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罪の色
新章突入!
重くのしかかってくるような、『黒』くて厚い雲。そこから降り注ぐ冷たい雨が、僕の髪や手に飛び散った血を流していった。足元に転がっているのはかつて人だったモノ。彼女に逆らったから、人では無くなったモノ。
「お疲れ様、ノート。有難うね」
僕は、全て彼女のものだ。
心も体も、彼女が望んだ通りに動く。例えそれがどんなに罪深い行為だろうと、ただ彼女が願ったから。そんな風に生きてきたし、そんな風に生きていくのだ。それでいいと思うし、思ってきた。
「いえ。貴女の望みは、私の望みですから」
そうして僕はまた、彼女の御手にキスをする。




