34話
やっとテストも全て終わりました。
今日はまずホーンとドドイ中心に育てている植物と、これから育てるかもしれない竹について話して、洗濯した後、川に仕掛けた罠を見に行って魚がいたら、開いて干して、あ、罠の日も緩んできてたから今度直そうって思ってたんだ。行くときに紐をもってこ。
いろいろ考えていたら、朝食を食べ終わっていた。まずは、調査結果の木盤みんなと一緒に取りにいこーっと。
「ミア、ちょっといい?」
「ん?」
「やっぱり、ヨモギは……」
「フォーン、ワォーーーン」
「え、ホーンその話はあとでね。私とムグ、ナグ、トトはババ様の家行って、布とかとってくる」
「さっきの声は入り口方面だよね。先に行ってる」
私たちは分かれて一斉に走り出した。さっきのは、怪我していることと、いる位置や方面を知らせる遠吠えだ。声的に狩りに行った父たちだ。ただ怪我したら仲間が担ぎ込目がいい。でもそれができるのに遠吠えで助けを求めるのは、相当な異常事態だ。
ババ様の家につくとドアが開きっぱなしになっていた。
「ババ様来ました」
「早いのう。トトとミアはそこに積んである布と草紐を。残りの2人は、一緒にこっちの部屋にある薬の箱や一応あてる木を持っていくんじゃ」
トトは布を、私は紐と布を持って、遠吠えが聞こえた方に走った。聞こえた方の村の端まで来ると、地に寝ている者、服に血が染みついて垂れている者とひどいありさまだった。
私たちは持ってきた布を配って、血をぬぐって止血する。じきに来たババ様たちの物も加わって、骨折したを治療していく。
しばらくして、パパと話しつつ治療していたババ様が、みんなの中心にきて話し始めた。
「皆のもの、動きながらで良いから聞くんじゃ。おそらく怪物が出た。メメル、ゆりかご小屋に抱っこ紐の準備をしておくよう言って、広場で隠れているはずの子供たちの様子を見に行くんじゃ。ホーン、数名連れて塗り薬と毒消し薬と布を持ってくるんじゃ。ミア、今から怪物が出たと伝えに、隣のロン族の村まで行くんじゃ。フォル族の村は、倒れている者を運び体力があるものが行くこととしよう。ミア、一旦こっちに来るんじゃ。以上じゃ。皆動いてくれ」
「「「はい」」」
私は、ババ様に駆け寄った。パパも寄ってきた。
「ミア、言った通り怪物が出たと、隣のロン族の村まで6人で行くんじゃ。昼食のために干し魚を持っていって良い」
「怪物と遭遇した場所と、隣のロン族の村の方向は逆だが、もしもそれらしいのを見たら迷わず逃げろ」
「わかりました。パパ、怪物の見た目は分かる?」
「足が六本ですべて手みたいに器用、口が長く歯がびっしりで俺は2口で食べられるだろう。色は緑色で草みたいだ。だから、気づくのが遅れてしまって、」
「バダラス、もう良い。おぬしも毒を受けているじゃろ。おぬしの布を渡して、休め」
「あぁ、そうだった。おそらくあいつのしっぽには毒のとげがある。本当に、気を付けるんだぞ。いきなり草が動いたように、」
「バダラス!」
「は、そうだ、布だ。この布を持っていってくれ。これをだせば、村長代理として言いに来たことになる」
「よし。スースー、バダラスを部屋に連れて行ってくれ」
そう言って、血のついた自分の服の破片を私に渡したパパは、運ばれていった。パパ、その怪我で立ってて大丈夫なの?。パパも腕折れてるし、相当な怪我をしている。
「ババ様。パパ大丈夫でしょうか?」
「確かに骨も折れておるし、毒もあるだろうが大丈夫だ。毒はおそらく、殺すよりも興奮させる作用が強いものじゃ。興奮させて、疲れや恐怖に気づかせないためのものじゃな。気づいたときには、逃げれず死ぬ。それに惑わされず帰ってきておる。おぬしのパパはすごいよ」
そう言って、ババ様は私の頭をなでた。
「さ、隣村まで頼んだよ。もし帰る途中夜になる用だったら、あっちに泊めてもらうんじゃよ。拒否はせんはずじゃ」
「わかりました。私、トト、ザシィ、ムグ、ナグ、ガイ、で行こうと思います」
「頼んだ」
速さ、体力的にこのメンバーがいいだろう。みんなに声をかけ、準備していく。クロスケとモミジには、しばらく自分たちで狩りをすることと子供達を頼み、ゆりかご小屋で手伝っていたママに、行ってくることを伝え、村を出た。
村に行く途中、今までと今回でた怪物について考えた。
