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雪の日の葛藤

作者: 水連 真澄

 白く降り積もる雪。


 世の中には、それをロマンチックだと言う人もいるらしい。

 私にとっては、ただ迷惑なだけなのに。


 まず第一に、雪かきが面倒。

 第二に、道が歩きにくくなる。

 他にも色々あるけれど、一番厄介なのは、溶けかけた雪が屋根から落下すること。当たると結構痛い。


 だから、そう。

 私にとって、雪は凶器だ。

 出来ることなら、もう見たくもない。


 でも、春になって、夏になって。

 田畑を流れる小川の流れを眺めながら、きっと私は思うのだろう。

 今年も雪のおかげで干ばつにならなくて済むね、と。

 昔ながらのおばあちゃんの知恵袋じゃないけれど、雪の少なかった年は、雪解け水も、雨の量も少ないのだ。だから実は、カマキリの卵の高さとか、雪にまつわる言い伝えを、初冬には気にしてしまう。

 こうして実際に降り積もると、うんざりするのに。


 外からガリガリと音がする。隣人が家の前の雪かきを始めたようだ。

 雪はまだ降り止まない。

 家が真っ白になる前に、せめて通路くらいは確保しなければ。

 湿布の臭いがする身体に鞭打って、コートを羽織る。

 今夜もまた、筋肉痛になりそうだ。

先日雪かきをした後に思いつきました。豪雪地帯に住む人なら、一度は思ったことがあるかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 文章の表現がとても素敵だと思いました! タイトルも作品の内容を的確に表していて、とても良いと思いました! 雪かき、大変だとは思いますが頑張ってください☆
[一言] 初めまして。 雪掻き、大変そうですね...旅行先で大雪を見ると、いつもそう思います。 今年も寒いですけど、雪掻き頑張って下さい!!
[良い点] 生活感が見えているのが良いですね。ニュース映像では表層的にしか見えないところがこの作品では臨場感があると思います、 [一言] こちらでは大雪どころかつもることさえ珍しいので、雪が降ると子供…
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