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4-4.報告

「そっか、とうとう言ったんだ。」

「まぁ、なんとか。」

「二人ともお酒の力を借りないとダメなんてねぇ。」

「いいじゃないですか、ようやく最悪の呪縛から解かれたんだから。」

「なにそれ。」


OB会からほどない金曜日、大学近くのカフェに集まっているのは康祐こうすけと親友の渡辺洋わたなべひろし、そしてOGの立花めぐみ、笠間好恵かさまよしえ鈴木香織すずきかおり

OB会で泥酔して先に帰ったことを洋から聞いためぐみが、心配して康祐にその後のことを聞き、驚きの展開に思わずみんなに声をかけてこうして集まったのだ。

当人の果那かなには声をかけていない。


「呪縛って何?」


好恵の質問に洋が答える。


「幼馴染っていうことが互いの中で想像以上の壁になっていて、普通の友達みたいに会ったりすることも出来なくなったりすること。すごく近くて仲良さそうに思えて、実は遠い存在だったりする。そうだろ?」


言われた康祐は苦笑した。


「確かに、よっぽどの用事が無きゃ電話もメールもできなかったよ。」

「だからサークルで集まってる時にはできるだけ一緒にいたかったんだね。」


めぐみが納得して頷いた。


「ただ好きだから傍にいるっていうだけじゃなくて、幼馴染の壁を壊すのに必死だったんだね。」

「なんか大げさで恥ずかしいよ。」

「大げさなもんか、一体何年かかって告白したと思ってるんだよ。俺も同じだけお前のことずっと心配してたんだからな。」


今日の洋は康祐以上にほっとしているような、晴れ晴れした表情をしている。


康祐はふと、窓の外に目をやった。

外は薄曇りの白っぽいグレーだった。


「やっとこ告白して、ちゃんと聞いてもらえたからって、上手くいくわけじゃないからさ。」

「そんなの、わからないでしょ。」

「そうよ、告白までに相当かかったんだから、返事だってゆっくり待っていようよ。」


香織が生クリームたっぷりのケーキを口に運びながらにっこりと言う。


「香織先輩に言われると、なんか果報は寝て待てって気持ちになるかも。」

「そうそう、美味しいもの食べて、のんびり待ってればいいのよ。」


香織の言葉にみんな笑った。

でもみんな、わかっていた。

果那は長谷川暁とやり直したいと思っていることを。


「ところで、渡辺君は彼女いるの?」

「へ?」


好恵が話題を変えると、めぐみは吹き出した。


「好恵、神崎君とか松井君じゃなかったの?」

「神崎君はあっちこっちで遊んでるって噂なのよ。松井君は中村君と一緒で、果那でしょ。」

「だからって、好恵、もう少しよく考えたら?」


あきれるめぐみに好恵は平然と答えた。


「だって、今日の渡辺君ってとっても爽やかじゃない?」


康祐も笑った。


「確かに、今日の洋はそう見えるよ。好恵先輩は鋭いっすね。洋は俺のこと本当に心配してくれていたから、今日はすごくほっとした顔してる。」


洋は当惑顔で康祐を見た。


「果那ちゃんに振られるとしても、一番いい形で気持ちを言えたと思う。ありがとな、洋。」

「康祐・・・」


二人が肩を叩きあっているのを見て、好恵はつまらなそうに肘をついた。


「あーあ、男の友情には割って入れないわ。」

「好恵はあっちこっち手を出しすぎるのからどこにも入れないのよ。もう少し落ち着いてみたら?」


めぐみが呆れて言った。


「そうなのよねぇ、誰かのちょっとした仕草とかいい表情を見ると、私好きかも!ってすぐ思っちゃうのよねぇ。」


「じゃあ私の彼には会わせないんだ。怖いもん。」


香織が言う。


「そういえば、香織の彼ってどんな人なの?」


そのうち、話は四方八方に飛んでいくのだった。


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