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第13話 一線を越えてきた夜月の局員を、妖術で撃退

 皆と無事に合流した後簡単な事情聴取を受けてから警察署を出発して、キャンプに必要な物をどこのアウトドア用品店で買うのか、岡本さんとメガネの男が相談していた。


「それで、これからどうするの岡本(おかもと)君? 多分アルテマはしばらく休みだろうし、あそこ以外で近いアウトドア用品店と言えばエルバノしかないよ」

「出来れば行きたくねぇんだがな。かといって何時間も掛かるような場所に遠出したくないし……」

「君の気持ちは解るけど、そこ以外で品揃え良いところとなると家からかなり時間の掛かる場所にあるチェーン店しかないよ?」

「はぁ……仕方ねぇ。エルバノ行くか」


 恐喝集団との戦闘の影響でほぼ半壊したアルテマでは、買い物しようにも出来る訳がない。その為ここから一番近いエルバノで買うことになったのだが、バイトの女子高生に仕事を丸投げしたり客の時間を自慢話で潰しにかかって来るような糞店主が居る店と聞いているので、若干の不安を覚えてきたが仕方ない。


 そうして車で走ること15分、運転している岡本さんが不意に口を開いた。


「ところでさぁ、さっきから何回も道を曲がったりしてんのに後ろをついてくる車が同じなんだよ。これってつけられてねぇか?」

「本当なの? だとしたら誰に……」


 岡本さんが言ったのを聞いて、なんとなく察した俺は後ろを見てみる。すると案の定、アルテマの駐車場で神林警部に警告されるまでしつこく取材を申し入れてきた、夜月テレビ局の人が乗ったワンボックスカーだった。

 警察署を出たら面倒くさい事になりそうだなと思ったら本当に面倒な事になってしまった。良く考えたらその時フラグ立ててたかも知れない。


「本当に来ちゃったよ……」

「ん? どうした灼狐」

「あのね……」


 合流する前、アルテマの駐車場で起こった出来事を全て父さんたちに話した。


「なるほど。さっきからしつこいほど後をつけてくる車は灼狐狙いか……」

「なんかごめんね」

「いや、俺たちは全然気にしてねぇよ。アイツらが粘着してくるのが悪いだけだろ」

「まあね。あと灼狐ちゃんの話を聞く限り夜月テレビ局の人が行動を起こすのは恐らく自宅前だと思う。それにしても、現役の警官に警告されても諦めないとかある意味すごいよね倉橋(くらはし)君」

「全くだ。ここまで来ると、夜月テレビ局のバカ共は刑務所に行きたいのかも知れないとまで思えてきたわ」


 その話題で盛り上がっていると国道沿いにある、そこそこ大きめで外にテントが飾ってある店に到着した。ここがエルバノと言うアウトドア用品店らしい。


 糞店主が出てくると聞いているのでどんな感じなのか想像しつつ中に入るが、聞いていた事とはまるっきり違う光景が見えてきたので驚いた。


「あ、星村さんいらっしゃ~い。何かお探し?」

「キャンプで使うものを探すのに付き合ってます。それにしても水咲(みさき)さん、ずいぶん明るくなりましたけど何か良いことでも?」

「そうそう。あの糞店主が3日前に辞めたのが嬉しくて」

「あの店主が辞めたの!?」


 どうやら糞店主とやらはもう辞めていたらしい。何でも、1週間前に自慢話でウンザリした客数人が早く会計してくれと言ったら、激昂した店主がその客たちに対して側に置いてあった壺を投げつけて怪我を負わせたと。

 で、系列の店を営んでいる雇い主から懲戒免職処分を受けて辞めさせられた上、警察に逮捕されたとのこと。


「てか星村、いつの間にバイトの女子高生と仲良くなってたんだよ。もしかして下――」

「違うから。岡本君と行った時以外にも物を買いに行っててその過程で仲良くなっただけだよ。あ、水咲さん、キャンプ用品何かオススメあります?」

「えっと……」


 真剣に選ぶこと1時間、テント等の車に入りきらない大きいもの以外を買い揃えて店を出ていく。調子に乗ってあれこれ買いすぎたせいで車内が物凄い窮屈になってしまった。


 そうして目的のキャンプ用品を買った俺たちは、道中で見つけた飲食店に立ち寄って美味しい料理を堪能した後、家へと戻る。


「岡本、今日はありがとうな。他の奴らも付き合ってくれてありがとう」

「なんだかんだあったけどお前の子供の灼狐ちゃんにも会えたし、美味いもんも食えたし、結構楽しかったから気にするな。そもそも俺が誘ったキャンプの為だから、むしろこっちがお礼言わなきゃいけねぇ。ありがとう、諏訪野(すわの)

「ああ、またな。キャンプ……ん? ぐっ!」


 お父さんが持っていた鍵で扉のロックを外し、ドアを開けようとするがびくともしない。体当たりや蹴り、何故か岡本さんが持っていたバットでも効果無いときた。


 と、その時……


「かかってくれましたね、私の()()に! 取材を受けてくれるまで帰しませんよ」

「貴方はアルテマにも居たあの時の……本当にしつこいですね。それにしても魔法ですか。扉が開かないのも貴方が」

「ええ。日本にドラゴン等の幻想(ファンタジー)世界のものたちが現れ始めたその時を境に急に使えるようになったのです。色々出来るんですよ。例えば今みたいな感じで扉をロックしたり、火や水を起こしたり等出来ますよ。取材受けてくれなきゃどうなるでしょうね」


 なるほど。まあ俺が妖術を使えるようになったり、地球上に存在しない国の人物が来たり、魔物が出るようになったりとかしてるからな。魔法が使えるような人が出現してもおかしくはないだろうな。


「で、取材は?」

「……貴方みたいな犯罪に手を染めるような危ない人の頼みなど聞けるはずがないでしょう」

「そうですか。ならば少しだけ……『フレアボール』」


 取材を改めて拒否した瞬間火の玉を放ってきた。夜月テレビ局とかよく知らないけど、アイツみたいにヤバい考えを持ってる奴らばかり集まっているところなのか?


 まあ、俺は火属性は吸収出来る能力があるので、彼女の放ってくる火の玉を避けずにひたすら受けて吸収した。


「私の魔法が効かな……っ! あぁぁぁぁ!!」

「『狐術(こじゅつ)妖幻狐火(ようげんのきつねび)』」


 魔法を使えると言っても、普通の人に向けて火属性攻撃は過剰過ぎると判断したので、周囲に影響を与えにくい幻を見せる妖術を使う。

 何を見ているのかは分からないが、悶えているところを見るとしっかり効いているようで良かった。


「誰か警察を……」

「もう呼んだぜ。しっかし魔法を使えるとはな……コイツみたいな奴が使えると厄介だぞ」


 通報から少し経った後、家の前にパトカーが到着した。どうやら俺たちのやり取りを見ていて、なおかつ証拠の動画を撮っていた周辺住民が居たらしく、あっさり逮捕されて連行されていった。





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