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エピローグ
人生において、経験したことがない問題に直面してしまった時に、それをどのように価値付けするかは、未来の私に託されている。
この仕事は私の人生観を大きく変え、幸福度を底上げすることに大いに役立った。転職するきっかけとなったあの詐欺師には、図らずも感謝の気持ちを抱くほど、私はこの仕事に取り組んで良かったと思っている。この仕事を通して得た知見や、価値観は何物にも代えがたい人生の財産になった。
そして、多くの男性が抱えている様々な事情や背景を、知ることができたのは貴重な体験だった。会社員のままだったら、知る機会はおそらく訪れなかっただろう。
私は自分の身一つで勝負をする面白さを知ることができたことは、幸せなことだと思う。自分ならなんとかなる。そう自分自身を信頼できることは、生きていく上で大切な資質だと確信している。
相手の心に添うために、自分の心を砕く。この言葉は、私がこの仕事をする上での指針になるだけでなく、その後の人生においても大きな影響を及ぼした。
これを実践することは、言葉で言うほど簡単なことではなかった。しかし、そこから得たものは計り知れない。
経験が人生という大木を育てるための土壌になる。そんな言葉をどこかで聞いたことがあるが、この二年間は間違いなく土壌づくりにふさわしい期間だった。




