1/67
プロローグ【白】
いよいよ開幕しました『エリュシオン』!
しばらくの間、お付き合い願います!
歩いていた。
とてもとても長く
歩いていた。
僕と『君』が、ひとりぼっちで。
ただ、気がついたら歩いていたんだ。
終わりのない旅路を
終わらない僕らが歩いていた。
終点は何処だろう?
どこに行けばいいんだろう?
わからない。
わからない。
「疲れた、ね」
君は掠れた声で笑った。
「こんなとこで死ぬなよ」と。
「死ぬかも」
だって寒いしお腹も空いた。
「おいおい」って
君はちょっと困ったみたいだった。
「冗談だよ」
今度は僕が笑った。
本当は、眠くて眠くて
立ち止まってしまいそうなんだけど
もうすぐ太陽が沈むから
「あと少し頑張れ」って
君が言う。
「じゃあ頑張るよ」
僕が言った。
さて、もうちょっとだけ歩こうか。