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賑やかな二人の到着

「茜、翔太、おまたせ。さすがに駅前なら私も迷う事はないからな。ここは気が利いたいい待ち合わせ場所だ。まあ、綾乃が一緒だから迷う事もないんだけどな」


 相変わらず里奈は騒々しい。


「来てくれて賑やかになったよ。しかし、お前はいつでも制服なんだな。里奈」

「制服ならコーディネートとか関係ないからな。バイトとはいえモデルをしている私が趣味の悪い服を着るわけにも行かないだろう。はっきり言って私は服のセンスが悪いからな。良くないなんていう話ではなく、最悪だ。それに、制服はプリーツが入っているから万が一の格闘時も蹴りの邪魔にならないという利点もある」


「勇ましい女の子……だな」


 西御門さんは少し呆れた表情で僕を見る。


「えーと。初めまして、ですよね。私はここにいる里奈や茜と同じ学校に通っている綾乃という者です。あなたは……?」

「お、君はちゃんと自己紹介から入れるんだな。俺は西御門だ。どうやって自己紹介したらいいのか悩む所だけど、茜さんの友達の美咲さんっていう子が行方不明になったとかで、十二所に呼び出されて、そこで翔太君と知り合いになったんだ。今は目的自体は、ほんの少し違うのかも知れないけれど、いや、目的は同じかな。動機は全く違うのだけれど、君たちに協力ができればと思っている」


「十二所さんって、『nest of moth』の店長さん? その知り合いっていうわけなのだな」

「知り合いっていうか、客……かな。今は出入り禁止になっちゃってるけどな」


「ん。出入り禁止の常連……翔太、今回は私が時間を稼ぐ。心配ない、こんなやつ一撃で気絶をさせられるぞ。早く逃げる準備をするんだ」


 構えをとった里奈は西御門さんに構えを崩さずににじり寄る。


「立ち上がるんだ。応戦なら受けて立つぞ」

「ちょっと待って、里奈。茜も翔太さんもリラックスしているから。別に拘束もされていないし、いつでも逃げようと思えば逃げられる状態だし。それに協力してくれるって言っているし」

「しかし、綾乃。店長があれだけ警戒していた人物だ。なにかあるのかも知れない」


「大丈夫よ、里奈。西御門さんは敵じゃないから。それに、彼なしにはこの先手詰まりになってしまうから」

「そ、そうか。茜が敵でないと言うなら間違いないな」


 里奈は構えをほどく。


「私は里奈。ここにいる茜と綾乃、それから美咲のクラスメイトだ。趣味は空手、特技はモデル……」


 里奈は話しながら笑顔で西御門さんに握手を求める。こいつは新しい人物と出会うたびにこんな事をしているのだろうか?


「二人とも座ってくれるかな、今までの事を話すから。それから、今後の事なんだけれど」


 茜は夜の暗がりに点滅をし続ける、色とりどりのネオンサインをバックに話し始めた。

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