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32話

ほんとお久しぶりです。あけましておめでとうございます。

 7歳になったことで、集団でなら1日泊りで森に出てよくなった。クロスケは初めてだし、お留守番してもらうことにした。村の周りにはいないモンスターが見れるだろうし、知らない植物も見つけられるかもしれないし楽しみ。まあ、出かける前にちゃんと準備しないとね。みんな、ハンドサインはあるし覚えている。しかし、せっかく尻尾があるんだ、使わないわけないんだよな。ということで、手がふさがってるときのためといって、テールサインなる物を、考えてみんなに教えた。



「最後に、新しいサインで、手加減して戦うサインね」

「なんでそんなことするんだ」

「急遽、生け捕りにしたいときに使えそうかなって」



もしも、無害な人間や人間の子供を見かけたら、倒しに行くことになるかもしれない。無駄に殺さないためにも、このサインは必要だ。まあ、他の人は使わないだろうな。



 テールサインも考えたし、新種発見やみんなの経験値と進化のこともあるし、頑張ろ。テールサインをみんなに教えて、準備をして出発当日になった。



「気を付けるのよ」

「ママわかってるよ」

「メメルよ、ミアは強いから大丈夫じゃよ。しかしミアよ、油断するでないぞ」

「はい」



 初めて外で外泊するとあって、住民全員がお見送りに来てくれた。もっと大きくなってから外に出れるようにすればいいとか、狩りに行く父や母たちについて行って徐々に外泊になれて台替わりすればいいとか思うが、そうはいかない理由がある。


 それは、13歳ごろに成人の儀を行わなければならないからだ。ロン族とフォル族の成人の儀は、男なら14日間、女なら8日間外で自分達だけで生活することだ。男女混合なら男女比率などを見て日数を決めるらしい。また、13歳ごろというのは同年代だけのチームになることが少ないため、前後3歳程度の差が生まれるからである。おそらく同年代がお互いしかいないラナとカーシェは、私たちと組んで一緒に成人の儀をするだろう。


 こんな感じで、前々から野宿や同年代同士の狩りにも慣れてないといけない。なので今回外に行くメンバーは、ラナとカーシェと一個上3人と私たち5人の合計10人だ。もちろん、たまに父たちに交じって狩りに行くこともある。



「みんな準備いい?」

「「「いいよー」」」



 村のみんなに別れを告げて、村を出た。今回は西に進む。フォル族の村が北西にあるので、何かあったとき助かる。それに、ラナとカーシェが育てる候補に持ってきたなかで気になる植物が生える洞窟がある。


 しばらく歩くと、私たちが知らない所まできた。さらに、ラナたちに先導されながら洞窟を目指し森を歩いた。途中昼食にするハネウサギを狩った。ウーというウシ型のモンスターも狙ったが、逃げられてしまった。やはり、私たちだけでの狩りはまだまだだな。



 日が傾き、おやつを食べる時刻ぐらいになったとき、目当ての洞窟についた。洞窟は傾斜があり、行き止まりまで見えないほど深いようだ。



「ここが言ってた西の洞窟」

「ほー、聞いてた通り深そうだね」

「そうだよ、めっちゃ深い。それに道変わるとかすごいよね」



 そう、この洞窟道が変わるらしいのである。それに、外よりも薬草や肉食モンスターが多い。この世界のすべての洞窟がそうなのかは知らないが、私の知識で言うとダンジョンのようなものだ。本にもこの西の洞窟のことは書いてあり、ここで修業をした者が進化した事例がある。だから、早めに確認しておきたかったので、この場所に来ることを一番最初に選んだ。


 この西の洞窟から植物をとってきたと聞いたとき、外で育たないわけだって思ったよ。

 洞窟の近くに今日寝る場所を決めてから、みんなで洞窟内に入った。夜目がきいてよかった。多分人間だったら一寸先も闇だっただろうから。確か本によるとしばらく下り坂の一本道で迷いはしないしが、分かれ道についたらその先に行ってはいけないらしい。その分かれ道から先が変わるらしい。修業した者の物語によると、最初でさえ分かれ道が2から4とある日急に変わる。さらに、中で修業していたら全体が揺れ帰り道が変わってしまい、なかなか帰れず一旦死亡したと思われたとも書いてあった。

 そんなん、この洞窟ダンジョン攻略したいとか思うじゃん。でも今のままでは分かれ道以降はいけない。まだ弱いし、分かれ道の先は一応ババ様の許可とある程度長い間外に出れるようにならなくちゃいけないからね。



「ほら、分かれ道見えたよ」

「ほんとだ、今は3つに分かれてるね」

「この一本道にモンスターはいないようだし、ここまでに見かけた草とかを採種しよ」



 安全が確保できたので、3.4人で洞窟内にある草や石を採種した。調査していくと、この洞窟に寝泊まりしてい何かがいるようだが、糞の種類がいくつかあったので、ながいはしていないようだった。

 みんなで手分けして回収したので1時間程度で終わり、洞窟の外に集合した。いやー、初めての場所の調査はいろんなものが見れていいな。今度ここに来るときは、ホーンも連れて子よーっと。いろんなものが見れて、あの美形がほほ笑むぞ。そう思ってにやにやしながら、木盤に洞窟の様子や、とれたものを書いて野営地に行くともうある程度枝葉のテントが出来ていた。