確か前回と前々回はババ様が実際に体験しているって言ってたな。前回のは外の皮が固く、突進してくる怪物だったらしい。推定3m以上のゴリラが、突っ込んできたり、掴んで叩きのめしたりしてきて、近くの村のみんなで協力して倒し、多くの犠牲を出したものだった。
他の怪物も見た目や能力は違うようだが、総じて体の中心か頭部内にある光る石を壊したら消滅することは、一緒だった。今回もそれだけは同じだろう。
問題は、昔に比べて戦える住民が少ないということだ。うちの村は、子供産んだばかりの女性と妊娠中の女性は戦闘に参加できないし、人間に村を襲われたせいで数も減っている。他の村は、内の村より人間による被害は小さいものの、農業が改善されたおかげで住民の最大数が増えた。よって、子育て中や妊娠している女性が多い。獣人だから女性でも戦闘能力高いし、女性も戦うと考えると、以前と比べると絶対少ないことは分かる。
どうしたものか。罠でも作ってみるか?。でも、かかってくれるか?。帰ったらパパたちに今回の怪物を詳しく聞いて、ババ様に経験した怪物の特徴聞くかと、ぶつぶつ考えながら走った。
軽装で小走りだったからか、昼過ぎに隣の村につくことができた。村の広場に行くと、子供たちが遊んでいた。
「ジブ、ベルク村長はどこにいる?」
「急にどうした?。ベルクなら狩りに行ってるよ」
「急用で話さなくちゃいけないことがあるんだ。いないなら、今大人がいるところに連れてって」
「わかった」
こちらがかなり急いでいることが分かったのか、深く聞かず走り出した。こっちの村長も狩りに出てるのか。行ってる方向によっては、かなり危険だ。
食堂に案内されそこにいた大人に、私が村長代理で村長からの伝言を預かってきているというと、大人だけ集合の遠吠えがなされた。ジブはいったん返され、今村で一番強い人とベルク村長の妻が前に出て話すようだ。
「今この村にいる大人は全員集合しました。伝言とは何でしょうか」
「改めて、村長代理としてきましたミアです」
そう言ってパパの血が付いた布を出すと、周りがどよめいた。
「薄く血の匂いがすると思いましたが、それがあるということは良くない伝言ということですね」
「はい、怪物がでました」
今度は、先ほどよりも大きなどよめきが起こった。
「静かに!。で、どのあたりにいるのでしょうか」
「この村からすると私たちの村方向で、私たちの村を越えた先の森で遭遇したようです。遭遇した時間としては、1日たっていないと思われます。怪物の特徴は、緑で草のようなため気づきにくく、六本脚で器用だと言っていました」
「わかりました。辛ければ話さなくて良いですが、そちらのバダラス村長の怪我はどのような状態でしょうか?」
「生きていますが、腕が折れているとババ様が言っていました。すぐ伝言としてきたのでちゃんと調べたわけではありませんが、興奮させて、逃げることや怯えること忘れさせる毒も受けているだろうと、ババ様が言っていました」
「なるほど、今日日が暮れる前には、皆狩りから帰ってくる予定です。伝えることもできますが、直接話しますか?」
うーん。私もだが、みんな自分のパパやママが心配だろうけど、村長代理で来てるし、直接こっちの村長と話すのは大事だし、どうしよう。村長と話すなら帰るのは明日になる。
決めかねていると、ザシィが話しかけてきた。
「僕たちは、帰るのが明日になってもいいよ。あの、こちらに1日泊めてもらうことは大丈夫でしょうか?」
「ええ、もちろん大丈夫です。ミアのおかげで食料が増えていますし、ご飯も問題ありません」
「え、あぁ、ありがとうございます。では、村長と直接話し、泊まらさせていただきます」
「ミア、泊まるのにそんなに緊張しなくていいのよ。自分の村のように過ごしてちょうだい」
「ぁ、ありがとうございます」
「それじゃ、今日泊まる所に案内するわね。とはいっても、いつもと同じ場所だけどね」
村長代理としての話が終わった瞬間、いつもの緩い村長の妻さんに戻った。その拍子に、こっちも大勢の大人たちから見られていた緊張がゆるんでしまった。
その後は、村長家隣のこの村に来た時泊まる家に案内された。知ってる所で良かった。急に来たから、埃っぽいし初めましての家に泊められるとかだったら、私はきつい。
しばらくすると、村長たちが大きな獲物たちをもって帰ってきた。




