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♪陽の過去、中学校入学
“バタン” (また倒れた)
静まりかえり、辺りは薄暗い体育館。
卒業式を1週間後に控えた小学校に大きな音が響き渡った。
普通の場合、人が倒れたら騒然となるはずだが、誰も騒がない。
それもそうだ、もうこれで7回目だから。
倒れたのは髪を2つに結び、高い位置で留めている女子生徒。
必死で呼吸しているが、全然落ち着かない。
ーーーどうやら過呼吸のようだ。
数十分後、彼女の意識が戻ったら周りには数人の女子。
その中には彼女の数少ない親友、上原玲音もいた。
2人は何やら小声で会話し、少し悲しそうな顔をした。
そして倒れた少女は、まだ蒼ざめた顔にふらつく足取りで体育館へと姿を消していった。
ーーーーあれから1ヶ月………。
「はるちゃーん‼︎はるちゃんは何部にするか決めた〜?」
「うーん、はるはね、演劇部にしようかな」
はるちゃんと呼ばれた少女。
彼女こそがあの時倒れそうに少女。
本名は桜田陽。
あの時の表情はみじんもなく、明るい声。
陽は中学校へと入学した。
これから陽を魔法の世界へ連れて行く大きな運命がゆっくり目覚めた。




