料理で一本
男は鍋を取り出すと、そこに水を数カップ。昆布と削り鰹を適量入れる。
鍋に火をかけると、具材を取り出す。大根、じゃがいも、こんにゃく、玉子、がんも、厚揚げ、牛すじ、餅入り巾着。
大根の皮はすでになく、隠し包丁を入れる。同様にこんにゃくにも切り込みを入れた。
玉子はすでに茹でてあり、殻をめくりとる。めくりとったものから、水を浸したボールに入れていく。
じゃがいもは蒸したところで、鍋が沸騰しそうになる。
それを確認した男は、昆布を鍋から取り出す。しょうゆ、みりん、塩を適量。用意した具材を投入。適宜、火の強さを調整。
男は「よし」と頷く。
鍋に蓋をして煮込む。
しばらくして、鍋から白い湯気が立ち上り始めた。
男は鍋の蓋を取り外し、満足そうに笑う。
「出来た」
彼の晩御飯はおでんである。冷える冬の夜には体を芯から温めてくれる食べ物だ。
関東風の出汁が滲みた大根は箸で摘むと、崩れそうになる。
湯気が立ち上るそれを男は口に運ぶ。
「あっつ!」
火傷には注意だ。