだけじゃないの、頭でっかちで人の嫌な面ばかりに目が行って、均等さが足りない。若さ故かしらね?」
『アンタみたいに自分を許せなくなるのは面倒臭い』
「痛い所を突かれたわ、立ち直れない、もうダメ」
『邪魔すんなって』
「あら、じゃあ花霞ちゃんなら良いのかしら?」
『アレはこんなんしないでしょうよ』
「程よい加減で遠慮してくれる子が良いんでしょうけど、余裕が無くなるとそうもいかないのよ。アンタは自分より優先しても良い子を大事になさい、そう出会えないわよアンタの場合」
良いのよ、自分が1番って思うのも悪くは無いわ。
けど死ぬまで1番って、普通は有り得ないのよ。
親は子を優先させるのが常なんだもの。
『あぁ、想像で書いても良いのかね』
「まぁ、言われたら書き直せば良いじゃない、温かいわねアンタ」
『おう、夕餉なんだろ』
「そうねぇ、そろそろよね」
暇だから葉赫那拉家の家計簿を見せて貰ったけれど、出す所は出すけど堅実なのよね、ココの家。
見習わないといけないわね、色々と。
「羊しゃぶしゃぶ、好き」
『タレの種類も多かったですし、まるでお店みたいでしたね』
《料理人を呼んだもの、四家の方のお口に合わないといけませんし》
『美味かった美味かった』
「本当よ薔薇姫様、美味しく頂きましたわ」
久し振りに3人別行動だったんですよねぇ。
私は春蕾さんとお昼までは一緒に居たんですけど、生理前だからお昼寝しちゃって。
「皆さんお昼は何を?」
《どうせアナタは肉餅だろうから、同じものよ》
「何で分かりました?」
《流石に1年も居ればねぇ》
『隙あらば肉餅ですしねぇ、だから私も同じのですよ』
『焼き餃子じゃダメなの?』
「違うんですよぉ雨泽様、焼き餃子だと具の味が薄い場所も有るじゃないですか?」
《安定してるのよね味が、季節を問わず何処のでも美味しいし》
『食べ歩けるのが良いんですよね』
《しかも偶にとんでも無く美味しいお店も有るし》
『北京のお店は凄かったですよねぇ、肉汁が出るし生地は軽くて薄いし、アレで私も食べ比べる理由が分かりました』
「焼きの香ばしさは勿論ですけど、具の入り具合や生地の質や延ばす技術、市場を見る良い指標になると思うんですよねぇ」
《あぁ、確かにそうね、不況なら生地は厚く具は少なくなるでしょうし》
『ダメですよ惑わされたら、言い訳半分なんですから』
「えへへ」
けど地元民の頑張り具合が出る、良い品だと思うんですよねぇ。
観光地向けの値段と質なのか、地元用の地区ではどうなのか、兄が教えてくれた私用の地域の見極め方法なんですよ。
『そんなに好きなの?』
「はいー、もう体の半分は肉餅で出来てますねぇ」
もう半分は、黒胡麻ですかねぇ。
《3食肉餅でも良いのよね》
『不健康が過ぎますけどねぇ』
「野菜汁を合わせたら良いじゃないですか?」
お魚とキノコを入れたごった煮とかでも。
「アナタまさか、そこまで偏った食事を」
「滅多にはしませんよぉ、月の物が酷い時だけです、乳母にお店も何もかも任せますから。金絲雀にお願いして買って来て貰ったり、家族に買って来て貰ったり、ですね」
《北京の肉餅屋と結婚した方が、楽だったんじゃないかしらね?》
「あー、若い子も居ましたけど、下働きでは?」
『と言うか肉餅屋なんて有るんですか?何処かの料理屋の屋号が入ってましたよね?』
「天安大餐楼、とか入ってましたね」
『あ、そこ美味しいんですよ、北京烤鴨』
《あぁ、食べようとして止めた所よ、大きい所だからって》
『あー、逃避行中でしたからね』
「すっかり見逃してましたよ、大きいお店はダメ、はい次、って」
《真に迫っていて、アレはアレで面白かったわね》
『良い練習になりましたね』
逃亡の練習する意味、無いと思うんですけど。
あぁ、兄上に教えてあげれば良かったな、美味しいお店。
「少し前、変わった容姿の子が買いに来たろう、ココに」
《ぁあ、そうですねぇ》
「可愛かったろう、あの毛色だけれど俺の妹なんだ」
《またまた、本当ですかお兄さん》
「中央の牌を持ってたろう、こんな色合いだった筈だ」
《あぁ、確か、そうだった気もしますけれど》
「何度買いに来た?」
《ウチの息子にココを任せてたんですけど、確か、4度だとか喜んでましたねぇ》
「ほう、アレの縁談相手をかき集めていてね、乗るかい?」
《ウチのに聞いてみますが、何処のご商売の方で?》
「中央のしがない包袱屋だ、コレを持って来てくれたら少し安くするよ」
《コレはコレは、上等な品で、ありがとうございます》
「じゃあ、また今度」
《あの、どちらにお泊りで?》
「折角だから無理をさせて貰って、竹園賓館だ、あそこは良い宿だね」
《そうですかそうですか、確かにあそこは良い宿です、どうぞ北京をお楽しみになって下さい》
「どうもどうも、ではでは」
《はいはい、ではでは》
流石、北京の天安大餐楼が営む肉餅屋だ。
すっかり品定めをされてしまった。
「はい、焼き立ての肉餅だよ、奥様」
『またあの子は、どうにも大物に当たりますねぇ』
「食べ比べさせたのは俺だからねぇ、しっかり舌が肥えた良い証拠だよ、うん」
『まぁ、小さい屋号でしたし、文に名が無かったので本店には行ってないでしょうし。ですけどどうしてなんですか?』
「そらウチの易者に言われたからねぇ、花霞が気に入る子が居る、とね」
『料理の腕が、ではなく?』
「そうだねぇ、こうなると分からないねぇ」
『まぁ、周りがガチガチに守ってくれてるでしょうし、男手は多い方が良いですからね』
「じゃなきゃ困るよ、ウチのは加減が分からず殺してしまう程度には強くさせたのだし」
『ウチの子には教えてませんよね?ダメですよ、あそこまで賢い子では無いんですから』
「教えて無いよぉ、幾ら可愛くても教える内容の加減はするさ、傍目からは平凡凡庸なのだし」
『見目程度で流されない世に、さっさとなって欲しいのですけれどね』
「難しいだろうねぇ、まだまだ、この国は異国と交わるには時期尚早だ」
『下を切り捨てれば良いのでは?』
「意外にも上が伸び悩むそうだよ、下有っての中、上、だそうだからね」
『私も男だったらキャラバンに加われるんですけれどねぇ』
「いやいや、僕の子を産んで貰わないと、その為に娶ったのだし」
『もう3人も産みましたし、もう男になれても良いのでは?』
「困るなぁ、抱き心地が変わるのは困る」
『バッキバキに鍛えてみたいのですよね、女が鍛えるには限度が有りますし』
「僕が死んでからにしてくれるかな?」
『バッキバキの老人も格好良いですしね』
「鍛えたがるねぇ」
『苦労人は違う者になりたがるものですよ、なんせ月経が大変ですからねぇ』
「腰でも肩でも揉ませて頂きますから、宿に戻りましょう、食べて食べて」
『あら美味しい』
「でしょう、ウチの子の舌は確かだからねぇ」
見る目も確かだけれど、それはあの子が苦労しての事。
もう苦労はさせたくはないのだけれど、四家に目を付けられてしまったからねぇ。