「おまたせー」

「おー、ガイたちが夕飯を狩りに行っているから、余裕があるなら薪にする木を拾ってきてくれ」

「わかった、休憩してから行くね。火種に使う葉とかは拾わなくていいの?」

「それはねぐら作るときに取ったから大丈夫」



 座って休憩するがてら、みんながとってきた草や透明な石とそれらが生えていた場所が書いてある木盤を見た。小さな篭に木盤とものが入っているので、知っている草や特徴が同じものを、一つの篭にまとめる。こうしないと流石に10人でも持ち帰れないからね。


 仕分けが終わったら、近場で同じ班のヘルデとトト一緒に枝を拾った。暗くなってっきたので火を焚いて、食べれる木の実の皮をむいていると、ガイの班が牙の大きいイノシシのモンスターを狩って帰ってきた。

 すげー、この歳の4人でイノシシ狩るとかすごい。それにしても、こっちでもイノシシのモンスターの呼び名がイノシシなのはなんでだろうな。まあいっか。


 その日は、そのイノシシと木の実を食べて、先ほど探索した班で夜の見張りの番を交代でした。残ったイノシシの肉は、持ち帰れるようにある程度バラして笹の葉にくるんだ。



 夜、血の匂いに誘われてか、グォルフが近寄ってきた。六本脚のオオカミみたいな見た目で、群れで行動するモンスターだ。1人で出会えば木の上に逃げるのが得策だが、こちらが相手の数よりも多ければ逆に狩るのもありだ。気づいた時点で寝ている皆が起こされてグォルフの数を数えると、6匹だった。



「ミア、どうする?」



 んー、1匹潜んでいると考えるて7匹としても、こちらの方が多い。これを狩ればみんなのレベルは上がるしやるか。みんなに迎え撃つ指示をだし、お互いの位置を気にしつつオオカミの出方をまつ。


 しばらくすると、少しずつラナとカーシェが隣り合っている箇所に忍び寄る1匹が見えた。あの1匹が飛びかかったら、そこを中心に流れ込んでくる算段だろう。



「ラナとカーシェの所に忍び寄ってるのいるから、そいつが飛びついたら近くにいるやつに襲い掛かって。合図は私がする。もし身の危険を感じたら木の上にいったん避難して」



 言い終わるとラナとカーシェはより近づき、運動神経がいいラナが若干前に出た。それを仕掛けってくると思ったか、隠れてきたオオカミが姿を現し飛びかかってきた。他のオオカミも襲ってくるのと同時に私の合図が森に響いた。

 まず私は、ラナたちを背後から狩ろうと向かってきたオオカミに牙で横やりを入れた。警戒はされていたからか避けられてしまったが、標的がこちらにうつってくれた。そっからは、向かってきたのを避け、すきを窺って首を切った。周りを見ると、みんな怪我した様子もなかった。特に問題がなさそうなので、他の所に加勢し逃げられないように囲った。


 オオカミが逃げようとしたときには、すでにこちらが囲っていたので1匹も逃げることができず死んでいった。

 全員の無事を確認し、周囲を警戒しながら血抜きをし、毛皮に傷が少ないものは皮を剥ぎ解体して葉に包んだ。傷が多いものは、血抜きだけをして豚の丸焼きみたいに枝に縛る。こんな肉食獣の血の匂いが濃い所になんて、そうそう何か来ないだろうが念には念をと警戒兼火維持班と解体班で分けたので、なかなか時間がかかってしまった。なので、少し休憩したらオオカミの肉とイノシシの肉を焼いて朝食とすることとなった。

 動いた後の肉は最高だな。めっちゃうまい。

 朝食を食べた後また休憩して、日が昇ったら一番寝ている私の班は洞窟に行った。一晩ではさすがに何も生えたりはしていなかったし、分かれ道も3つのままだった。それはそうだよな。いきなり一晩で何か生えたりしたら、ここが住む拠点になってそうだしね。


 キャンプしたところに帰ると火はきれいに消されており、帰る準備ができていた。



「最終確認。火は消した。荷物は持った。肉吊るした紐も緩んでないっと」

「ミア、指さしてどうした?」

「一応指さし確認しておこうかと思って」

「ユビサシ確認?」

「火がちゃんと消えてなかったら山火事になるし、肉吊るした紐が緩んでたら途中落としちゃうかもしれないでしょ。だからちゃんと確認しようと思って、指さしながら確認したってっことだよ」



 そういえば、指さし確認の文化って当然ないよな。次の人が確認するだろうとか、私が気づいてるだろうとか人任せになってほしくないし、帰ったら教えよ。


 行きとは違いお肉などの荷物が増えたので、村につくまで行きよりも時間がかかった。ただ、朝早く出たのでお昼過ぎに帰ることができた。



「「ただいまー」」

「おー大荷物じゃねーか。ミアたちが帰ってきたぞー」



村につき肉が多くある関係で食堂に向かうと、後片付けしていた当番のみんなが出迎えてくれた。イノシシにグォルフ7匹を持ち帰ったので、めちゃくちゃ褒められた。

 一旦食堂にお肉を置いた後は、クロスケやモミジの所に寄り道しつつババ様に帰ってきた報告をした。ババ様がお茶を入れてくれるというので、みんなで飲みながら外泊中のことを話した。


 その日の夕飯は、いつもよりも騒がしかった。

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