侵入者の所在
「叶芽!聞いてる?」
「あー、聞いてる聞いてる。」
「その答え方は聞いてないね。重大事件なんだきいてくれよ。」
ここで少し自己紹介、梵叶芽、16歳。この4月に高校生になった。
このうるさいのは、染井奏多。多趣味な奴で料理に裁縫、最近は占いにハマっているらしい。中学から高校に上がった今もそのうるささは健在だ。
反町丁にある桜崎高校、それが今俺たちのいる場所、授業はとっくに終わり部活にも入っていないので帰ろうとしたときこいつに呼び止められた。
まったくいい迷惑だ。
「聞いてるって、昨日、お前の入ってる写真部の部室のドアが開かなかったんだろ。うちの学校は古い木造だしな、立て付けが悪くなってたんだろ。」
「違うよ、うちの学校は古いけど今まではちゃんとドアの立て付けもよかったんだ。それに、無理やり扉開けようとしたとき、人が逃げるような音が聞こえたんだ。ガタガタって。まあいいや、詳しくは彼女に聞いてくれよ。彼女が第一発見者みたいなものだしね。」
そう言って奏多が振り返ると後ろには女子生徒が立っていた。髪は長くいかにも優等生って感じだな。
「こんにちは、梵さん。染井さんと同じ写真部に入っている月城つゆりといいます。いきなりですが、事件の話をしてもよろいいですか。染井さんが梵さんなら絶対協力してくれるはずだとおっしゃっていたので。」
奏多めそんなこと言ったのか。睨んでみるがすぐに目をそらされた。それに事件て、、、大袈裟だな。
「昨日は雨が降る前までは部室から校庭にある桜の木を撮っていました。そして、、、」
彼女の説明をまとめるとこうだ。
昨日、いきなり雨が降ってきて傘を持ってきていなかった彼女は急いで帰った。しかしその際彼女は写真部の部室に忘れ物をしたらしく、帰宅後、少したってから気ずいて取りに戻った。部室の鍵はしめてしまっていたので、職員室に鍵を取りにいかなければならなかった。鍵を開け
写真部の部室につき中に入ろうとした時、そこでことが起こった。写真部にドアが開かないのだ、そこにたまたま奏多が通りかかった。奏多はいくつもの部を兼部していて、ちょうど家庭科部の帰りだったらしい。
そして、奏多も加わり2人がかりで何とかドアを開けた。
だが中には誰もいなかった。
しかし、ドアをあける直前、誰かが逃げたような音がきこえたらしい。さらに部室の窓が開いていた。
「つまりだよ、叶芽、犯人はたぶんうちのカメラを盗もうとしたんだ、結構高いものもあるしね。で、計画を実行しているとき僕たちが来た、そして慌てて窓からにげだしたのさ。写真部の部室は2階だからできなくはない。そんなことができるのはそうとう運動神経がよくないとできないだろうけど。そこで、運動部にそんなことができるひとがいるか聞いて回ろうと思うんだ。協力してくれよー叶芽。」
「いやだ。結局何もも取られてなかったならいいだろ。」
「そんなこというなよー。昨日の大雨の中ずぶ濡れにならなかったのは僕の貸した折り畳み傘のおかげだろ。」
「いまは関係ないだろ。」
「梵さん、私からもお願いします」
「叶芽たのむよー、お願いお願いお願いお願い。」
「お願いします。お願いします。お願いします。」
「あー、うるさいな分かったよ。協力する。」
なんだこいつらは生まれたての鳥か!
「やったーーー。そうとなれば直ぐに聞き込みに行こう。」
「聞き込みにはいかない」
「なんでさ、協力するって言ったじゃないか。」
「犯人なんていないからな。そんなことしても意味ない。」
「まさか、犯人が分かったなんて言わないだろうね。ちょっと話をきいたぐらいで。」
「犯人は分からない、というか存在しない。」
「どういうことですか、梵さん」
月城が食い気味に聞いてくる
「まあ待ってくれ、ちゃんと説明するから。
まず、ドアが開かなかった原因だが、それは昨日の大雨だ。
この学校は木造、もちろん扉も木だ。木っていうのは水を含むと大きく膨張する。うちの学校は古いからより多くみずを含むだろうな。このせいで扉は開かなかったんだよ。」
「なるほど、、、」
「ちょっと、待ってくれよ叶芽。そしたら犯人の逃げる音と窓はどうなるんだい?」
「昨日は風も強かっただろうこのボロイ校舎ならそんな音しょっちゅうなるだろ。
窓が開いていたのは単に閉め忘れたんじゃないのか。雨が降る前、部室から校庭の桜の木を撮ってたんだろ
その時、窓は開けるはず、雨が降ってきて忘れ物をするぐらい急いでいたんなら閉め忘れてもおかしくないだろ。」
「月城さん、どうだい窓を閉めた記憶はある?」
「そういわれると、閉め忘れていたような。」
「しかも月城は学校にもどって来たとき職員室に鍵を取りに行ったんだよな。犯人が鍵を持っていた場合職員室に鍵はないし、もし犯人が鍵を使ったなら鍵は職員室にない。結論、犯人は存在しない。」
「たしかに、、、」
「まさか叶芽にこんな才能があったなんてなー」
「もういいだろ俺は帰るからな。」
「僕は、部活へ行くよ。じゃあね叶芽。」
「じゃあな」
はぁ、俺の放課後が減ってしまった。新作のゲームをプレイする予定だったのに。
「梵さーーーーーん」
後ろから月城が凄い勢いで追いかけてくる。すごい転びそうな気がする。
ずどーん
やっぱり、、、
「おい、だいじょぶかー」
「あ、はい今日はありがとうございました。」
「まあいいよ、これぐらい。」
「またなにかあったら頼らせてくださいね。」
「それはだめだ。」
「ええ!!待ってくださいよー」
おしまい
時間がなかったのでクオリティが低いのは勘弁して下さい。
素人なので文が分かりにくかったり、構成が下手くそです。
これからもよろしくお願いします。(`@`)