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我が侭人魚

作者: しー

友人にお題で人魚と出されたので。15のガキが書いたので温かい目でお願いします。

この感覚は何度味わおうとも私を飽きさせない。

それは知らない事への知りたいという気持ち、好奇心だ。


私は私以外の同じようなイキモノを見たことがないし、またそれが悲しい事とも思わない。

この黄金色の髪と水の中を掻き分けるヒレさえあれば、何処までも行って楽しいことを見つける。

そしてそれに飽きてしまえばまた違うモノを探しに行く。何が正しいのか私には関係無い。

私には何の束縛も無い。あの陸にいて毎日せわしなく動くおかしなイキモノとは違う。

私が思ったことが正しくて、私がすることが決まりだ。私のことをあのイキモノは人魚という。

そこに何の意味があるのか私には理解できない。する気もない。

そう考え事にふけっていて、前にある岩に気づかず、ぶつかると思ったときには既に遅かった。


朦朧とする意識の中で何か安らぐような音が聞こえた気がした。


目を覚ますと、ひどく頭痛がした。岩に衝突したことを思い出し

何故ここにいるのか疑問に感じ、辺りを見回す。

しかし周りには何もなく、ただ砂浜であった。

何もないならいい、多分流されて着いたのだろうと思うことにした。

下半身の筋肉を器用に動かして海へ入る。

すると、二本の棒がこちらに向かって進んでくるのが見えた。

案の定、あのイキモノだった。

「大丈夫?コスプレ水泳でもしてたの?」

コスプレがなんだかは理解できないが、私を見て驚かないと言うことは

何かそういうものを付けてると言う風に勘違いしているのだろう。

少しイタズラ心が湧いた。

「ありがとう、触ってみてよ。ホンモノよ?」

するとその小娘はリアルに近いという意味に受け取ったのかへぇと言いつつ手を伸ばす。

撫でてみて、すごーいリアルと言う顔には素直な感嘆があった。

さりげなく動かしてみると流石におかしいと思ったのか、

「まさか・・ホンモノ・・?なわけ無いか。」

流石に待ちかねたので

「さっきからそう言ってるんだけど?」

小娘の双眸が輝く

「すっごおおおおい!!ねえ、何歳?」

いきなり歳を聞くなど、本当にこのイキモノはわからない。

魚はもっと寡黙で冷静だ。それが生きる為の鉄則だからだ。

しかし、このイキモノときたら・・・

「あ、そういえば何で人魚なのに沈んでたの?」

「!?」

流れ着いて等いなかった。非常に腹立たしいがこの小娘に助けられたらしい。

それがとても許せないように思えたが、また面白くなってきた。

最近、面白いモノが見つからず飽き飽きとしていたのだ。

この小娘はどこまで私を楽しめさせるか。


寂しい淋しい人魚はそう思うのでした。

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