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30話

 隣村に農業のやり方を教えたり、うまいこと排泄物を集められるようにトイレの改良をしていたら、1年たっていた。どっちの村からも豊作だと連絡も来たし、大成功だ。育ちがいいところを目の当りにしたおかげで、運ぶための荷車も作ることにもなったし、農業改革はうまくいっている。今年は、トイレの改良に行くことになっているので、前よりも嫌な作業が減る予定だ。

 水路は、曲がり角の水がたまに出てきてしまうので、その箇所だけ水路を広くして、勢いをころしてあふれ出ないようにした。全体的に順調だ。


 それに、今年また下の子たちが産まれた。全員元気に生まれてきてくれてよかったよ。大きくなったら、今と同じ感じで算数教えてあげよ。今年3歳になった子達は、順調に足し算引き算と文字を覚えていった。今年小さい牙を貰ったし、字を書く練習をさせるか。他の村もだけど、完璧に字が書けて読める人って少ない。言葉で足りてしまっているのだ。でも、必要になるときがいつか来るから、字の習熟度100%を目指す。

 同い年以上には、掛け算割り算まで行ったし、図形についても教えてもいいかもな。立方体は、木を切ってきれいな形にする練習がてら、模型を作るか。



 食事当番が済んだ後、直方体から作るかと考えていると、ガイが珍しく話しかけてきた。



「食事も終わったら、広場」

「え、何で?」

「それは内緒。実際に見たほうがいいよ」



何か言おうとしたガイの言葉を、隣にいたトトがさえぎった。実際に見るって、何だろう。ガイついに、木のてっぺんまでジャンプで行けるようになったのかな。あれ大人でも難しいのに。気になるので、器や食器を急いで洗って、広場に行った。


 広場につくと、ガイや他の友達が待っていた。



「おやっと来た」

「お待たせ。それで、ガイどうしたの?」


ガイが、こっちに向かって手を出して、フーンと呟くと風が吹いた。


「ガイも魔法使えるようになったの?」

「ああ」



 ほんと、ガイ『も』魔法が、使えるようになったのである。私は土魔法と進化してから追加で風魔法。トトはウォームが使えるので、火魔法。最初は2人しか使えなかった。それから、5歳を過ぎてから、ザシィは風魔法、ドドイは土魔法、ムグとナグは水魔法、が順に使えるようになった。

 その後、何か出てよとヘルデが叫んだら、眩しい光の玉が出せるようになった。おそらくこれは、初級魔法書の最後に、『光魔法と闇魔法については、次巻で解説します。』と、書いてあったので、これがおそらく光魔法の初期の初期だろう。


そして今、ガイまで風魔法が使えるようになった。これで、私の友達は、全員魔法が使えるようになった。これは異常だ。大体女子が使えるようになって、3分の1程度しか使えるようにならないのに、全員だぞ。10割ぞ、何が起きてるねん。私が進化したからか。でも、本にもそんなこと書いてなかったし、私の加護のついていない人もいる。それに私の加護だったら、最近印が出た、パパも使えるようになってなきゃいけない。



「どういうことだ。なんで全員使えるようになった」

「使えるようになったのはうれしいけど、何でみんな使えるようになったんだろうね」

「ミアにもわからないか」



他の子にも聞いても、思い当たらないという。ここにいるみんなだけの、他の人にはない共通点が何かあるのかな。みんな同じ生活してるし、寝起きもほぼ一緒。食べてるものだって、私がヨモギをたまに食べてるだけで、食堂でみんなと一緒に食べてるしって。



「あ、」

「なにか思い当たるものあった?」

「筍かも」

「「「あ~」」」



 筍は、ここにいるみんなしか食べてない。他も考えるが、それぐらいしか思い当たらない。使えるようになった順番も、食べ始めたりよく食べてた順だもんな。



「筍食べたぐらいで、魔法使えるようになるもんか?」

「どうだろう。まだ筍が、原因とは決まってない。確認のためにも、実験しないと」

「じゃあ、下の子に食べさせてみれば?」

「下の子は、まだ自然に使えるようになっておかしくない時期だから、筍のおかげかどうかわからないよ。試すなら、5、6歳になってからかな」

「あと3年か」

「長いね」

「大人に食べさせるのは?」



 大人に試すか?。おいしいから、このあたりから竹がなくなりそうなんだよな。考えて取ってくれるかな。みんな、おいしい物には目がないからな。うーん、下の子が、大きくなるまで待つか。みんなで、あーだうーだ言い合っていると、ババ様のほうからホーンがやってきた。



「今日、筋トレ入れてください。て、みんなどうしました?」

「いたわ」

「み、みんな、そんなに見てどうしましたか?。僕の髪に、葉でもついてますか?」


 魔法が使えなくて、ほぼ同年代っぽい子いたわ。


「一応確認だけど、ホーンって魔法使えないよね」

「はい、そうですよ。それがどうしました」

「実験に、手伝ってくれないかな?」

「僕にできることであれば、協力しますよ。なにをやればいいんですか?」



 かくかくしかじか、ホーンに事情を教える。甘いものも好きだというので、協力してくれることになった。これで、違う種族でも効果があるのかも、ワンチャン調べられる。これで確認が取れたら、下の子が大きくなったら、とってきて食べさせてあげよう。

 その日は筋トレは中止して、筍を食べにいった。食べ終わった後、新しい記録を木盤に書いた。これから毎日ホーンには、魔法が使えるか試してもらう。筍は、1週間に1回食べてもらうという条件で、実験が開始した。ホーンも魔法が使えるようになるといいな。

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