試設定 私が夫を殴っても罪にならないようだ
ーーあらすじ
貴族令嬢のチェスティスは、嫁いだ先で夫を殴り倒していた。
その行為は、罪にはならない。
なぜなら夫は、竜になる呪いをかけられていたからだ。
呪いの発動によって、竜になってしまった夫を殴り倒し、元に戻したチェスティス。
彼女は普通の令嬢と違って、言葉で話すより拳で語るタイプだった。
そのため、幼い頃からのケンカで鍛えられた拳の力は竜をも圧倒するようになっていた。
そんなチェスティスの拳に倒された夫はロンバルトは彼女にお願いする。
自分が竜になったら、もとに戻してほしいと。
竜にならないための訓練をずっと前からしたかったが、止めるものがいなくて困っていたのだと言った。
その頼みをチェスティスは引き受けたため、次の日からさっそく特訓がはじまった。
どんな状況にも動揺しないようにと、様々な状況にロンバルトを放りこんでいく。
野盗退治につれていったり、無人島で生活してみたり、お化けの仮装でおどかしてみたり。
チェスティスに殴り倒されながらも、少しずつ克服していくロンバルト。
弱音を吐くときもあったが。
誰かのために苦手を頑張る姿を尊敬する、というチェスティスの言葉に励まされ、なんとか竜の姿にならない方法を見つけたのだった。
――章構成
01 暴れ竜
02 夕食の卓
03 特訓をしよう
04 感情を制する
05 どの口が言ってるんだと
06 じゃあ二人で頑張ろう
07 からかわれたから殴った
06 三歩進んでなんとやら
07 諦めない
08 頭悪いから
09 小さな成果
――人物
〇チェスティス 貴族令嬢。しかし、らしからぬ人間。言葉で話すより、拳で話すタイプ。好きな食べ物は塩をふった肉。
〇ロンバルド 貴族。動揺すると竜になってしまう。臆病だが、勇気は若干ある。好きな食べ物は、豚肉と牛肉を使った肉まん。
〇ブタタロウ ロンバルトのペット。飼い主は犬だと言いはっているが、どう見てもタヌキ。全てがややこしい。怪我をしている所を保護された。竜の姿になったロンバルトのせいで、親を亡くしたと思われる。