35話 招集
あれから、集合場所に到着すると、シルとリーフェスはあまり怒ってはいなかったが、案の定シリカは怒っており、俺に気が付くとドスドスと足音を立てながら近付いてきた。そして一言俺に「歯を食いしばれ」と言い、グーで渾身のストレートをお見舞いされてしまった。
確かに・・・ボコボコにはされると思っていたが・・・本気なストレートを放ってくるとは思っていなかったな・・・。
ってか、本気で痛いんだけど・・・。顔の骨とか折れてないよな・・・。
渾身のストレートをお見舞されてから、取り敢えず形だけでもと思い、しっかりと頭を下げみんなに遅れたことを謝罪をした。
謝ったことで、シリカの機嫌も治り、しばらく王都に滞在することとなったため、宿屋「近橋」に向かった。
翌朝。窓から射し込む太陽の光で俺は目を覚ました。いつものように、着替えなどを済まし、ふっとドア元に視線を移すと、半分に折られた白い紙が挟まっていた。
───── 一体、この紙はなんなんだ?
そんな、疑問を思いながら、そして警戒をしながらドア元に近づき、白い紙を手に取った。
白い紙を手に取り、一応辺りを警戒しながら紙を開き、紙に書かれている文章を軽く目を通した。
『背景。音無春馬様。本日のお昼頃、そちらに伺いますので、支度などを済ませておいてください。カナオリ公爵家───』
紙には達筆な文字でそう書かれていた。どうやら、今日の昼には公爵家の遣いが来るらしい・・・。うん・・・?昼頃・・・?今は、何時だ・・・?
腕時計で時間を確認してみると、時計の針は11時57分を指していた・・・。
「・・・・・・まじか」
もう、既に現在の時刻は昼に近づいていた。これは、本当にまずいな。取り敢えず、残りの3分で軽く身支度を整えないとな・・・。
「春馬様!!公爵家の遣いが到着致しました!!」
「わ・・・分かりました」
何とか、身支度を整え終わると同時に宿屋のおじさんが公爵家が到着したことを教えてくれた。本当にギリギリで間に合って良かった・・・。ここで、遅れてしまったら死罪も有り得るしね・・・。
「は・・・春馬殿。乗ってくれ!!」
「・・・・・・分かりました」
宿屋から外に出ると目の前には馬車が1台止まっていた。俺が、馬車に近づくと馬車の扉が開き、公爵に声を掛けられ、少し急かされながら馬車に乗り込んだ。
「本当にこのタイミングで、春馬殿が王都に滞在していたのは奇跡だ・・・。恐らく神が私たちを救ってくれたのだろう」
馬車に乗り込むと、公爵はいつもとは違い、何か焦っているようだった。更に馬車に乗り込んだ俺と天に向かって祈り始めた。 なんか・・・本当に様子がおかしいな。今日の公爵は・・・。
一体・・・・・・何があったんだ?
「公爵様、一体何があったんですか?また、テラーザ様に呪いが・・・!?」
俺が、公爵にそう尋ねると、公爵は額に汗を浮かべ、深刻そうな顔をした。まさか・・・、またテラーザ様に呪いが掛かったんじゃ・・・・・・。
「兄上が暗殺されそうになった・・・・・・」
・・・・・・・・・えっ、まじで!?
公爵の兄と言えば、国のトップである国王だよな・・・。まさか、国王の転覆を測る誰かがやったんじゃ・・・・・・。
「国王の容態は大丈夫なんですか・・・?」
「幸い、付近に兵たちが控えていたため、命は何とか取り留めたよ・・・。だが・・・未だにベットからは起き上がることは・・・・・・」
公爵は悔しそうに拳を握り締めながら、俺に国王の容態を話してくれた。本当は言いたくは無かったんだろう・・・。それは、まぁそうだろう。義理と言っても兄を殺されそうななったんだから・・・・・・。
「実行犯には心当たりなどはあるんですか?」
「あぁ、目星だけはついている。だが、そいつがやったという証拠は一切無い・・・・・・」
「とゆうことは・・・・・・、実行犯は他国の者なんですか?」
「いや、他国の奴なら直ぐに証拠を見つけることはできるが・・・・・・今回の実行犯は・・・・・・」
俺の質問に、公爵はため息をひとつついて顔を上げた。公爵の顔には苦々しい表情が浮かんでいた。
とゆうことは・・・・・・、国王を暗殺しようとした犯人は内部の奴らと言うことか・・・・・・。
もし、そうだとすれば、証拠を見つけることはまず不可能だろう・・・。




