エピローグ
初めて書きます。
念仏の声が部屋に響く。現在、夫の葬式が行われている。周りの親戚が嗚咽を堪える声、鼻を啜る音が微かに聞こえるが、一般的に1番を争うくらいに泣く立場である私、嫁は時が過ぎるのを待っているだけだった。
薄情だと思うだろうか、だがこの夫婦に相手の死を悔やめるほどの愛情といったものは存在していなかった。
この結婚はいわゆる政略結婚というものだ。互いが名家である故に利益のためのみの愛のない結婚であった。よくあるフィクションの話である段々愛が育まれてやがて本物の夫婦に…などということは結婚して約60年起きることはなかった。
あちらがどう思っていたかは知らないが嫁自身は、夫のことを嫌っていた。彼は口数が多い方でなく何を考えているのかが分からず少しばかり怖く感じていたのだ。
葬式諸々が終わり自宅で遺品整理を行なっている。読書家である彼の本棚から本を段ボールに詰めていると「アルバム」と彼の字で書かれた分厚い本が出てきた。アルバムを作るような人という印象はなかったため少し驚き興味本位で開いてみる。彼の幼少期、学生時代…と順に時が流れていく。すると「嫁」というコラムに辿り着く。まさか自分のことをアルバムに載せられていると考えていなかった私は不意を突かれた。めくると色々な思い出が蘇ってくる。初めはせめて仲良くなろうと頑張って話しかけていたことを思い出す。悪い思い出ばかりだけじゃなくいい思い出もあったはずなのに、いい思い出が頭の奥に押しやられてしまっていたようだ。
まだ続くと思います。
もし読んでくれている方がいるのなら、
私は気まぐれなので途中で終わったら申し訳なく思います。




