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舞咲の花  作者: まっし
4/12

#4 強豪!軽音部

凪那さん、ボクは引き続き厨二病なんです。

「ねぇ聞いてるの?」

聞いてないです。

「ねえってば!」

「ん?ま〇こ?」

おっといけね、咄嗟に思い浮かんだワードがそれだった。

「てか大体なんでその…ダークドラグーンは」

ダークドラグーンのとこ消すの忘れてた。

「その隆斗くんはなんで私のことからかうの?私なんか変?」

変じゃないけどからかいやすそうだから。

「ねえ!無視とか駄目!無視すんな!おい」

怖くなってきた。

「はい」

「はいじゃねーよ!いやそのなんでかって…」

髪の毛跳ねてますよ。うーんどう言うか。馬鹿正直にからかいやすそうとか言えないな。

「かわいいから」

あ、間違えた。それ目星ちゃんに言うはずだったんだわ。

「か、かかか?か?」

「ごめん間違えた」

「は?」

いやぁ面倒だな。早く柊念達と一緒に近くのショッピングモールに新しく出店したキャラメルスイーツ専門店に行きたい。すると、

「ようスポーツマン!どうかしたか」

救世主きた。てかスポーツマンじゃなくて音楽家です。瑠車は凪那さんの方を見ると、

「お前コイツのこと好きなのか?」

「違う!」

瑠車ナイス。あとは頼んだぜ。

「これはこれは無属性の凡人傭兵ではないか。オレの下僕となりやがれ。オレはガイアの長。」

たしかに無属性って感じだな。

「下僕…なんて酷いよ!」

わかる。

「酷いだとォ?このオレが仲間にしてやるっていうのに凡人無勢がその態度とは…まるで下克上だなァ。」

信長は今川義元に圧勝するのな。まさにこれだ。

「あなた、へ、へ、偏差値いくつなの?ほらX模試の」

ドヤるな。

「ふっ。見たまえ。75.2」

スゲエ。てかなんでそのリザルトシート持ってんだよ。

「じゃ、じゃあバイオリズムやってるんだよね?ガチマッチ勝負!」

それならボクがリアルタイムでみてたぞ。

「こないだガイアの長として愚かな君に圧勝したじゃないか。ザマァ」

「…っ!」

流石は柊念。ボクが認めた秀才。とりあえずボク達は先を行こう。次の自由時間に部活動の入部があるからな。

「ちょ、ちょっと…!」

「傭兵達よ、行こう」

柊念の行動力によってボクは救われた。ただ瑠車は浮かない顔をしているな。


教室に戻ったボクは、柊念を誘って軽音部の部室へと向かう。瑠車はサッカー少年と一緒にサッカー部に入るらしい。軽音部の部室は、ボク達の教室と同階層の9階の別館にある。重厚な防音扉を柊念がノックする。

「すいませーん、軽音部はこちらですか?」

甲高いショタボで柊念が呼びかけると、

「ここだよ。入って。」

と中から女子の先輩の声が聞こえた。ボクが先に扉を開ける。中は結構広い。ドラムも数種類あるしなんといっても備え付けのギターだけでアコギからエレキギターまでたくさん揃ってるな。凄い。ボク達が入ると、その先輩が明るく迎えてくれた。

「へぇー。音楽は初めてじゃなさそうだね」

腐るほど音楽に専念してます。

「私は部長の目星(めぼし)弐音(にお)。んーまぁ新入生に妹がいるから下の名前で呼んでくれていいよ!」

目星ちゃんの…姉っ??!

