#6 夢と魔法の遠足-1
あれからボクは、普通に学園生活を送った。なるべく超能力も封印した。軽音部のファーストライブに向けて新入生四人組で一致団結したし、いいライブを作り上げよう。
そして明日は、ボクにとって少しばかり楽しみな行事である。それは学年遠足。行き先は夢と魔法の国だ。因みにボクの住むリバティマンションは新浦安の一角にあるから近足だな。何故楽しみかって?決まってる。キャラメルポップコーンがあるからだ。ボクはそれを食べるために今までで合計25回は行ったな、TDL。
それはさておきボクには意外にも妹がいる。二つ下の中学二年生で、厨二病の全盛期だ。遺伝なのか、妹もESP養成学校に通っている。容姿はというと、髪型はボクの髪の毛をそのまま伸ばした感じ。顔もボクとそっくりだ。背丈はチビ。150あるかないかってとこか。今更感があるが、ボクは気付いた。柊念とカップル成立するな。
軽音部の練習を終えて帰宅する。
「ただいま」
「久しいな、ダークドラグーン」
お前柊念?てか今朝元気に抱きついてきたのはお前じゃないか。正直引くわ…。
「ども5時間ぶりだな」
「その反応は奇々怪々だ。さてはわたしに気惚れしたのか?」
目星ちゃんに気惚れしました。さてと、明日は柊念と瑠車が同じ班だ。因みに目星 美喩と根岸が同じ班か。あと一人は誰だっけ。
ボクは次の日が楽しみだと前日オールしてしまうという難癖の持ち主だ。今夜は軽音部のグループ通話にでも参加しよう。無論聞き専だが。
…ここは?誰かの家?にしては綺麗すぎるし何故かボクの写真が飾ってある。
「隆斗…くん!ほら飛びついて!ほら!」
なんなんだこれ。まぁ目星ちゃんに言われて飛びつかない奴なんてそうそういないから飛びつくとするか。ボクはベッドで受けの姿勢をとる目星ちゃんの上に飛びついた。
「…好きだよ!」
「ボクも」
とその瞬間、ボクは目を覚ました。夢か。
寝落ちしてしまった。変な寝言とか言ってなけりゃいいんだけど…。しかしスマホの画面を見るともう一人だけ通話に残っていた。他クラスの人か。nemyna…?女子かな?よし、
「ねみな」
応答しないのか…。てかボクは何をしているんだ?
「だれ?」
応答した。
「舞崎」
「舞崎ってあのギターボーカルの舞崎くん?うそ」
そうだよギターボーカルの舞崎くんだよ。
「う、名前をもう一回呼んでください」
ちょっと何言ってるのかわからない。
「ねみな」
「うー!ありがとです!あ!」
切れた。親フラかな?
よし朝だ。支度は完璧だしリーブホームするか。早くでたお陰なのか家族に絡まれずに済んだ。
「ダークドラグーン!」
お前かよ。因みにガイアの長とはテレパシーで会話できる。何故なら超能力者のネタバレがしてあるからだ。ただ傍からみたら一方通行だが。
「貴様昨日イビキ酷かったぞ!」
寝言じゃないならいいや。てかお前こそ独り言やばかったやん。
「オレの独り言は戯れ言なんかじゃねェ。日々のガイア種族との暗号会話だァ。」
じゃあオッパイ揉みたいとかも暗号なのかよ。
「それは…独り言」
戯れ言な。
いやぁ夢と魔法の国は本当に近い。したがってキャラメルポップコーンもすぐそこなのだ。てか集合場所何処だっけ?柊念。
入場口の隅っこか。おっ無力先生だ。私服ダサいな。目星さん、神々しい。根岸、チャラい。瑠車、なんだそのFPSみたいな格好は。因みに柊念の私服のセンスは悪くない。黒のミディアムサイズYシャツに白いスリムジーンズというコントラストコーディネートをボクは気に入った。まぁ柊念と瑠車とは散々私服で遊んだから雰囲気は分かってるんだけどな。
「愚民ども…今日はよろしくな。」
言うてチェックポイント以外班は関係ない。今回の学年遠足の目的は学年間でのコミュニティの輪を広げることだからな。ボクは最初の召集を終えたら即ポップコーンへ向かう予定だ。
「よろしくぅ。てか舞崎君の私服結構イケてるじゃん」
少なくともお前よりはな。
「隆斗はファッションリーダーだからな!当然だぜ」
ボクはギターボーカルだ。てか目星ちゃんは何処だ?いた。神々しすぎて他校の男子にまでも注目を浴びるとは…。
「それでは、自由行動始めていいよー。」
無力先生の合図とほぼ同時にボクは近くのトイレの個室に移動、テレポートでポップコーンショップの一番近くのトイレに到着。あ、女子トイレだ。透明化。
「あ、えーと…」
まずい。既にバレてたか。こうなったらマインドコントロールしかない。ボクが女子だと思い込ませておいた。
なんとかポップコーンショップに辿り着いた。行列は4人か。楽勝だぜ。
「あ!あ、あ」
何故3回。他クラスか、行動開始が早かったのか!
「舞崎くん」
ん?何故ボクの名を?
「私は特進クラスの芦原 音聖です。あの、軽音部ですよね?」
なるほど、ボクの厄介か。
「うん」
キャラメルポップコーン。
(会ったことあるのに話せない自分が憎いっ…!)
全部聞こえてるぞー。
「舞崎くんもこ、ここのポップコーンを買いにきたの?だったら舞崎くんの分も奢るよ!」
(これで舞崎くんの好感度を上げて…あのクソ目星から奪ってやる!)
好感度あげんし、目星ちゃんはクソじゃなくて神だよ。あと逆にボクが奢るから先に食わせて欲しい。
「奢らんでいいから順番変わってほしい」
落胆すんなし。
「…。」
絶句すんなし。
「わかりました。」
物分りがいいじゃねぇか。お小遣いやろうか?
「でも!私の気持ちは変わらないから」
うーん、セックスさせてくれたら考える。
ボクは一応その音聖って子と柊念を誘ってその後の行動を始めることにした。因みに柊念の脳内は凪那の笑顔で溢れている。
「だからオレは凪那なんて酢豚知らねェ」
流石に酷いだろ。せめてもの養殖鯰。
そういえば五日後はGWだったな。厄介な親戚が勢揃いする地元に帰省するらしい。ボクも強制同行だ。
次回「夢と魔法の遠足-2」




