幼い頃に見たことがあるのか~彼女の正体は?~
俺の名前は、柊 海志。私立聖南学園の3年生だ。
お年頃で、家には沢山の封印のノートが出てきちゃう系なんだ。中二病って恐ろしい。
最近入ってきた転校生、金松 心に果てし無い既視感を覚え、見つめていたら目が合っちゃって、恥ずかしいと思っている。やっぱり、綺麗なものを見ると感嘆するってのは、嘘だったんだな。感嘆よりも恥ずかしさだけだわ。正吉が近づいてきて話しかけてきた。
「海志君。君、授業一切聞いていなかっただろう」
「あ?よく分かったな」
「わかり易すぎるんだよ、君は。気になる転校生を凝視した挙句振り向かれたら、目を逸らしちゃうような初は、君ぐらいなんじゃない?」
「うっせーな! お前みたいな神経図太い変態じゃないんだよ、俺は」
たまに、正吉は、今にも泣きそうな不安で怯えた顔をする。大体の原因は、俺が【男】として扱ったりする時だ。そんな時に俺は、どう対処していいのか、分からなくなる。いつも得意げな顔をしている正吉が、瞳に涙をいっぱい溜めて怯えてる顔を見ると、足元がぐらついた橋の上にいる気分だ。
「君にそう言われるなんて気分が良いね。誇れるよ」
少し顔を伏せて、泣いてるようにも笑っているようにも見える顔をして、席を離れていった。言葉にもならない声を出してしまった。謝ろうと、席を立ったら金松に話しかけられた。
「ひいらぎ、海志クンだよね。私、判る? こころだけど」
「あぁ、転校生の金松さんだろ。俺に何の用だよ」
「ねぇまだ判らない? 小さい頃いつも一緒に居たじゃない」
「小さいころ? まさか、ここちゃんか?」
「そうだよ。お久しぶり」
金松、いやここちゃんは、俺の昔の幼なじみだった。生まれてから七歳まで田舎に居てその時に知り合ったのが、ここちゃんだった。家に婆ちゃんしか居らずつまんなかった俺に刺激を与えてくれたのだ。
まさか、その知り合いが転校生となって来るとは思いもしなかった。ここちゃんは、昔みたいな笑顔になっていた。
「かーくんの顔を見た時に、かーくんだって思ったの。私の勘って鋭いからね」
「確かに。ここちゃんの勘の鋭さには、いつも驚かされていたしね」
「そうかな。ちょっと照れちゃう」
ここちゃんは、恥ずかしさのあまり瞳をぱちぱちと瞬かせる。幼かった頃の彼女の顔が成長して目の前に居る。大人びたようで、笑うと幼さが出る。
これで、既視感の理由がわかった。彼女は知り合いだったからだ。




