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あなたの腕の中で性と向き合う  作者: 瀬戸 航帆
第3章 プロの風俗嬢として働くということ
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第19話 まさかのリピート

 今日はついていない。本日は二名の新規のお客様に指名されたがその内一人は、人妻を犯したい、と下着を思いっきり引っ張るド変態野郎。もう一人は本番行為への誘い方が「俺、無精子症だから中に出しても妊娠しないよ。だからいい?」と、今までの人生の中で最高にキモイ誘い方をしてくるカス野郎だった。この誘い文句で女性が許可するとでも思っているのだろうか。なんておめでたい頭なんだろう。当然お断りして、相手と解散するなり藤本店長に連絡してNG指定にした。これでもう二度と会うこともあるまい。


 どっと疲れを感じながら事務所に戻ると、藤本店長が上機嫌で振り返った。


「さすが莉奈さん!本指名返すのが早いねぇ!」

「あ、どうも」


 いったい誰からの指名なのか尋ねると、一昨日、来店したシラカワさんだという。絶対に本指名で帰ってくることはない、と確信していたので驚きを通り越して、疑問で頭の中がいっぱいになった。


「今週の土曜日も出勤だよね?十六時から三時間でリクエスト予約したいって。予約とって大丈夫?」


 お店のルール上、公開できる出勤予定は一週間のうち三日間までだが、三日間連続して出勤する場合は、二日間までしか公開できない。私は週六日出勤しているので、私の出勤予定は二日間しか表示されない。つまり今日と明日が常に出勤予定日として公開されているので、本指名からリクエスト予約の電話が良くかかってくる。


 前回の失態も含めて挽回のチャンスだと思った。


「リクエスト予約、大丈夫です。よろしくお伝えください」


 そう答えると店長は嬉々としてシラカワさんに電話を掛け、リクエスト予約を承った旨の連絡をした。


 しかし、リクエスト予約を承った二日後に、生理が来てしまったのだ。間の悪いことに予定より一週間早い。土曜日は生理四日目にあたるためベッドプレイはできない。


 私は藤本店長に生理が来てしまった旨を伝え、予約しているお客様にキャンセルの電話をかけてもらった。毎月来るものだから仕方ないとはいえ、申し訳ない気持ちで一杯だ。


「土曜日の十六時から予約していたお客様が、ホテルに行かなくていいから一緒に食事したい、って言ってるんだけど、どうする?」

「え?マジですか?」


 本指名の中には生理が来てしまった時はホテルではなく、一緒にランチを楽しむ方向性にシフトする方が何人かいるが、いずれも中高年で収入に余裕がある方ばかりだ。年配の男性が若い女性を連れて歩くことは、高収入を誇示する行為の一種でもあり、その時の私はお客様のステータスを証明するアクセサリーだ。そして、遊びなれている方は経験豊富で手応えのある会話を求めてくるため、ベッドプレイを行うよりハードルが高い。


 しかし、同い年の二十九歳の男性が、ベッドインできる金額を払ってでも、食事で構わないという。しかも三時間コースで!何か目的があるのだろうか。食品メーカーの営業と言っていたが、そこまで羽振りが良い給与とは考えにくい。実家が太いか、何かしらの副収入があるのか、どちらにせよ財布は温かそうだ。


「飲食の予約で大丈夫です、とお伝えください」

「わかった」


 店長がシラカワ様に電話しているのを横で聞きながら、手元に広がっている領収書の片付けに取り掛かった。仕事が終わったら会話の引き出しを増やすために、シラカワ様が興味ありそうなことを調べておこう。次こそは満足して頂けるよう頑張らねば。


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