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月夜譚 【No.1~No.100】

幻影の舞台 【月夜譚No.65】

作者: 夏月七葉

 二人の息の合った掛け合いに、見る者は圧倒される。その姿は舞台上にあるはずなのに、彼等が一度(ひとたび)演技を始めると、場面場面の情景が実際にそこにあるかのように、目前に浮かび上がる。

 観客達は物語に引き込まれ、息をするのも忘れるほどに意識が呑まれる。他の役者たちも彼等に引っ張られるように、役に磨きがかかる。この二人がいるだけで、舞台はリアルに華やかに、素晴らしいものとなるのだ。

 但し、どういうわけか片一方だけではこうはならない。どちらかが欠けると、演技自体はプロのそれなのだが、双方揃っている時より何か物足りなさを感じるのだ。

 一度でも彼等の舞台を見た観客はその世界に魅入られ、リピート率が異様に高いという。二人が揃って舞台に上がる機会はそうそうあることではなく、その素晴らしさと珍しさに、一部の間では「幻影の舞台」と囁かれているらしい。

 次に二人が揃うのはいつになるだろうか。それを思うだけで胸が躍るのは、きっと気のせいではないのだろう。

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