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舞咲の花  作者: まっし
11/12

#11 白熱!新人ライブ

7月。期末テストが近づく中、ボク達の所属する軽音部ではある大きなイベントが存在した。それは新人ライブだ。それもここ、世田谷区一帯の都立や私立の高校の軽音部が一斉に集まる。ボクの演奏は完璧を期しているからまだしも、ヘタレ新入生達は今までに増してスパルタレッスンを受けていた。

「お疲れ様でした!」

やれやれ、今日のレッスンは終了か。ボクと柊念は逆に教える側にされたからとても疲れている。

「ちょっと待って、隆くんと柊くん。」

その愛称はやめて欲しい。

「どうしましたし?あ、どうしました?先輩」

盛大に誤字る柊念であった。

「ライブにあたってなんだけど、曲ごとのパーティが決まったの。見てくれる?」

「「はい」」

ん?ボクと音聖と根岸と愉快な仲間たちか。悪くない。

「じゃ、私は帰るからLINEとかで皆に伝えといて!」

LINEか。実にモダンな連絡手段だな。

「なァダークドラグーン、軽音部もそうなんだが期末テストの勉強をしなければならねェ。オレの親は点数に厳しいからな。よかったら今からスタバ行って勉強しようぜ」

いいだろう。


ボクは柊念とキャラメルマキアート目当てでスタバにきた。そして約束通り期末の勉強を徹底した。うん簡単すぎてつまらん。


当日。ボク達は熊名学園前で待ち合わせ、会場の下北沢バンドホールへと向かった。

「今日のライブ、目星ちゃんがきてくれるらしいぜ。燃えるな!」

ボクも萌えるよ。

「終わったら皆でカラオケだね!」

パリピ女子はそれしか頭にないだろ。

「バンドリーダー、頑張れよ」

そう、ボクがバンドリーダー。勝手に決められた。

「隆斗くん頑張ったらキャラメルアイス奢ってあげる!」

よし、本気で行くぜ!


下北沢バンドホール。毎年行われる世田谷軽音部一位決定戦や、時折大物から中堅歌い手のライブも行われる。だからボクはここにかなり馴染みがあるのだ。一応ボクも俗に言う中堅歌い手なのだが、ここでのライブは初めてである。

「ふむ、ボク達は鮭姓(けいせい)の次か。全く恥ずかしさがないな。」

「「「「「たしかに」」」」」

東京都立鮭姓高等学校。ボク達の通う熊名とやけに名前の関連性があるが、軽音部自体完全といえるほど似たりよったりなのだ。噂によると新入生のバンドリーダーはニポニポ動画の歌い手で舞リスト数は多くて10k。そっちの世界にも似たような以下略だがそれだと思って頂きたい。それだと思って頂きたい。

「よ!オレ達今からだからちゃんと聞いてろよ」

あっそう。

「オレ超ニズム15.02だからさ!」

あっそう。

「ほら!キャラメルアイス奢るよ」

ダブってる。

「釣れないなァ。ア、このガイア=ヴレエールによる驚異の演奏を皆さんに届ける役目がきたようだ。またな」

グレードアップしてないか?


質問です。ガイア=ヴレエールは果たして驚異の演奏を皆さんに届けることができたのか?

答えは皮肉にもYes。柊念率いるパーティには錘がないのだ。全員が全員驚異の演奏を届けたから自然と柊念も懸念のない演奏ができたという理論に至る。


「隆斗くん、次だね!」

そしてこちらには厄介がいる。こいつだ。

「隆斗くん」

なんですか?

「私はまだ本気をだしていないだけさ。」

柊念病だ!急いで黄色い救急車を。

「隠していて悪かったな。私の正体を明かすときがきた。」

『続いては都立熊名高等学校後半組の演奏です。』

正体早く言え。

「厨二病さ」

自覚すんなし。


普通に成功した。唯一の悔いはMICROSinMACROSのサビでテレキャスターの弦をぶちぎってしまったことだったが、復元能力で即座に復元したためバレなかった。あとは本気をだした音聖が途中で腹痛に襲われたことと、愉快な仲間一人がコーラス一オクターブ上げてしまったことや根岸さんのベースの音量が凄まじく上がってしまったことがあった。成功だ。成功だ。


まぁ色々あったがボク達は無事ライブを成功させた。音聖の餌付けを楽しみに電車に搭乗する。

「ごめんなさい、お腹痛いからアイスは」

復元能力。

「今日塾あるんだよねー」

(あ、今日塾休みだった…)

おいコラ。

「夕方にメルキャラが歌ってみた上げるから全裸待機なんだよねー」

それボクなんだけど。てかどんだけケチりたいんだよ。金はいいから店紹介しろ。

「はいすいません…」

「バイトしろ!」

「昨日クビなったから今フリーランス…」

フリーランスって無職って意味だっけ?


ふむ、ここが巷で有名なアイスショップか。キャラメルアイス担当のパティシエは綺麗なお姉さんか。店内にゴキブリはいないな。免震構造か。今日は雨も降らないし目立った事故は起こらない。

「詳しいね」

ボクを誰だと思っている?

「ダークドラグーン」

やっぱ黄色い救急車だな。

「二名様ですか?相席でよろしければすぐにご案内できますが」

「何故それを聞くんですか?」

「そのお相手が…」

ん?誰だ?

「お、スポーツマン。そいつ誰?彼女!」

何時間でも待ちます!


結局30分ぐらいで席が空いた。キャラメルアイス・ニューヨーク。ニューヨークやけに多いな。割とボリュームがある。ボクは胃袋に自信があるからいいけど、そこの厨二病はどうだろうか?

「別腹!」

定型文か。しかし相変わらずキャラメルスイーツは美味いな。結局割り勘でボクは数十回お代わりをした。音聖の全力の謝罪で出禁は喰らわずに済んだ。感謝。


さて、明後日から期末テストだ。勉強の必要はないが心の準備をしておこう。今日はもう帰って寝るか。


「お!ダークドラグーン、今から打ち上げだ!こい!」


は?


「下北沢のカラオケBINBINな。」


ボクはPUNPUNな。


次回「世紀末テスト」

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