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第二の選択

 茜は、怪訝な目で僕を見つめる。


「結局、犯罪は避けるのね。夜に店長さんの店に侵入できないなんて残念だわ」

「犯罪は出来る限り避けましょうよ茜さん。僕たちには将来があるんだし」

「私にはともかく、翔太にもあるのかしら。将来は誰にでも公平に訪れる訳じゃないんだけど。例えば、帰り道に翔太だけ事故に遭っちゃうとか」

「平気で人を死なせないでくれる? っていうか、殺さないでねお願いしますから! とにかく、最終手段はもう一人を当たってからだ。不法侵入なんていう犯罪は出来る限り避けないと」

「まぁ殺さなくても……翔太の将来を一つずつつ潰していくのも面白そうなんだけれどね。まぁ、それは計画だけは練っておくことにするから。ところで、『もう一人』って、誰よ? それ」


「計画、練るのかよ! と、もう一人の所有者は、西御門さん」

「出入り禁止の常連さんね。確か危ない人じゃなかったっけ。ま、いいけど。で、連絡先、知ってるの?」

「知らない。でも、会える方法はありそうな気がするんだ」

「店長に頼む?」

「いや。教えてくれるとは思えないよ。相当嫌っているからね。でも、店長との会話の中に、『美咲さんは18歳未満だからメイドカフェくらいしか紹介できないからお金にならない。危険を冒してまでそんなことしない』みたいな事を行っていたのを聞いたんだ」


「なによ。それ。まるっきり犯罪者の考え方じゃない。女の子をなんだと思っているのよ」

「そういう所は真面目なんだな……って言うか、そこじゃなくって、注目するのはメイドカフェだよ。この近くには一件しかない」

「一件だけなのを知っているって……翔太、そんな所に行っているのね……」


 明らかに軽蔑の視線だ。


「いや、行っていないから。小遣いそんなにないし」

「小遣いがあったら行くんだ。へぇー。そういうのが好きなら、言ってくれれば私がそういうの着てあげるのに」

「それ、いらないから。ツンデレのメイドって、キャラが複雑すぎるし。それに僕が言っているのはメイドカフェと西御門さんが繋がりを持っているっていう事だよ。紹介できるっていうのはコネクションがあるっていう事だから。そこに行けば連絡先を教えてもらえるかも知れないでしょ。この辺には一件しかないんだから特定はできている。場所は……行った事はないけれど、調べれば分かるし」


「そういう事ね。まぁ、最初から半分は分かっていたけれどね。でも、そんなに簡単に連絡先を教えてもらえるのかしら。まぁ、翔太がそう言うなら……これから行ってみる?」

「うん。そうしたい」

「但し、私がメイドカフェに潜入したとしても、猫耳は付けないからね、期待しないでよね」

「潜入とかいらないから。それに、そういうの全然期待してないし!」


「駅の向こう側だったわよね、確か。翔太が知らないなら私が案内するから」

「って、知ってるの? で、茜さん、なんで君がそんなに詳しいの!」


 茜は謎の笑みを浮かべた後、組んでいた腕をほどいて僕の先導をする。


「駅を抜けるよりこっちの方が早いから。ついて来てね」


 茜のキャラが、だんだん分からなくなってきた。



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