「よろしくお願いします。因みにボク達妹さんと同じクラスです。」

「へぇー。じゃあ仲良くしてやってね。あー見えて結構人見知りだから。」

「「人見知りなんですか!」」

そうには見えないな。んで、色々話を聞いたり入部手続きをしたりした。熊名軽音部は部員総勢12名で、全国に出場するほどの強豪だそうだ。それに比例して楽器の量や質、さらにはミキサーまで本格的なものばかりだ。ボク達は帰ろうとした。すると、

「…軽音部に入部したいです。」

まじかよ。てか連れもいるし。いや凪那さんが連れられてんのか。

「「あ」」

「「あ」」

ボク達は気まずいから退室しようとする。

「舞崎くん堂春くん、新規がきたからちょっと待って!」

はい…。

凪那さんを連れているパリピ女子(例の瑠車が好きな人)はボク達をみてにっこりしてくれたから仲良くなれそうだったけど凪那さんは照れてるから一概にいいとは言えない。


「ほらほら皆、軽音部新一年生として仲良くしよ!」

弐音先輩が席を離すとパリピ女子(根岸っていうらしい)が話を切り出す。ボクは柊念と部長とは仲良くなれそうだ。

「うるせーよ、愚民。」

始まった。

「てかアナタ、声かわいいよね!」

それな。

「んなっ!か、かわいくねーし…」

柊念が照れた!

「ねえ、ガイアの長くん…はボーカルとかやるの?声かわいいし」

おっ?

「かわいくねーよ!でもオレはボーカルに命を捧げてきた男だ。もちろんやるならボーカルがいい。」

頑張れ。それだけ。

「アナタは?結構かわいい顔してるじゃん」

ボクか。よく言われるな。

「楽器ならなんでもできるし歌もそこそこだからどこでもいいよ」

「へぇー。なんか下北沢って感じ」

それは自分でもそう思う。

「おい、凪那は歌とか歌うの?」

ボクは攻める。

「…歌う」

おー。

「今度こいつらも連れてカラオケ行こうよ」

「それいーね!」

流石パリピ。話が分かってるな。

「そいつが…やだ」

ボクもやだだ。

「こここのガイアの長に向かって無属性無勢が拒否だとォ?ふざけるんじゃねェ!」

喧嘩とかしなさそうなイメージの柊念がいきなり凪那の首元を掴み壁に押し付ける。流石に止めるか。よっと。

「うごォ」

柊念ぐらいなら超能力を使わなくても対応できる。肩を引っ張ってどけただけだ。

「ほらほら、け」

あ、助けたのは凪那さんか。目星ちゃんじゃないのか。

「お前もいい過ぎなんだよ。謝れ。」

根岸さんは黙って見ている。

「だって」

涙目っぽいな。まずい。

「そうだ!このガイアの長に謝れよォ低能」

うーん、凪那さんに救いの手を差しのべるのには気が引けるけど今回だけは手を貸してやる。

「ひどいよ!ガイアの長ひどすぎ」

そこは柊念っていえよ。仕方ない。

「う、ううん。ボクは今回だけは今回だけは今回だけは柊念がやり過ぎだと思うぜ」

てか周りに人がいるな。まずいな。

「な、何でだよ」

「お前声がかわいくても女の子を泣かすのは良くない。さぁそのかわいい声で謝るんだ。」

「かわいくねーよ!でも…」

でも?

「ご、ごめん。」

部室の外から拍手喝采。ボクは目立ちたくないから歓声の隙間からテレポートで逃げた。ごめんな柊念、囮だ。


次は初めての授業だ。騒動は一段落着いたし、キャラメルマキアートでも飲みますか。ん?ない。ボクが今日買ったスタバのキャラメルマキアートが…ないっ!そんなことはありえない。落ち着くんだ。あ、凪那が帰ってきた。その手に持っているキャラメルマキアートにはボクの名前がスタバのお姉さんの文字で書かれているろう?凪那。


「か、返して欲しけりゃご、ごくん。」

唾飲むなし。

「今日の昼飯…奢りで連れてって。」

そういえば今日は午前授業だったな。

「だが断る」

「じゃあ飲む!」

凪那はボクの大切なキャラメルマキアートに口を近づける。

「やめろぉぉおぉぉぉぉおぁぉぉおぉぉぉぉおっ!!!!!!」

ボクは我慢しきれずに脚力増強を使って強引にキャラメルマキアートを奪還した。だが…、ボクの大切なキャラメルマキアートのストローが…。


凪那の奴の唇に触れてしまったのだ。絶句。

次回「無力先生」

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