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短編小説 私の知り合いの●●シリーズ

短編小説 計画

作者: 猫田蛍雪
掲載日:2019/05/04

 私の知り合いには、ネコバーという人物がいる。

 彼女は旅館の経営者であり、同時に小説をしている。


「今日はね、新しい旅館の計画をきいてもらいたいの」

 ネコバーはイキイキとした口調で言った。

「計画となると、事業ですか? 」

「そうよ」

 ネコバーはそう言い、計画書を見せた。


 ----事業計画案----


 猫カフェ・・・・・・猫を主としたカフェ

 メイドカフェ・・・・・・東京の秋葉原をイメージしたカフェ

 小説家荘・・・・・・小説家を目指す人向けの旅館

 健康ランド・・・・・・健康志向の人向け

 

 以下省略

 ----最終ページ----


 早速、気になったことをきいてみた。

「この猫カフェは、島の野良猫を連れてきて、商売にするのですか? 」

 この島には、野良猫が多く、農作物の被害がよくあった。

「ええ、野良猫もしっかりと飼えば、農作物の被害はなくなるわ」

「そうですね。後で、大熊さんに相談しておきます」

 私はメモ用紙に、事業内容を書き込んだ。

「この『小説家荘』」とは小説家を目指す人向けの旅館なのですね」

「ええ、小説家になりたくても、周りの環境がしっかりと整っていなければ、いい小説が書けないと思うの」

 ネコバーのいうことは、その通りであった。

 ストレスがたまっている状態や理解してもらえない環境でいい小説が書けるはずがない。

「改築費はどうなりますかね? 」

「そうね。前田町の空きビルを利用しようかしらね」

 前田町の空きビルということは、旧三つ星社があった場所であった。

「それならば、一からつくる必要もありませんもね」

「そうよ。私も小説で儲かっているけども、大金持ちではないわ」

 そして、全ての事業を確認し終えて、私は帰ろうとした。

「あなたは、くまさんの派閥をどう思う? 」

 ネコバーの唐突な質問に私は回答に困った。

 なぜならば、なつみに要注意人物だから注意しなければならないと言われたからである。

「そうですね、今まであった人の中で一番、信用できる人物ですよ」

 私が、この島に移住してから今に至るまであらゆることでお世話になっているからである。

「くまさんも、あなたを評価していたわ。よくできる少年だとね」

 ネコバーは、意味深な顔つきで、にこやかに言った。

 ここで、一旦コマーシャルです。


 ----コマーシャル----


「ログオン編集部からのお知らせです」


 チクタク、チクタク・・・・・・ 。

「あなたは、本当の恐怖を知っていますか? 」

「あなたのせいで、また犠牲者が・・・・・・ 」

 キャー・・・・・・ 。

「PC89版『卵から生まれた殺人鬼』は7800円で好評発売中です」


「以上、常に新しい情報を読者へ届ける、ログオン編集部からのお知らせでした」



「カモメゲーム工房からのお知らせです」


「ねえねえ、メグロくんからきいたか? 」

「きいた、きいた」

「NSX版『お姫様物語』のマイさんと付き合っているみたいよ」

「メグロくんは現実逃避中か・・・・・・ 」

「私はNSX版『お嬢様のひつじ』で現実逃避中だけどね」

「私はリアルで充実しているので・・・・・・ 」

「嫌みね」


「アイデアを形にするカモメゲーム工房です」


 ----コマーシャル 終わり----


「けれどもね。よくできるから、怖いとも言っていたわ」

 ネコバーは、はっきりと言った。

「よくできるから怖いとは? 」

 私は不思議に思って聞き返した。

「そうね。あなたは役場でよく働き、少しの期間で多くの人の信頼や情報をもっているわね」

「ええ・・・・・・ 」

 私は黙って聴くことにした。

「私も大熊の考えに同感で・・・・・・ 。何者なんだろうと・・・・・・ 」

「その言葉は以前、なつみさんからも言われましたよ」

 私は冷静に、ネコバーに返した。

「別にあなたを、疑っている訳ではないのよ」

 気まずい雰囲気に、ネコバーはさらに言葉を返した。

「ええ、いつか真実をお話しますよ」

「真実? 」

 ネコバーの顔はこわばり不思議そうに聞き返した。

「まあ、大した真実ではありませんがね」

 そして、私はもう一言、付け加えた。

「もしかすると、この島の現状が一変するかもしれませんね・・・・・・ 」

「島の現状が一変? 」

「でも、確実に言えるのは、大熊さんたちの味方であることを保障します」

 そして、私はネコバー旅館を去って、役場へ向かった。

 私はこの島に移住して気がついていたが・・・・・・ 。

 この島には、いろんな事情を抱えて住んでいる人が多いと感じた。

 今回は、私の立場をはっきりとさせてよかったと思った。

「おお、君か。仕事お疲れ様」

 大熊は、仕事をしている手を止めて、そのように言った。

 そして、私はにこやかな笑顔を返したのであった。

 

 終わり










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