第6話
今回はギルドへ!
また新しい人が出て来ました。
実際書くまで出てくる予定無かったキャラです。
ロキは左足を少し下げ、両手で持ったオノを真上にゆっくり上げていく。
息をゆっくり吸うと、目を開き狙い定めてオノを振り下ろす。
カコン………
「ふぅ〜。薪割り終わりっと」
ロキは割った薪を指定の倉庫に入れ、依頼主の元に行く。
なぜロキが薪割りをしているのかというと、話は昨日に戻る。
≪昨日≫
ユイーナと名乗る女性から6千M請求された次の日、ボイルさんに冒険者になりたい事を伝え、ギルドの場所を聞く。
自分の服に着替え宿を出る。
ボイルさんに目覚めた次の日に出歩く事にすごく心配されたがリハビリですと言いなんとか出る事が出来た。
ギルドへは宿を出てすぐに大通りに出ることができる。そこから町の中央にある城の様な建物へ向かって歩く。
大通りにはいろいろな人が歩いたり走ったりしていた。
村で暮らしていたロキにはとても新鮮な光景だった。
鎧に全身ん固めた人やナナの様に猫耳の人、耳の場所は人と一緒だか長く尖っている人など多種多様だった。
店にも興味が有ったがお金を持っていないのでまたにしようと歩みを進める。
ギルドに着いたロキはドアを開けた。
開かれたドアの音に中でお酒を飲んでいた人の何人かが顔を向けたが、武器を持ってない事から興味を無くした様に顔を戻した。
ギルド内を見回していたロキに1人の女性が話かけてきた。
「あの〜、もしかしてギルドは初めての方ですか?」
その言葉にロキは声をかけてきた女性に視線を向けた。そこには、青と白のゴスロリっぽい服を来た濃い茶髪をサイドで結んだかわいらしい人族の女性だった。
「あ、はい。冒険者になりたくて登録に来たのですが、どちらに行けばいいですか」
「登録ですね。ではこちらですのでついて来て下さい」
そう言い女性は端っこのカウンターに向かった。
こちらでお待ち下さいと言って彼女は横のドアに入って行った。
(登録は珍しいのか?)
先程の登録したいと発言してから視線が増えたのをロキは感じていた、ただ悪意ではなく興味本意の視線だ。
そんな考えをしていると目の前のカウンターに案内してくれた女性が座った。
「お待たせしました。それでは、登録ですのでこちらの紙に可能な限り記入をお願いします」
そう言って一枚の紙を渡してくる。
そこには名前や出身地、種族から得意武器と魔法の使用の有無などの項目が有った。
この世界では日本語が使われている、ただし日本語と言わずに『ヘイリー語』と言うのだ。
文字は違うのだが、ひらがなやカタカナのように50音で濁点は右下に付けるので覚えるのにそこまで時間は必要無かった。
名前……ロキ・クサカベ
年齢……18
種族……人族
出身地……ニホン
得意武器……無し
魔法使用の有無……無し
種族で悩んだが、見た目が人族だから人族にしておいた。
魔法も使えないので無しにした。
(魔法かぁ……ボイルさんにも聞いたが基本属性『火・水・風・土』に上位属性『氷・雷・光・闇』の計8つらしいが、一人一つか二つぐらいしか使えないらしい。例外は居るらしいが……。やっぱり術式とは違う)
術式とは、文字を媒体に現象を具現化させる術。
人が作り出した技だ。
ちなみに鬼は鬼道術を使う。基本は術式と同じだが、媒体が鬼の角な為鬼状態でない今は使えない。
書き終えた紙を女性に返す。
「はい。それではこちらの内容で登録させて頂きます。ではこの玉に手を置いて下さい」
ロキはだされた水晶玉(?)に手を乗せた。
すると微かに光を放つ。
光がおさまるまで5秒ほど、その間に女性は手元で何かを操作していた。
「はい。お待たせしました。こちらがロキさんのギルドカードです。無くさないで下さいね。再発行には1万M必要になりますので」
そう言って名刺サイズのカードを渡してきたので受け取るロキ。
「続きまして、冒険者についての説明は御必要ですか?」
「お願いします」
説明が長いので簡素にまとめると……
1.ランクがあり『E・D・C・B・A・S・G』の7つである
2.ランクアップに一定数の依頼を熟すか、指定された依頼を熟すと上がる
3.依頼さ一度に一つのみ複数受ける事は出来ない。ただし、特例として有った記録はある
4.依頼に失敗したら報酬の半額を違約金としてギルドに払う
5.緊急召集に応じれない場合、多額のお金を払う
など細かいのはまだいくつかあるが大元はこの5つである。
「以上です。………ふぅ」
喋り終えた女性は少し疲れが見える。どうやらまだ慣れていないようだ。
「ありがとうございました。ところであなたのお名前を伺ってよろしいですか?」
「えっ!……私ですか。初めて聞かれました。えっと名前ですよね。私はカナ・モーディ。まだ1年目の新米ですがよろしいお願いしますね。………って!私何か粗相をしましたか!!」
律儀に教えてくれた女性カナは名前を聞かれた事を、粗相があり苦情を言われる為に聞かれたと思ったらしい。少し涙目になっていた。
それを見てすぐに訂正する。
「いえ、違うんです。説明はわかりやすかったですし、またわからない事が有った時少しでも知人の方が聞き易いと思っただけですよ。だから泣かないで下さい」
「本当ですか?」
若干上目遣いで見てくるカナに一瞬ドキッとしてしまった。
「本当ですよ」
「あの……はやとちりしてしまいすみませんでした。もしかしてロキさんは貴族の方ですか?」
「いえ違いますよ。山の中にある村で産まれ育ったので貴族とは縁のない人間ですよ。ですがなぜそう思ったのですか?」
カナの疑問にロキも疑問で返す。
「あの…、言葉遣いが綺麗だなと思いまして、冒険者になる方はほとんど強い言い方をされるので……」
ギルド内だけ有って若干言いづらそうだ。
「あぁ、初対面の人にはだいたいこうですよ。普段はさすがに違いますよ」
「そうなんですか。なら次来られた時は素の喋り方なんですね。楽しみに待ってますね」
そう言って笑顔になるカナ。
今日は登録だけなのでカナをずっと引き止めるのも悪いのでまた明日来ますと言って宿に帰った。
そして次の日初依頼が…Eランク『薪割りをしてくれ』だった。
ちなみに報酬は20Mだった。
宿屋『月の雫』一泊一食で100Mだ。ちなみに一食は朝食だ。夕食は1階のお店で食べれば安くなる
一般的な一食は30〜40Mだ。
こうしてロキの冒険者としての生活が始まるのだった。
これで序章は終わりといった感じです。
次からは冒険者としてストーリーがすすむ予定です。
今後とも作者・作品共によろしくお願いします。