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第5話

朝から依頼に出ていたレヴィ・ユイーナ・ナナは夕方前には依頼を終え、ギルドに報告を済ませると、『月の雫』に向かいながら森で助けた男の子について話しをした。


「まだあの男の子は意識が戻らないの?」


「そうなの。今はお父さんに見て貰ってる。」


「ボイルさんにかにゃ。てっきりミランダさんに頼んだと思ったにゃ」


「ミラ姉さんとリリーはお母さんの手伝いしてるよ」


『月の雫』に着いた3人に気が付いたボイルは3人に近付いて来た。


「おう、帰ったか!」


赤いバンダナにかわいらしいエプロンを付けたボイルは笑顔でそう言った。


「早速だが、あの坊主が目覚めたぞ。ただちょっと……な」


「「「????」」」


目覚めた事に喜びの表情を浮かべた3人だが、ボイルの歯切れの悪い言葉に表情を変えた。


それからボイルはロキと話をした事を話し、彼が一部記憶喪失の可能性がある事、他国の人間で名前がロキである事を話した。

一通り話を聞いたあと3人はロキの部屋に向かった。



コンコン


ユイーナがドアをノックすると中から返事がする。

その返事を聞き、ゆっくりとドアを開けた。




≪ロキSide≫

ロキはノックに返事をするとゆっくりとドアが開く。

そして3人の女性が順番に入ってくる。

黒髪の背の高い女性を筆頭に、金髪の女性、最後に茶髪で猫耳を生やした女性だ。


始めロキは部屋を間違えたのではと思ってしまったが、黒髪の女性のが先に口を開いた。


「初めまして。私はユイーナ・アスベイルよ。後ろに居るのが、レヴィ・アルベルトで。ボイルさんの娘よ。そして猫耳の子がナナ・コルテよ。あなたはクサカベ・ロキさんでいいのかしら」


突然自己紹介しだした相手にロキは若干唖然としながらも頷く。

その顔を見てクスッと笑うとユイーナは再び口を開いた。


「まぁ戸惑うのもしょうがないわよね。いきなり知らない相手が入ってくるんだもんね」


ロキは何故女性達が部屋に来たのかわからなかったがある推薦をした。


「俺を助けてくれたのはもしかしてあなた達ですか?」


「えぇそうよ。私達が森で倒れていたあなたを運んだのよ。助けたからにはいちを挨拶はしとかないとね」


「やはりそうか。ありがとう。助かったよ。」


ロキは頭を下げた。

だかロキは一つ腑に落ちない事が有った。

なぜ助けた方が挨拶に来るのか、普通助けられた方が行くのではないだろうか。

そんな考えも黒髪の女性の次の発言に納得してしまった。


「御礼は受け取ったわ。でもまだあなたの治療費を貰って無いわ」


その発言に今まで黙っていた後ろの二人が思わず声を出した。


「えっ!!今それ言うの!!確かに治療費は痛かったけど……普通今じゃないよね!言うの!」


「ニャハハハハ。ユイはいつもストレートだにゃ。ただ病み上がりにそれは確かに酷いと思うにゃ」


二人のツッコミに言葉にユイーナは……


「こういうことは始めに言っておかないと駄目なのよ。なあなあになって返って来なくなるわよ」


ロキは内心確かにと思ってしまったが最後の言葉は本人のいない時に言って欲しかったと思うのだった。


「えっと……ちなみにいくらですか」


ロキの言葉にユイーナが答える。


「6千Mよ」


一般家庭の収入が7千Mだとして6千Mは高く感じてしまった。

実際は瀕死の重症を短期間で回復させたのだからこの世界では妥当な値段なのだ。


「今すぐって訳じゃないから安心してね。ただきちんと返してくれると嬉しいわね」


ユイーナは笑顔でそう言った。


「あぁ………金が出来次第返すよ」


こうしてロキは目覚めて1日も経たない内に6千M返す約束をするのだった。


(これは早く冒険者ギルドに行かないといけないな……はぁ………)



ちなみにユイーナはそこまでお金に執着している訳ではなく、ロキの反応を見ながら人柄や性格を判断していたのだ。


(なるほど……。もしかしたら犯罪者かと思ったけどそれはなさそうね。突然あんな事言われて怒らないって事は……悪い人ではなさそうね)


ユイーナの内心など知らないレヴィとナナは申し訳なさそうにしていたのだった。

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