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どうやって穴を開けたんた?

「ミーティア明かりを」

「任せて」


 剣身が光り輝き、暗い船倉を照らし出す。

 既に海水が俺の膝上まで溜まっているのに、船が傾く様子はない。

 フィシェルさんかエリンさんが何か魔法をかけていたんだろうか。


「ミーティア、何か感じるか?」

「うーん…水の中まではわからないわ」

「やっぱり潜ってみるしかないか。錆びても怒らないでくれよ!」

「その時は最高の研師を用意してね」


 大きく息を吸い込んで息を止めて水中に潜り、ミーティアの切っ先を真っ直ぐ前に向けて、正面を照らす。

 特に破片が浮かんだりもせずに暗闇が広がっている。

 ミーティアを水平に持ち左右にかざしてみても、特に何も見えない。


「いるわ!左から二つ来てる!」


 左にミーティアをかざして目を凝らす。

 すると、黒い何かが勢いよくこちらに突っ込んできて、咄嗟にミーティアで斬り払う。

 二つから四つになった黒い何かをよく見ると魚のように見える。魚の魔物だろうか。

 とりあえず息を整えるために一度立ち上がる。


「はぁ、はぁ、はぁ、ミーティア、魔物か?」

「多分ね。まだ何匹かいるわ」

「こいつらが船に穴を?」

「そうなるのかしら」

「二人とも!なにやら集まってきてるぞ!」


 ゲンリュウさんの声に驚き、辺りを見渡すと光に集まってきたのか黒い影が水面に無数に浮かぶ。


「こいつらどこにこんなに!?」


 咄嗟にミーティアを振り抜いて、水面ごと黒い影を吹き飛ばし、梯子を急いで昇ると、ゲンリュウさんが腕を掴んで引き上げてくれる。


「魚の魔物か…やりにくいな」

「そうですね…ミーティアが魔法を使えるといってもなかなか…」

「漁船じゃないから網なども積んでおらんしな」

「木を食い破って来てるなら網なんて意味がないわ…」

「エリンさんとフィシェルさんを待つしかないのか」

「軍艦でも同じことが起きているのではないか?」

「ありえますね…やっぱり自分達でどうにかしないと…今回は刀少し持ってきたと言ってましたよね?」

「ああ」

「お金は後でちゃんと払うのでいただいてもいいですか?」

「いや緊急事態だ。金は取らんよ」

「いや…」

「コーネル!お金の話は一旦後回しよ!」

「ごめん…ミーティアは変身を解いて魔法で船倉を明るくするのに集中してくれ。俺とゲンリュウさんで全部斬る」

「わかった」

「私達も戦います」


 声の方へ振り向くと、ナズナとリネがゲンリュウさんの後ろに立つ。


「ナズナ!リネ!戻ってきたのね!」

「軍艦でも同じようなことが起きていて、フィシェルさんとエリンさんが対処しているそうです。なので…」

「やっぱりこっちはこっちでやるしかないか…」

「はい…」

「ナズナにも俺の刀をやろう。海水は鉄が傷みやすい」

「ありがとうございます。でも大丈夫です。刀を出し入れするだけで汚れなどは消えるので」

「汚れが消える?とりあえず刀を取ってくるから少し待っていろ」


 ゲンリュウさんが通路を走って船室の一つに駆け込んでいき、ミーティアが人の姿へと戻る。


「ゲンリュウには秘密で悪いけどナズナが使っている盾も刀も本体じゃないから多分平気よ」

「それならよかったよ。けどミーティアは平気なのか?」

「わからないわ。折れたりしたら死ぬのかもしれないけど」

「それはそうかもしれないですね」

「持ってきたぞ。ナズナは本当にいいのか?鍛冶師としては歴史のある古刀が海水に浸かるなど心苦しいのだが…」

「迷宮で水に濡れたり、雪まみれになったりしても平気だったので安心してください」

「逆に安心できんぞ…港に帰ったら二人とも俺がしっかりと見てやるぞ」

「あら?私もかしら?」

「もちろんだ」

「ゲンリュウのえっち」


 ミーティアが腕を組んで不敵に笑う。

 毎回思うけどちゃんと人を選んで冗談を言っているんだろうか。


「いや!?俺はそのような!?いやっ!しかし…女体に触れているの変わらん…のか?」

「ゲンリュウさん、ミーティアの冗談ですから…ミーティアも」

「かわいい反応だったわ!」

「かわっ…」

「奥さんのいる人にやることじゃないぞ?」

「それは確かに…ごめんなさいゲンリュウ」

「いや、いいんだ。俺の方も軽率だった。コーネルの立ち会いの元にやることにしよう」

「じゃあそれで…早く魔物を片付けますよ!ナズナちゃんは無理せずミーティアを守ってくれるだけでいいから」

「わかりました」


 なんだかぐだぐだしてきた気がして話を切り上げ、梯子を降りる。


「ミーティア!早く明かりを頼む!」

「わかってるわ!えっち!」

「暗くて見えないから安心してくれ」


 ミーティアが降りてきて、両手から光る大玉をふわりと浮かせるとゆっくりと上昇していき、天井に当たって弾け、閃光を放つ。


「これはこれは面妖な」

「コーネル、水嵩が増えてないわ…」


 明るく照らされた足元をよく見ると、確かに先ほどと変わらず膝上の辺りまでで止まっているようにも感じる。


「ナズナちゃん!すまないが降りて来ないでくれ!魔法かなんかで穴が勝手に塞がってくれてるのかもしれない!」

「わかりました!リネ、お姉さまを守ってあげて!」


 ゲンリュウさんが降りてきて、その上からリネが降ってくる。

 更にその後にナズナの盾が降ってくる。


「上から盾を使ってお姉さまを守ります!」

「ありがとうナズナ!」


 上を向いたミーティアに向かって水中から飛び出してきた魔物を刀を抜いて叩き斬る。

 さて何匹の魚の魔物がいるのやら。

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