第8話
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≪ギルド≫
ギルドに入ったロキは真っすぐ受付へと歩みを進めた。
「おはよう、カナ。今日はDランク認定の依頼を受けるよ」
「おはようございます。ロキさん。え〜と、Dランク認定試験用依頼ですね。『薬草ヨモイの葉を10枚採取』の依頼をお願いします。
この薬草は町の南門を出て歩いて10分ほどの場所にあります。町の近くなので魔物はほとんどいませんがいちを気をつけて下さいね」
「わかった。ちなみにヨモイの葉ってどんな形してるの?見本とかある?」
カナは後ろの棚から図鑑を取出し見せてくる。
見せられた葉はヨモギの様な形で葉の大きさは10cmほどある。
形がわかったロキはカナにお礼を言ってギルドを出た。
ギルドを出たロキはまずは大通りにある道具屋に行く。
カランカラン
「いらっしゃい。何をお探しで」
道具屋に入るとそこにはスキンヘッドの色黒のヒゲを生やしたおじさんがカウンターの向こう側で座っていた。
「あの、薬草を入れる袋を探していれのですが、いくらのが有りますか」
おう。と元気よく返事をして袋を3つ持ってくる。
「これが皮の袋で30Mだ。こっちが上質な皮の袋で1000Mで、最後のこっちが魔法の袋で20万Mだ。」
「何が違うんですか」
そんな質問におじさんは嫌な顔もせず答えてくれた。
「ガハハ。皮袋は普通の袋だな。上質な皮になると破れにくく、臭いも着かないからいろいろ入れ替えが出来る。そして…魔法の袋は見た目の何十倍もの量が入って、臭いも着かない上級冒険者の必須アイテムだ」
魔法ってすごいなぁと思いながらも手がでないロキはいつか買おうと心に決めるのであった。
ロキは皮の袋を2つ買い、道具屋を出る。出る際におじさんから……
「今後もよろしくな、坊主」
と言われたロキは軽く返事をして出たのであった。
≪南の平原手前≫
南門から出たロキは、自分が初めて町を出ると気づき、手続きが必要なのかと思ったがギルドカードを見せるだけで許可された。
教えられた場所に着くとヨモイを探す。
意外と簡単に見つける事が出来、すぐに数が揃った。早速買った袋の一つに入れ、帰ろうかと立ち上がった時平原の方から複数の嫌な気配を感じすぐに振り返る。
そこにはこちらに向かって走って来る3体の獣が見えた。
1体は猪のような姿だが、体毛は針のように尖っている。
残りの2体は手に欠けた剣を持った全身緑の子供ぐらいの背丈で豚鼻の魔物だった。
2体の緑の魔物を猪の魔物が追いかけるような形になっている。
魔物達が迫って来る。
ロキは今武器を持っていない。なぜなら……お金がないからだ。
安いショートソードでも500Mはする。今のロキにはそんな余裕は無かった。
(あの魔物の剣貰っていいかな……)
一切迫ってくる3体の魔物に恐れを感じる気配も無く、そんな的外れな事を考えていた。
ふぅーー
一度大きく息をするとロキは魔物に向かって走りだす。
まず前を走っている緑の魔物の横を抜け、後ろの猪の魔物の体毛がない顔を思いっきり殴った。
ボギャッ
異様な音をたてながら猪はロキの頭上に舞い上がった。
そんな猪を追うようにロキも地面を蹴って飛ぶ。
針のような体毛を数本纏めて握り、こちらを止まって見ていた緑の魔物に向かって投げる。
緑の魔物は動きだすが間に合わず、2体と猪はぶつかる。
スタッと軽やかに着地したロキは歩いて魔物達に近づく。
そこには顔が潰れた猪と針に全身を刺された2体の魔物が死んでいた。
(意外と弱いな。町の近くだしこんなものか……あっ!!剣無事かな?)
剣を探すと見つける事が出来たが1本は砕けており、もう1本は欠けた部分が増えた気がするが無いよりマシかなと拾って腰に下げた。
魔物はどうしようか悩んだが処理の方法を聞いて無い事に気づき、わからないので放置して町に帰った。
数時間後、その死体を発見した冒険者はなぜこんな死に方をしたのかと首をかしげるだった。
初戦闘シーンでした。
ロキは素手でも強いですが、剣を使わせたいと思い剣を拾わせました。
今後の展開にご期待下さい。
今回登場した魔物については次回名前等説明をしようと思います。(カナが)
それでは次回もよろしくお願いします。